8月2日 仮想通貨市場アップデート:米GENIUS法案と香港新規制がもたらす“合規ショック”

要約

レギュレーション動向:米国GENIUS法案と香港《安定幣条例》が同時期に施行、合規ショックが投資家心理を揺らす
マーケット影響:USDT・USDC資金フローが鈍化、一方SUI・ETHは質量ともに拡大
セクタートレンド:RWA・オンチェーンAI関連が引き続き強含み
今週の注目イベント:8月7日に延期された米対等関税最終発効と米7月雇用統計
投資家アクション:流動性再編に備え、合規安定幣とL2銘柄へ分散が吉

合規ショック
米国と香港で同時に“安定幣(ステーブルコイン)規制”が走り始めた2025年8月2日。投資家の疑問はただ一つ——「USDTは大丈夫か?」。本稿では規制インパクトと価格動向を整理し、読者がとるべき次の一手を示す。

1. グローバル規制アップデート

1‑1. 米国:GENIUS法案が正式発効

USDT・USDCは300日の猶予内にフルライセンス取得が必須
新法では1:1現金同等物と月次監査を義務化。Tether はビットコイン・貴金属保有比率を削減する必要がある。

1‑2. 香港:世界初の包括的ステーブルコイン法

未登録トークンの流通は刑事罰
条例は8月1日より施行。非銀行発行者は実質資本金2500万HKDと100%準備を要求。米国との最大差は「生息型利息配当」の全面禁止。

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2. マーケットサマリー

指標24h変化
BTC$115,900-2.3%
ETH$3,720+1.1%
USDT時価総額$1570億-0.4%
7日資金流入上位ETH ETF +2.1億 / SUI +1.8億

3. 資金フロー分析

3‑1. USDT⇆USDCスイッチング

  • GENIUS法案発効直前の7月最後の週、USDTからUSDCへの純流出は▲9.8億US$。
  • 主要要因:Circle は米銀信託に100%現金拘束を宣言し“合規シフト”を打ち出す。

3‑2. アルト資金はどこへ?

  • SUI:米系ヘッジ「Karatage Opportunities」が 3,800 万 SUI 追加取得。
  • PUMP.fun:fee.pump.fun サブドメイン登録で DEX ボリュームが前日比 +41%。

4. 注目テーマ別解説

4‑1. L2:Kraken発InkがBaseの対抗馬に

  • Ink メインネット稼働。OP Stack 採用で TVL はローンチ3日で 3,200 万 US$。
  • INKトークンは年内 TGE 予定。AMM「Inkypump」経由でのミーム熱も過熱。

4‑2. RWA:企業ETH財庫が100億ドル突破

  • Galaxy Research 調査によると、64法人のETH保有が初の100億US$超え。
  • トップはBitmine Immersion Tech の62.5万ETH。

▽ FAQ

Q. GENIUS法案によりUSDTはどうなる?
A. Tetherは準備資産と監査体制の全面改訂が必要。完了しなければ米プラットフォームから段階的に退場となる可能性があります。

Q. 香港の《安定幣条例》は個人投資家へ影響する?
A. 無登録ステーブルコインの利用が違法化。正規ライセンス発行体のトークンを用いれば引き続き取引可ですが、選択肢は当面限定されます。

Q. KrakenのInkトークンは日本居住者も取得できる?
A. 現時点では空投条件未公表。KYC要件と国内取扱所の対応次第で取得可否が決まります。

■ ニュース解説

8月2日、米・香港という二大金融圏が同日にステーブルコイン規制を走らせた。100%準備と月次監査という国際標準が示され、流動性は「合規ブランド」へ集約する流れが加速する見通し

投資家どうする?

  • 短期:USDTベース資金はUSDCやライセンス申請中の国内JPYcへ分散
  • 中期:L2エコ(Ink, Base)やRWA(企業ETH財庫)が次の物色テーマ
  • 長期:規制対応済みステーブルコインETFの誕生を待ち、ポート全体のボラティリティ低減を図るべき

本コメントは情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。

(出典:HashKey「交易时刻」SoSoValue データ