11月21日暗号資産ニュース BTC急落とETFフローの転機

▽ 要約

市況 … BTCは12万ドルから約30%調整し、Fear&Greedは15と極端な恐怖水準で、短期は7万ドル台後半への下押しリスクが意識されている。
ETF … ビットコイン現物ETFは5日連続流出を止めて7,500万ドル超の純流入に転じ、ソラナETFも累計4.76億ドルと資金回帰の兆しを見せている。
規制 … 米OCCが銀行の暗号資産保有制限を緩和し、2,600億ドル規模のステーブルコインを含むオンチェーン決済実験が加速する環境が整いつつある。
企業 … BitMineやMicroStrategy、Harvardなど大型機関は評価損を抱えつつもBTC・ETHを逆張りで積み増し、DATとETFの役割分担が鮮明になっている。

BTCは史上高値12万ドルから約30%下落し、ETHも2,900ドルを割り込むなど、11月21日時点の暗号資産市場は「強気相場の深い調整」なのか「本格的な弱気入り」なのかの分岐点にあります。一方で、ビットコイン現物ETFの資金フローは流出から流入へ転じ、Solana・XRPなど新たなETF商品も立ち上がりつつあります。本稿では、こうした価格動向に加え、米金融政策・銀行規制、DeFiやSocialFiの構造リスク、AIバブルを巡る議論までを横断し、11月21日の暗号資産ニュースを投資家目線で解説します。

市況総括

BTCが12万ドルから9万ドル近辺まで約30%調整したため、恐怖指数の極端な悪化とETF資金流出入の転換点が、当面の相場レンジを測る鍵になっている。

ビットコインはピークの12万ドルから約9万ドルまで下落し、Fear&Greed Indexは「15」と1カ月以上にわたり極端な恐怖ゾーンに張り付いています。テクニカル面では50日線と200日線のデッドクロスが確認され、7.4万〜8万ドルを目処とする下押し余地が示唆される一方、RSIの急低下から1〜2週間単位の自律反発余地も残されています。買い場を探る投資家にとっては、「どこまでが健全な調整で、どこからがトレンド転換なのか」を線引きすることが難しい局面と言えます。

フロー面では、年初からの現物ETF累計流入が600億ドル超と依然大きいにもかかわらず、第3四半期以降は月間ベースで20億ドル超の資金流出が続き、特に米国時間帯の売り圧力が強まっています。その一方で、現物ETFの純資産は約1.1兆ドルとビットコイン時価総額の約6〜7%を占め、構造的な現物需要の受け皿としての役割は維持されています。現物ETFが「長期ホルダーの器」として機能する一方で、短期的な出入りは株式市場やマクロ指標の影響を強く受ける形が改めて浮き彫りになりました。

短期の価格は主要取引所で、BTCが9万ドル割れ・8.9万ドル・8.7万ドルと段階的に安値を更新し、ETHも2,900ドル・2,800ドル割れを繰り返す形でボラティリティが高止まりしています。こうした急速な値動きは、デリバティブ市場の強いレバレッジ解消と、ストップロスが一気に刈り取られる「エアポケット」を伴って進行しました。ボラティリティが跳ね上がる局面では、板の薄い時間帯に大口成行注文が入りやすく、オーバーシュートが発生しやすい構造も確認されています。

一方、オンチェーン指標ではアクティブアドレスや取引量がピーク比で2〜3割減少したものの、1年以上保有する長期アドレス比率は6割超まで上昇し、典型的な「弱気調整局面のコイン集積パターン」が見られます。未実現損益指標を見ても、短期ホルダーの多くが含み損に転落する一方、長期ホルダーの平均取得単価は依然として現行価格を大きく下回っており、「コインは強い手に移っているが、価格はまだ心理的な売り圧力を消化し切れていない」状態と整理できます。

ETFフローを見ると、11月中旬にはビットコイン現物ETFが5営業日ぶりに純流入へ反転し、単日で7,500万ドル超の純流入を記録しました。ブラックロックのIBITが6,000万ドル超の流入で先導する一方、一部のレガシーETFでは依然として資金流出が続いており、「新規マネーの入り口」と「出口」としての役割分担がはっきりしつつあります。Solana現物ETFも累計純流入4.7億ドル、純資産7億ドル超と拡大しており、オルトレイヤーへの分散も進行しています。ビットコイン一強相場から、複数チェーン・複数資産にマネーが分散していく流れがフローにも現れています。

レンジ・需給の見方

短期では7.3万〜7.5万ドルがテクニカルな下値目処とされる一方で、ETF資金動向とデジタルアセット財庫の買い姿勢が続く限り、急落局面での需給バランスは大口優位に傾きやすい。

27年の経験を持つトレーダーGareth Solowayは、AI関連株主導のS&P500が行き過ぎたバリュエーションにあり10〜15%の調整局面に入ったと指摘するとともに、BTCの重要なサポートを7.3万〜7.5万ドル、ETHの押し目ゾーンを2,700〜2,800ドルと見ています。短期的にはさらなる下振れリスクを警戒しつつも、金価格については一時3,500〜3,600ドルへの調整後に2026年までに5,000ドル到達のシナリオも提示しており、「恐怖極大局面は長期投資家にとっての機会」とのスタンスです。株式・コモディティ・暗号資産を横断して見ると、「ボラティリティのクラスタリング」が起きていることも意識されます。

需給面では、イーサリアム財庫企業BitMineがETH保有量を355.6万枚(流通量の約3%)まで積み増し、長期的に600万ETH保有を目指す戦略を維持しています。平均取得単価4,009ドルに対し現在は約30億ドルの含み損、株価も7月高値から8割下落しmNAVは0.86まで低下していますが、11月にはさらに1.7万ETH超をOTCで追加購入しており、DAT(デジタルアセット財庫)として「買い手最後の砦」の役割を果たしています。短期的な評価損を許容しつつ、ネットワーク価値の長期成長に賭ける姿勢は、典型的なトレジャリーマネジメントの一形態と見ることもできます。

ビットコイン側ではMicroStrategyが8,178BTCを平均10万ドル強で新規購入し、Harvard ManagementはブラックロックのIBITを680万株(約4.4億ドル)まで増やして同社保有米国株の最大ポジションとしました。ETF全体では11月の月間で数十億ドル規模の時価総額縮小となる一方、1,000BTC超のホエールアドレスは保有量を増やしており、典型的な「個人の損切りを機関が拾う」資本移転フェーズが進んでいます。こうした「弱い手から強い手への移転」が完了したタイミングでボラティリティが沈静化するのが過去サイクルのパターンであり、今回も同様のプロセスが意識されています。

中長期トレンドを俯瞰した「2025 Crypto Trends Report」では、暗号資産市場を「資産創造→蓄積→活用」という三段階Sカーブで捉え、上位10資産への時価総額集中が続く一方で、ステーブルコイン供給が1,000億ドル単位で加速度的に拡大している点を強調しています。初の1,000億ドル到達に80カ月超を要したのに対し、3つ目の1,000億ドル到達は12カ月以内と見込まれており、今後も決済・レバレッジ・長期保全の中核インフラとなる可能性が高いとの見方です。BTCやETHが「コア資産」として蓄積される一方で、ステーブルコインが「潤滑油」として活用される構図が鮮明になりつつあります。

規制・政策アップデート

米国では利下げを巡るFOMC内の分裂と銀行による暗号資産保有解禁が同時進行しており、金利・ドル・ステーブルコインを軸にした制度面の変化が2026年までの相場ストーリーを左右しつつある。

10月会合議事要旨によれば、FOMC内では12月の追加25bp利下げに「十分な根拠がない」とするメンバーが「少数の賛成派」を上回り、これまでになく内部分裂が深まっています。9月の決定は10対2での利下げでしたが、議事録では投票権を持たない地区連銀総裁の一部も反対していたことが判明し、12月会合では少なくとも3名以上の反対票が見込まれる状況です。CME FedWatchが示す12月利下げ確率は3割強まで低下しており、雇用・インフレ統計の遅延もあって政策決定の不確実性が高まっています。市場は「2026年に向けた流動性再拡張」を意識しつつも、当面はタイトな金融環境を織り込まざるを得ない状況です。

マクロ全体を俯瞰した「The bumpy road to 2026」は、①政策ミスリスク、②AI・ハイテクのレバレッジ依存、③プライベートクレジット市場の歪み、④K字型格差拡大、⑤メガテック集中という5つの正のフィードバックループが相互に絡み合い、2024〜2025年にかけては「管理されたバブルのガス抜き」が続くと指摘します。その一方で、2026年前後の政治サイクルを前に、金融システムの安定維持を優先した新たな流動性供給と財政刺激が行われる可能性が高く、ビットコインを含むリスク資産の再評価局面が訪れると展望しています。価格調整そのものではなく、「どの資産が次の流動性サイクルの恩恵を最も受けるのか」が中長期投資家の関心になります。

暗号資産固有の規制面では、米通貨監督庁(OCC)が解釈書1186号を公表し、連邦銀行がブロックチェーンのガス代支払い目的でパブリックチェーンのネイティブトークンを自己勘定で保有することを正式に認めました。これにより、これまで「顧客資産のカストディは許可されるが、銀行自身が少額のETHすら保有できずオンチェーン実験が進まない」というねじれが解消され、オンチェーン決済・清算・預金のテスト環境が整いつつあります。本件は2,600億ドル規模のステーブルコイン市場と1,600億ドル規模の暗号資産ETFが、今後は銀行バランスシートとより緊密に結びつく転機ともなり得ます。実証実験レベルで止まっていた「オンチェーン銀行サービス」が、収益事業として本格検討される段階に近づいたとも言えます。

インドでは2026年初頭にルピー連動ステーブルコイン「ARC」をPolygonおよびAnqと協力して発行する計画が伝えられており、新興国通貨建てステーブルコインによるドル支配力の相対的な弱体化も長期テーマになりつつあります。さらに、米国では「Bitcoin for America」法案や包括的な暗号資産市場構造法案が2026年前半の大統領署名を目標に審議プロセスを進めており、ETF・ステーブルコイン・現物決済までを含む中長期のルールセットが徐々に輪郭を帯びてきています。暗号資産は「規制の外側にある資産」から、「明確なルールのもとで組み込まれる資産」へと位置づけが変わりつつあります。

関連:『ビットコインETFと機関マネーの最新動向』

企業・資金調達・プロジェクト動向

現物価格が調整する一方で、ETF・取引所・L2・AI関連スタートアップなど企業サイドでは資金調達と新規上場が相次いでおり、リスクマネーの配分がビットコイン偏重からマルチアセット・インフラ志向へ移りつつある。

まずETF関連では、BitwiseがXRP現物ETFの詳細を発表し、信託報酬0.34%(運用資産5億ドルまで免除)、NYSE上場、ティッカー「XRP」といった条件を公表しました。これは同社にとって米欧通算49番目の暗号資産投資商品となり、主要アルトへのETF拡大が進んでいます。またブラックロックは「iShares Staked Ethereum Trust」の名称を登録し、ETHステーキング型ETFの準備を進めるとともに、6,700BTC超と6.4万ETH超をCoinbaseに入金したと報じられており、スポットとステーキング収益を組み合わせた商品ライン拡充を図っています。投資家は、単純な価格連動だけでなく、「ステーキング報酬をどう分配するか」という商品設計にも注意を払う必要が出てきました。

DeFi・CeFiのビジネスモデルも再編が進んでいます。TVL90億ドル超のDeFiプロトコルSparkは、一般向けモバイルアプリの開発計画を停止し、PayPalのPYUSDへの10億ドル投資に象徴されるように、DeFiネイティブな流動性インフラと機関投資家向け取引にフォーカスする戦略へと転換しました。AaveはV4テストネットを公開し、「Hub and Spoke」アーキテクチャを導入することで、チェーン間に分散していた流動性をハブに集約しつつ、サテライト的なマーケットを柔軟に展開できる設計を目指しています。単一チェーン前提だった設計から、マルチチェーン・モジュラーを前提とした設計への移行が鮮明です。

一方、CeFiではCoinbaseがETHを担保としたオンチェーン借入サービスを拡大し、Baseチェーン上のMorphoプロトコルを裏側に用いつつ、最大100万USDCまでを長期保有者向けに提供するなど、「売却せずに流動性を引き出す」ニーズを取り込んでいます。こうした動きは、トークン売却ではなく担保利用を通じて市場への売り圧力を和らげる方向に働きますが、同時に担保価値の急変時には清算リスクが跳ね上がるため、レバレッジ管理の重要性も増しています。

AIと暗号資産の接点では、NVIDIAが2025年Q3決算で売上570億ドル(前年比62%増)、データセンター売上512億ドル(予想490億ドル)と市場予想を上回り、AI向けインフラ投資が依然として高水準であることを示しました。LumaはHumain主導のシリーズCラウンドで9億ドルを調達し、2026〜2029年にかけて2GW級の「Project Halo」スーパーコンピュータクラスタ構築を進める計画です。さらにxAIは2Mトークンのコンテキストウィンドウとツールコール・コード実行・ブラウジングに対応した次世代モデル「Grok 4.1 Fast」とAgent Tools APIを公開し、エージェント型AIとブロックチェーンの連携余地を拡大させています。AIエージェントがオンチェーンで価値移転や取引実行を行うシナリオも、現実味を帯びつつあります。

AI投資を巡っては、Solowayが「AIバブルはピークにあり、半導体指数は200週移動平均から100%超乖離している」と警鐘を鳴らす一方、NVIDIAのジェンセン・フアンCEOは「現在起きているのは汎用計算からGPU主導のアクセラレーテッドコンピューティングへの構造変化であり、AIブームはバブルではない」と逆張りの見解を示しています。テック株と暗号資産の相関をどう評価するかが、今後のポートフォリオ構築における重要な論点となります。AI関連株が調整に入る局面では、「デジタルリスク資産全体」が一括りに売られやすい点にも注意が必要です。

資金調達面では、L1チェーンCratD2Cが3,000万ドル、TRON系インフラのTronBankが1,000万ドル、欧州向けクリプトバンクFinTechのDeblockが3,000万ユーロ、ソーシャルエンジニアリング防御プラットフォームDoppelが7,000万ドルのラウンドを完了するなど、インフラ・セキュリティ・銀行ライクなサービスへの投資が継続しています。オフチェーン資本市場からの資金流入は、依然として基盤技術と規制順応型ビジネスに集中していると言えます。トークン価格と無関係に「土台づくり」が進んでいる点は、サイクル後半の特徴でもあります。

オルト市場では、Zcash(ZEC)が9月末の50ドル前後から直近730ドルまで2カ月で1,460%上昇し、FDVは130億ドルに膨張しました。人気マイナー「Z15 Pro」の投資回収期間は105日・年率換算リターン約350%とされる一方、ネットワーク全体のハッシュレートは中規模ビットコインファーム相当とされ、数百万ドル規模でも51%攻撃が理論上可能な危険水準にあると指摘されています。トランザクション数は日次1.5〜1.8万件とメジャーチェーンの1〜2%、プライバシーの要であるシールドトランザクション比率も10%未満にとどまり、ファンダメンタルの脆弱性が強調されています。急騰銘柄ほど「何が値上がりを支えているのか」を冷静に分解する必要があります。

DeFi・インフラのリスクと再設計

11月の一連のハッキングと清算、回収失敗は、回購や手数料スイッチだけではDeFiの信認を回復できず、透明性とプロダクト価値に資本を再配分する必要性を浮き彫りにした。

レポートでは、Balancerの大規模損失やレンディングプロトコルStreamの不良債権問題、複数ステーブルコインのデペッグなどが短期間に集中したことが「完璧な嵐」を生んだと指摘されています。トークン買い戻しや一時的な高利回りで流動性を引き留めようとする動きは目立つものの、持続的な手数料収入源と実需要が伴わなければ、ゼロサムゲームの取り合いから抜け出せない構図が改めて明らかになりました。

予測市場はPolymarketやKalshiなどの台頭により、政治・スポーツ・金融イベントの価格発見インフラとして再評価されていますが、多くの法域で「ギャンブル」あるいは未登録取引所と見なされるリスク、主要イベント以外の流動性不足、オラクルや紛争解決プロセスの設計といった課題を抱えています。そのうえで、イベント結果に連動したパーペチュアルや証拠金商品の登場、ユーザーが任意にマーケットを立ち上げられる無許可型プラットフォームなど、新しい金融プリミティブも生まれつつあります。こうした領域は、規制とイノベーションの綱引きが続く「実験場」として位置づけられます。

SocialFi領域では、Nostr・Farcaster・Mastodonといったプロトコルを比較しつつ、①ID、②データストレージ、③検索・レコメンドの3層で去中心化ソーシャルが進化していることが整理されています。最近の事例として、注意力をトークン化したKaitoや、FOMOのようにオンチェーン取引とソーシャルグラフを結びつけるアプリが登場しており、将来的にはソーシャルクライアントが決済・DeFiの入口となるシナリオも描かれています。トークンインセンティブに依存し過ぎず、プロダクト自体のユーザー体験でどこまで定着できるかが問われるフェーズに入っています。

イベント

レポートやカンファレンス発表からは、2025〜2026年にかけて暗号資産・AI・マクロ経済がどのように接続されるかについて、強気と慎重派のシナリオが併存していることが浮かび上がっている。

「2025 Crypto Trends Report」は、時価総額上位5資産の顔ぶれが数年間ほぼ変わっていない一方で、ステーブルコイン供給が急増し、DEXの出来高シェアが2021〜2023年合計を2025年上期だけで上回ったことなどを示し、「資産創造」から「蓄積・活用」フェーズへの移行を強調します。CEXは依然としてトレードフローの中心でありながら、カストディ・ステーキング・イールド商品などを通じてオンチェーンイノベーションのディストリビューションチャネルとしての役割も強めていると整理されています。「どのチェーンが勝つか」ではなく、「どのサービスがユーザーの入口になるか」という視点が重要になりつつあります。

Solowayのインタビュー記事と「The bumpy road to 2026」を並べて読むと、AI関連株バリュエーションや金利サイクルに対するスタンスは異なりつつも、「過度な悲観はかえって強気シグナルになり得る」という点では共通しています。前者はAIバブルの天井圏とビットコインの短期下振れリスクを、後者はマクロ金融システム全体の脆弱性と政策対応としての将来の流動性再注入を強調しており、暗号資産は当面「テックβ資産」としての性格を強めつつも、次のサイクルではマクロヘッジとしての役割を取り戻す可能性が示唆されています。短期チャートと同時に、「政策と流動性」の時間軸も意識する必要があります。

▽ FAQ

Q. 2025-11-21時点でBTCとETHの価格と下落幅はどの程度ですか?
A. BTCは8.9万〜8.7万ドル近辺、ETHは2,894ドル前後まで下落しており、いずれも史上高値から約30%調整した局面とみられます。

Q. BitMineやMicroStrategyなど大口機関はこの下落局面で何をしているのでしょうか?
A. BitMineは3.56百万ETH(供給の約3%)と約11.8億ドル資産を保有しつつ1.7万ETHを追加購入し、MicroStrategyも平均コスト7万4,433ドルで8,178BTCを買い増すなど、依然として押し目買い姿勢を維持しています。

Q. 米OCCの新解釈書はステーブルコイン市場にどのようなインパクトがありますか?
A. 連邦銀行がガス代目的で暗号資産を自己勘定保有できるようになったことで、USDCやPYUSDなど2,600億ドル規模のステーブルコインと1,600億ドル超の暗号資産ETFが銀行システムと直接接続され、オンチェーン決済・清算の実運用が進みやすくなります。

Q. ZEC急騰やDeFi事故はアルト市場にどんな教訓を与えていますか?
A. ZECは2カ月で1,460%高・FDV130億ドルに達した一方で、ハッシュレートや取引数の低迷が続き、BalancerやStreamの損失も含め、投機加熱局面ほどセキュリティと持続的収益源を精査すべきだという教訓を示しています。

Q. 2025〜2026年のマクロ環境と暗号資産の関係はどう整理できますか?
A. Fed内の12月利下げを巡る対立やAI投資ブームを背景に、2024〜2025年はリスク資産のバリュエーション調整が続きますが、2026年前後には政治サイクルと連動した新たな流動性・財政刺激が入り、ビットコインサイクルが従来の4年パターンから延長されるシナリオも意識されています。

■ ニュース解説

BTC・ETHともに大きな調整とETF資金流出が重なった一方で、DATによる押し目買い、銀行規制の緩和、AI・インフラ企業への大型投資などが進んでいるため、短期ボラティリティは高いものの、構造的な需給は「弱い手から強い手へのシフト」が続いている局面と評価できます。投資家にとって重要なのは、「暴落そのもの」よりも「誰がどの価格帯で買い・売りをしているか」を冷静に観察することです。
投資家の視点:過度なレバレッジや単一銘柄集中を避けつつ、①ETF・DATフロー、②マクロ(利下げ期待・インフレ動向)、③規制・銀行のオンチェーン実験、④DeFiやSocialFiの安全性と価値創造のバランスを定点観測し、自身の投資期間と許容ドローダウンに応じたポジションサイズと分散を設計することが重要です。短期トレードと長期積立のルールをあらかじめ切り分けておくことで、急落局面でも一貫した判断がしやすくなります。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PANews