2月3日 ビットコイン急落、ETFとMSTR

▽ 要約

市況:BTCは$80,000を割れ、流動性不足で振れが拡大。
需給:主要現物ETFは10営業日連続で資金流出が続く。
企業:MicroStrategyの平均取得$76,037が損益分岐の目安に。
制度:ステーブルコイン決済が日本でも実装フェーズに入った。

相場急変の背景は「機関の含み損」「マクロの同時ショック」「実需インフラの前進」が重なった点にあり、短期の反発観測と下方向の脆さを併せて点検したい。

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読者の関心は「下落はどこまで続くのか」「誰が次の買い手になるのか」に集まる。結論として、ビットコイン急落の局面ではETFフローと企業の資金繰り、マクロ指標の同時確認が欠かせない。主要データを整理し、観測ポイントを解説します。

市況総括

足元の下げは価格水準そのものより、流動性の薄さとポジション解消が同時に進んだ点が焦点だ。
2026-02-02の週末にBTCが$80,000を割り、2025-04-07以来とされる水準まで下押しした。累計下落が30%超とされ、薄商いの時間帯ほど値が飛びやすい状況が示唆される。

機関の損益が「見える化」したことがセンチメントを悪化させた。
現物ETFと企業保有が流通量の約10%を占めるとの推計があり、合成の平均取得が約$85,360、含み損が約$7.0Bとされる局面では、リスク許容度の低下が価格に直結しやすい。

機関の含み損と需給

資金フローの連続性が下落局面の「粘り」を決めやすく、ETFの解約が需給の下押しになりうる。
最大11本の現物ETFは10営業日連続の純流出が観測された。ETF全体の保有は約1,290,000 BTC、時価総額は約$115.0B、平均取得は約$90,200とされ、価格が下回る局面では順張りの売り圧が増幅しやすい。

企業側ではMicroStrategyが712,647 BTCを保有し、平均取得は約$76,037とされる。
優先株STRCの配当を11.25%へ引き上げて資金調達を続ける構図は、金利負担とキャッシュフローの耐性が論点になる。

テクニカルとマクロの重なり

短期の反発観測があっても、マクロ起因の変動が重なると値幅が読みにくくなる。
先物面では$84,000近辺のCMEギャップを意識した反発シナリオが語られる一方、米金融政策を巡る「ケビン・ウォッシュ人事」観測や地政学リスクが、リスク資産の同時下落を招いたと整理された。金は日中に約9%下落して$4,450を割り込み、恐怖指数が14(極度)まで低下したとのデータも出た。

相関の崩れはヘッジの効きにくさを示す。
中金は、金と米国債が同じ方向に動く局面が市場のストレスサインになりうると整理し、資金の逃避先が偏るリスクを示唆した。

マイナー側の損益分岐も下値の目安として参照される。
CoboとF2Poolの共同創業者DiscusFishは、$75,000水準で23.3W/Tの機材が損益分岐に近づくと述べ、採算悪化が売り圧へ転化するリスクを示唆した。

規制・政策アップデート

規制は短期の価格材料になりにくいが、資金の出入り口と決済の実装速度を左右する。
日本では日本経済新聞報道として、3メガバンクの連携準備と、羽田空港の一部店舗でのUSDC決済が話題になった。投機ではなく「使う」導線が増えるほど、ボラティリティ低下の土台になりやすい。

Wintermute Venturesは2026年の見通しとして、ステーブルコインが「信頼レイヤー」になり、銀行が移行期の清算を担うという仮説を提示した。MiCAやGENIUS Actのような明確化が、コンプライアンスを「流通の強み」に変えるという整理は、市場構造を読む上で有用だ。

企業・資金調達・プロジェクト動向

相場の急変期ほど、個別主体の資金移動が「短期需給」として効きやすい。
BinanceはSAFU基金の$1.0B規模のステーブルコイン準備をBTCへ振り替える方針が伝えられ、関連アドレスが2026-02-02 16:06(JST)に1,315 BTC(約$0.1B)を買い付けたとされた。買い支え材料として見られやすい一方、継続性と透明性が問われる。

市場心理面では、強気の物語が揺らいでいる。
Changpeng Zhaoは、コミュニティに広がるFUDや「価格閃崩の黒幕」などの指摘が強まる中で、ビットコインのスーパーサイクルへの自信が低下したと述べた。個別の疑惑や断定は避けつつ、根拠の薄い情報がボラティリティを増幅し得る点は留意したい。

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AI×暗号資産の局地熱

マクロ不安の一方で、テーマ型の資金は局所に集まり、価格と話題が乖離しやすい。
MoltbookはAI専用SNSとして拡散し、OpenClawの盛り上がりを背景に2月初旬時点で154万超のAgent、10万超の投稿、36万超のコメントが報じられた。関連ミームの一部は時価総額が一時$120.0M近辺まで膨らんだ一方、DB公開などの脆弱性やスクリプト生成アカウントの多さも指摘され、熱量とリスクが同居する。

アルト側の振り返りも出ている。
Liquid Capital創業者易理華(JackYi)は、BTCが$100,000近辺でETHが$3,000前後だった局面で早期に強気へ傾いた判断を誤りと認め、リスク管理の重要性に言及した。

今後の注目点

「次の買い手」と「資金の出口」を具体的に点検できるかが、下落局面の難易度を左右する。
当面は①現物ETFの流出が止まるタイミング、②MicroStrategyの資金調達コストと追加購入の継続、③$75,000近辺のマイナー採算、④ステーブルコイン決済の実装と規制整備、⑤テーマ銘柄の過熱と脆弱性、の5点を時系列で追いたい。

▽ FAQ

Q. $80,000割れはなぜ重要?
A. 2026-02-02にBTCが$80,000を割れ、現物ETFとMicroStrategyで含み損が拡大し、機関保有約10%の圧力が意識。

Q. 現物ETFの「10営業日流出」は何を示す?
A. 最大11本のETFで10日連続の流出が続き、保有1,290,000 BTC・平均取得$90,200が順張りの売り圧を増やす。

Q. MicroStrategyの強制売却リスクは?
A. 712,647 BTCで平均取得$76,037に近づき、11.25%配当の優先株STRCがキャッシュフローを圧迫し得る。

Q. 日本のステーブルコインは何が進展した?
A. 2026-02-03に日本経済新聞が3メガバンク連携を報じ、07:16 JSTに拡散、羽田空港でUSDC決済実装が話題。

■ ニュース解説

機関の含み損が可視化した局面でマクロの同時ショックが起きたため、需給の小さな変化が価格に増幅して表れやすい。
一方で決済や規制の実装が進むほど、市場は短期投機だけで説明しにくくなる。
投資家の視点:ETFフロー、企業財務、マイナー採算、規制動向を「同時に」観測し、単一材料での断定を避けたい。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

(参考:PANews