9月16日、米下院金融サービス委員会がH.R.8957「American Reserve Modernization Act(ARMA)」を28対21で可決した。前日の15日には暗号資産の市場ルールを定めるCLARITY法案が上院で否決され、同じ16日にFRBは2023年以来の利上げに踏み切っている。3つが重なった週として、何が決まって何が決まっていないのかを分ける。
何が可決されたか
- 日付/2026年9月16日
- 場所/米下院金融サービス委員会
- 法案/H.R.8957 American Reserve Modernization Act(ARMA)
- 結果/28対21で可決。賛成の多くは共和党。次は本会議での審議になる
- 提出/2026年5月21日。ニック・ベギッチ議員(共和・アラスカ)が主導し、ジャレッド・ゴールデン議員(民主・メイン)が共同で率いる。超党派の共同提案者は20人を超える
位置づけははっきりしている。トランプ大統領が2025年3月6日の大統領令で作った戦略ビットコイン準備を、法律に書き込むための法案だ。法律になれば、次の政権が大統領令ひとつで覆すことは難しくなる。
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「国が買う」法案ではない
ここが最も取り違えられている点だ。報道を突き合わせると、この法案が扱うのは主にすでに政府の手元にあるBTCになる。
- 押収・没収で得たBTCを準備資産に組み入れる
- 財務省が管理し、安全な保管施設を持つ
- 長期の売却制限をかける(20年の保有義務とする報道がある)。押収したら競売にかける、という従来の扱いをやめる
- BTC以外の押収資産を売った代金は、BTCの購入か国の債務の削減に充てる
- 取得は予算中立の範囲に限る。借金や新しい税金で買うことは禁じる
- アルトコイン向けのデジタル資産備蓄も別に作る
税金を投じてBTCを買い増す、という設計ではない。
報道によって書きぶりには幅がある。The Blockは「5年かけて予算中立の手法での取得を認める」と伝え、別の解説は「新規購入を認める法案はこれとは別で、採決の見込みは立っていない」としている。共通しているのは、公費を新たに投じて買い増す仕組みではないという点だ。
政府はいくら持っているのか
ここも数字が定まっていない。
- 約198,000BTC/2026年半ば時点の戦略ビットコイン準備の保有量とする報道
- 約328,372BTC(約250億ドル、流通量の約1.6%)/米政府全体の保有量とする報道
集計の範囲や時点が違うとみられる。ARMAが独立監査を求めているとされるのは、まさにこの部分がはっきりしていないからだ。保有量は、犯罪に関する没収や押収で積み上がったもので、政府が買って集めたものではない。
前日に何が起きていたか — CLARITY法案の否決
同じ週の15日、上院で暗号資産の市場ルールを定めるCLARITY法案(H.R.3633、Digital Asset Market Clarity Act)の審議入りを問うクローチャー投票があり、49対50で否決された。
- 必要な60票に11票届かず、単純過半数にも1票届かなかった
- 賛成49票はすべて共和党。民主党からの賛成はゼロ
- 共和党から4人が反対した(コリンズ、ホーリー、モラン、ティリス)
これにより、年内の包括的な市場ルールの整備は事実上止まった。BTC備蓄法案が委員会を通ったのは、その翌日だった。
市場はどう動いたか
- BTC/9月16日は75,586.51ドルで寄り付き、前日の寄り付きから3.3%安。一時75,000ドルを割り込んだ。下げの主因はCLARITY法案の否決だ
- ETF/同じ流れで資金が出た。IBITが1億6,170万ドル、GBTCが4,410万ドル、ARKBが1,740万ドルの流出。ETF全体の運用資産は月曜の1,001億ドルから火曜に957億ドルへ減った
- 備蓄法案そのものへの反応/委員会通過を受けても、BTCはほとんど動かなかったと報じられている
- FRB/同じ16日、0.25%の利上げを決定し、政策金利は3.75〜4.00%になった。2023年以来の利上げで、決定は全会一致。18人中16人が年内にもう1回以上の利上げを見込み、4人は2回を見込んでいる
予測市場は6%
委員会を通過したにもかかわらず、予測市場での「2027年までに法律になる」確率は6%だ。昨年12月には60%まで上がっていたものが下がり、9月を通じて5〜6%で推移している。
理由として挙げられているのは次の4つだ。
- CLARITY法案が否決されたこと
- 省庁間の権限争い
- 議会の審議日程の詰まり
- 11月の中間選挙を控え、会期に余裕がないこと
委員会を通ったこと自体は前進だが、市場はそれを成立の近さとは読んでいない。
委員会通過から成立までの距離
- 本会議の日程が決まる/まだ設定されていない
- 本会議での採決/下院は435議席で、可決には218票が必要
- 上院/同種の法案はまだ上院で進んでいない。CLARITY法案が示したとおり、審議入りだけで60票の壁がある
- 大統領の署名
委員会では反対も出ている。ビル・フォスター議員(民主・イリノイ)は、値動きの荒さと投資としての危うさを理由に反対した。
次に見る点
- 本会議の日程が設定されるか
- 上院に同じ趣旨の法案が出るか
- ARMAの最終的な条文(保有期間、監査、保管方法、取得の範囲)
- 政府の保有量の確定値と、監査の実施
確認ソース
- H.R.8957 American Reserve Modernization Act of 2026(第119議会):2026年5月21日提出、ベギッチ議員主導・ゴールデン議員共同、超党派の共同提案者20人超
- 下院金融サービス委員会が9月16日に28対21で可決 — bloomingbit、coinpedia、The Block
- 法案の内容(押収BTCの組み入れ、20年の保有義務、押収→競売の終了、財務省による保管、非BTC資産の売却益の用途、予算中立・借金や新税の禁止、デジタル資産備蓄、独立監査)— tftc、cryptobriefing、The Block、Phemex
- 大統領令による戦略ビットコイン準備の設置(2025年3月6日)
- 政府保有量:約198,000BTC/約328,372BTC(約250億ドル・流通量の約1.6%)の2つの報道値
- CLARITY法案(H.R.3633)のクローチャー否決 49対50、反対した共和党4名 — CNBC、Cryptotimes、coingape(2026年9月15〜16日)
- BTC 9月16日の寄り付き75,586.51ドル・前日比3.3%安、ETF流出(IBIT/GBTC/ARKB)、ETF運用資産1,001億→957億ドル — Yahoo Finance、Sunday Guardian Live
- FOMC 9月16日に0.25%利上げ、3.75〜4.00%、2023年以来・全会一致、18人中16人が追加利上げを見込む — CNBC、Fox Business、CNN
- 予測市場の「2027年までの成立」6%(12月は60%)— coinpedia、KuCoin
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出典:AIらぼのX記事




