▽ 要約
市況:BTC一時$75,700、12時間で清算>$2B。
要因:貴金属の急反転と週末流動性が波及。
注目:2/2ホワイトハウス会合、ステーブルコイン利息条項。
日程:2/2 ENA、2/6 HYPE/BERAなど大型アンロック。
貴金属の急変をきっかけに暗号資産が急落し、BTCは一時$75,700、清算は12時間で>$2B。今週は米政策協議と大型アンロックが波乱要因になる。

貴金属の急反転の後、暗号資産市場は週末深夜に急落し、レバレッジ清算が連鎖した。結論として、今回の仮想通貨暴落は「単一要因」より流動性とポジション偏りの問題が大きい。価格水準、クジラ動向、今週の政策・アンロック日程を解説します。
市況総括(価格・フロー・センチメント)
週末の急落で清算が膨らみ、BTCは一時$75,700、ETHは$2,240近辺まで押し戻された。
急落と強制清算(爆倉)の規模
12時間の全体清算が$2B超に達し、ポジションの偏りが価格変動を増幅した。
過去12時間で全体の清算額が$2.0B超、うちロングが$1.958Bと報じられた。急落局面では板の薄さが表面化し、戻り局面でも短期勢の手仕舞いが価格を振れやすくする。
価格面では、BTCが一時$75,700前後、ETHが一時$2,240前後まで下押ししたとされる。金が一時$5,600/oz近辺、銀が$121/oz超まで急騰した後に急反転したとの説明もあり、リスク資産全体の調整と重なった。
国内でも「貴金属ショックがヤバい」「イーサリアムがヤバい」といった投稿が相次ぎ、センチメントの悪化が短期のボラティリティを高めた。
水準感:200週線・実現価格・指標
テクニカル指標は弱含みを示す一方、長期支持線への距離も意識され始めている。
PlanBは、BTCの1月終値を$78,635、史上高値からの下落率を約38%とし、200週移動平均が約$58,000、実現価格が約$55,000で低下傾向だと述べた。RSIが50を下回り「弱気ゾーン」に入ったという整理で、歴史的には200週線や実現価格近辺までの調整が起点になりやすいとする。
一方で、PlanCはBTCが約7%下落して$77,000に達したことを「周期の低点」候補として言及し、底値レンジを$75,000〜$80,000とみる見方も紹介された。逆に、Peter Brandtが2026年Q3に$60,000を想定するなど、複数の弱気見通しも併記されており、見方は割れている。
中長期では、減半とETFを“構造要因”として捉える見方も残っている。
再掲した2023-11-04時点の論考では、2024年の半減期でBTCの年率インフレが約0.9%に低下し、S2F(Stock-to-Flow)が108に近づくといった説明で、長期の希少性を強調した。
クジラ・機関のポジション変化
大口の清算や入出金が観測され、需給の不確実性が高まっている。
報道では、MicroStrategy(現Strategy)のBTC保有に関し、平均取得単価が約$76,000で、含み益が「ほぼ吐き出された」とされた。ETH側ではBitmineの含み損が約$5.92Bに拡大したとの記載もあり、レバレッジを含む資金繰りが意識されやすい。
個別では、「1011内幕巨鲸」のETHロングが清算され損失が$250M規模とされ、同アドレスがBinanceへ106,183.97 ETH(総額$257M)を平均$2,427.88で入金したとの観測も出た。なお、オンチェーン上には469,642.98 ETH(約$1.11B)を残しているとされるため、全量売却の断定はできない。
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規制・政策アップデート
ボラティリティ局面では、米国の政策と制度運用のニュースがリスク選好に影響しやすい。
SECは政府閉鎖で緊急運用
当局の通常業務が制限されると、監督・承認プロセスの遅延リスクが増す。
米証券取引委員会(SEC)は、米政府の(部分)政府閉鎖に伴い、2026-01-31以降は緊急運用計画に沿ってごく少数の職員のみが業務を継続するとした。市場参加者にとっては、執行・審査・対外コミュニケーションの可視性が下がる局面になり得る。
2/2のホワイトハウス会合と「ステーブルコイン利息」論点
銀行と暗号業界の利害が衝突しており、落としどころ次第で事業モデルが左右される。
ホワイトハウスが2026-02-02(米東部時間)に銀行業界と暗号資産企業の幹部を招き、停滞する暗号関連法案の妥協点を探る会合を予定している。焦点はステーブルコインの利息・収益条項で、暗号側は「利回りがユーザー獲得に不可欠」と主張する一方、銀行側は預金流出が金融安定を損ねると懸念するという。
スタンダード・チャータード銀行の推計として、ステーブルコインが2028年末までに米銀行預金を約$500B押し出す可能性が示されたとも伝えられた。制度設計が「利回り提供の可否」と結び付くため、会合後の続報は要チェックだ。
金銀の急変と合わせ、FRB人事や利下げ観測を巡る発言も市場心理に作用しやすい。
WSJのNick Timiraosの言として、トランプが次期FRB議長候補のKevin Warshに「利下げしなければ訴える」と冗談を言ったと紹介した。
企業・資金調達・プロジェクト動向
価格急変局面では、セキュリティ事故とプロダクト/トークン施策が同時に進みやすい。
セキュリティ:Step Finance侵害とBaseの遅延
ネットワークやアプリの障害は短期の資金移動を止め、二次的な売買の歪みを生む。
Step Financeは複数の財庫・手数料ウォレットへの侵入を公表し、攻撃期間中に261,854 SOLがアンステークされ未知アドレスへ移転、推定約$30Mとされた。チェーン上で追跡が進むまで、関連トークンや周辺プロトコルへの警戒が強まりやすい。
Baseは一時的な取引遅延について、修復策で全体の安定性を回復し、数日内に原因分析(RCA)を公開するとした。混雑時には遅延や取りこぼしが起き得るともしており、L2利用者は約定タイミングのズレを織り込む必要がある。
今週の主要トークン施策:Zama、Uniswap、Asterなど
上場・オークション・エアドロップが集中し、短期需給イベントが多い。
週次カレンダーでは、暗号プライバシー関連のZamaが2026-02-02にTGEを予定し、Binanceは同日20:00(UTC+8)にZAMAの流通開始を告知したとされる。RainbowはUniswap上でCCA(Continuous Clearing Auctions)を用いたオークションを2026-02-02に開始し、収益の100%をRNBWのオンチェーン流動性に充てる方針という。
UniswapはWebアプリに「オークション」機能を追加し、チームが価格発見と初期流動性形成を行いやすくする狙いが示された。Asterは第6期エアドロップ「Convergence」を2026-02-02〜2026-03-29の8週間で実施し、総供給の0.8%(約64,000,000 ASTER)を配布、任意で6カ月ベスティングを設定するとした。
資金調達・販売面では、Andre Cronje創設のFlying TulipがCoinListで公募を開始し、調達目標$200M、供給の20%(2,000,000,000 FT)を$0.10(FDV=$1B)で販売、最低購入額$100とされた。参加者保護として「Perpetual PUT」構造を用いる説明もあり、条件の理解が前提になる。
AIトピック:Moltbookの“AI専用SNS”が示す文脈
AIとコミュニティの融合は、暗号領域の物語形成にも影響し得る。
10万超のAIエージェントが自律的に交流するAI専用SNS「Moltbook」が話題化していると紹介した。バグ修正コミュニティの自発形成や、molt.churchといった“宗教”コミュニティの出現など、ユーザー生成文化が人間以外に広がる可能性を示唆する内容で、今後のWebサービス設計やガバナンス議論と接続しそうだ。
重要イベント:2/2〜2/8のカレンダー
今週は大型アンロックと米雇用統計が重なり、ヘッジ需要が出やすい時間帯がある。
大型トークンアンロック(JST換算)
解放供給が短期需給の上振れ・下振れ要因になり、価格と金利が連動しやすい。
Token Unlocksのデータとして、ENAは2026-02-02 16:00 JSTに約40.63M枚(流通比0.55%、約$5.7M)アンロックとされた。XDCは2026-02-05 09:00 JSTに約841M枚(流通比5.00%、約$29.3M)、HYPEは2026-02-06 09:00 JSTに約9.92M枚(流通比2.79%、約$305M)、BERAは2026-02-06 22:00 JSTに約63.75M枚(流通比41.7%、約$30.8M)とされ、規模感の違いに注意したい。
米雇用統計などマクロ指標
マクロ指標はボラティリティを増幅させるため、レバレッジ管理が重要になる。
週内の山場として、米1月失業率・非農業部門雇用者数(NFP)は2026-02-06 22:30 JSTの公表予定とされた。加えて、Strategyの2025年Q4決算(2026-02-06)など企業イベントもあり、短期の需給とニュースフローが重なりやすい。
▽ FAQ
Q. 今回の急落で清算(爆倉)はどれくらい?
A. 12時間で清算>$2.0B、ロングが$1.958Bとされた。
Q. BTCの重要サポート水準は?
A. PlanBは200週線が約$58,000、実現価格が約$55,000と述べた(2026-02-01)。
Q. 「1011内幕巨鲸」の直近の動きは?
A. Ai姨監測でBinanceへ106,183.97 ETH入金、平均$2,427.88、総額$257Mとされた。
Q. 今週の最大アンロックは?
A. HYPEが2026-02-06 09:00 JSTに約9.92M枚、推定約$305MとToken Unlocksが示した。
Q. 2/2ホワイトハウス会合の争点は?
A. ステーブルコイン利息条項が焦点で、スタンダード・チャータードは預金流出$500B(〜2028年末)を試算した。
■ ニュース解説
貴金属の急反転がリスク資産全体のポジション調整を誘発したため、暗号資産でもレバレッジ清算が連鎖した一方で、原因は単一ではないとする見方もある。
今週は制度協議と供給イベントが重なるので、短期の価格変動がニュースで増幅されやすい。
投資家の視点:急落局面では「清算の連鎖」と「流動性の薄さ」が価格を誇張しやすいので、①期限付きイベント(アンロック・指標・決算)を時系列で把握する、②ポジションサイズと証拠金余力を保守的に設計する、③オンチェーン入出金は“売り確定”と断定せず複数シナリオで点検する、といった整理が有効だ。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
(参考:PANews)





