▽ 要約
レギュレーション動向:米国GENIUS法案と香港《安定幣条例》が同時期に施行、合規ショックが投資家心理を揺らす
マーケット影響:USDT・USDC資金フローが鈍化、一方SUI・ETHは質量ともに拡大
セクタートレンド:RWA・オンチェーンAI関連が引き続き強含み
今週の注目イベント:8月7日に延期された米対等関税最終発効と米7月雇用統計
投資家アクション:流動性再編に備え、合規安定幣とL2銘柄へ分散が吉
合規ショック
米国と香港で同時に“安定幣(ステーブルコイン)規制”が走り始めた2025年8月2日。投資家の疑問はただ一つ——「USDTは大丈夫か?」。本稿では規制インパクトと価格動向を整理し、読者がとるべき次の一手を示す。
1. グローバル規制アップデート
1‑1. 米国:GENIUS法案が正式発効
USDT・USDCは300日の猶予内にフルライセンス取得が必須。
新法では1:1現金同等物と月次監査を義務化。Tether はビットコイン・貴金属保有比率を削減する必要がある。
1‑2. 香港:世界初の包括的ステーブルコイン法
未登録トークンの流通は刑事罰。
条例は8月1日より施行。非銀行発行者は実質資本金2500万HKDと100%準備を要求。米国との最大差は「生息型利息配当」の全面禁止。
2. マーケットサマリー
指標 | 値 | 24h変化 |
---|---|---|
BTC | $115,900 | -2.3% |
ETH | $3,720 | +1.1% |
USDT時価総額 | $1570億 | -0.4% |
7日資金流入上位 | ETH ETF +2.1億 / SUI +1.8億 |
3. 資金フロー分析
3‑1. USDT⇆USDCスイッチング
- GENIUS法案発効直前の7月最後の週、USDTからUSDCへの純流出は▲9.8億US$。
- 主要要因:Circle は米銀信託に100%現金拘束を宣言し“合規シフト”を打ち出す。
3‑2. アルト資金はどこへ?
- SUI:米系ヘッジ「Karatage Opportunities」が 3,800 万 SUI 追加取得。
- PUMP.fun:fee.pump.fun サブドメイン登録で DEX ボリュームが前日比 +41%。
4. 注目テーマ別解説
4‑1. L2:Kraken発InkがBaseの対抗馬に
- Ink メインネット稼働。OP Stack 採用で TVL はローンチ3日で 3,200 万 US$。
- INKトークンは年内 TGE 予定。AMM「Inkypump」経由でのミーム熱も過熱。
4‑2. RWA:企業ETH財庫が100億ドル突破
- Galaxy Research 調査によると、64法人のETH保有が初の100億US$超え。
- トップはBitmine Immersion Tech の62.5万ETH。
▽ FAQ
Q. GENIUS法案によりUSDTはどうなる?
A. Tetherは準備資産と監査体制の全面改訂が必要。完了しなければ米プラットフォームから段階的に退場となる可能性があります。
Q. 香港の《安定幣条例》は個人投資家へ影響する?
A. 無登録ステーブルコインの利用が違法化。正規ライセンス発行体のトークンを用いれば引き続き取引可ですが、選択肢は当面限定されます。
Q. KrakenのInkトークンは日本居住者も取得できる?
A. 現時点では空投条件未公表。KYC要件と国内取扱所の対応次第で取得可否が決まります。
■ ニュース解説
8月2日、米・香港という二大金融圏が同日にステーブルコイン規制を走らせた。100%準備と月次監査という国際標準が示され、流動性は「合規ブランド」へ集約する流れが加速する見通し
投資家どうする?
- 短期:USDTベース資金はUSDCやライセンス申請中の国内JPYcへ分散
- 中期:L2エコ(Ink, Base)やRWA(企業ETH財庫)が次の物色テーマ
- 長期:規制対応済みステーブルコインETFの誕生を待ち、ポート全体のボラティリティ低減を図るべき
本コメントは情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。
(出典:HashKey「交易时刻」、SoSoValue データ)