11月10日ビットコイン市況・規制資金動向ダイジェスト

▽ 要約

ETHが$3,400台回復、過去7日でCEXから291,000 ETH流出
香港JPEXは12-15審理へ、規制見直しの方向性を示唆
EFが資金支援を戦略公募型へ刷新、Founders Lab始動
今週はLINEA/APT/AVAXなど大型アンロックが集中

ETH上昇とCEX流出、JPEX審理やEF改革が重なったため、11月10日のビットコイン市況はフローと制度の交錯局面だ。
投資家が知りたいのは、価格の変動を駆動するフローと制度の変化だ。本稿では、11月10日時点の市況と主要トピックを横断し、ETHのCEX資金フロー、香港JPEX審理の行方、イーサリアム財団(EF)の資金プログラム刷新、今週の大型アンロックとNFT市場の動きを一括整理する。ビットコイン市況の把握に役立つ具体データとスケジュールを短時間で解説します。

市況総括

ETHが$3,400を突破し過去7日でCEXから291,000 ETHが純流出したため、需給は引き締まり一方で「OG売り=下落」の短絡は誤解も混在する。
ETHは$3,400を一時突破。Coinglass集計では過去7日で約291,000 ETHがCEXから流出し、うちCoinbase 158,500 ETH、Binance 51,300 ETH、Bitfinex 55,700 ETH、Bybit 25,100 ETH。長期勢の動きについてはCaprioleの指摘どおり売り出し観測が増える一方、Willy WooはTaproot移行やカストディ回転等の要因を挙げ、オンチェーンの「移転=売却」とは限らない点を強調する。

レンジ・需給の見方

7年以上保有の売却観測が強まる一方で、アドレス移行や保管替えも多いため、板の吸収力とセンチメントの乖離に留意したい。
「7年以上保有クジラ」の換金が2024-11に顕在化し今年にかけ加速したとの指摘がある一方、価格は吸収力を示す局面もある。短期では先週の「100%勝率」クジラの損失拡大や勝率低下、1011関連の個別トレーダー損益の振れ戻りなど、レバレッジ需給に左右される変動が続く。

規制・政策アップデート

香港JPEX事件は2025-12-15に高等法院で審理されるため、当局は取引・ステーブルコイン・カストディ等の枠組み見直しを検討中だ。
同事件では計16名が起訴され、一部は保釈。財経官の発言として、暗号資産の取引、ステーブルコイン、カストディ、デジタル資産ディーラーの4分野での制度最適化が示唆された。米国では財務省の税制優遇提案がPE・暗号企業・海外不動産投資等を含む形で進み、規制・税制の不確実性が続く。

企業・資金調達・プロジェクト動向

イーサリアム財団はESPをWishlist/RFPの戦略公募型へ転換したため、暗号・プライバシー等の重点領域で実行支援を強化する。
EFはオープン申請中心から、事前に課題を特定してリソース配分する体制へ移行。Founders LabではJesse Pollak(Base)やSandeep Nailwal(Polygon)らがメンタリングし、GTM、資金調達、スケール、ネットワーク構築まで伴走する。

ステーブルコイン消費の実態

実取引に用いられる比率は依然約5%に留まるため、B2Bや地域偏在を踏まえた導入設計が肝要だ。
B2B決済の伸長が顕著で、EUではMiCAの影響でUSDTの流通が制限されUSDCへの置換が進行。小売・旅行・ゲーム等での試行は拡大するも、体験・UX・即時換金・インセンティブ設計が導入速度を左右する。

イベント

今週はLINEA、APT、AVAXの解禁が続くため、短期フローの変動に注意が必要だ。
11-10にLINEA約$34.4M、11-11にAPT約$33.4M、11-13にAVAX約$28.2M、11-15にSTRK/WCT/SEIが控える。取引所面ではCBOEの連続先物計画や一部デリバティブの上場廃止、コミュニティではエルサルバドルのイベントなど日程が密集する。NFT市場は週次出来高が$85.31M、買い手・売り手とも大幅減と選別が進む。

関連:米国市況:CPI前の様子見と金利4.1%

▽ FAQ

Q. 直近1週間のETHのCEXフローは?
A. 過去7日で約291,000 ETH流出。Coinbase 158,500、Binance 51,300、Bitfinex 55,700、Bybit 25,100(2025-11-09集計)。

Q. JPEX事件の次回審理はいつ・論点は?
A. 2025-12-15に香港高等法院で8被告を審理。制度見直しは取引・ステーブルコイン・カストディ等の4領域。

Q. 今週の大型トークンアンロックは?
A. 11-10 LINEA約$34.4M、11-11 APT約$33.4M、11-13 AVAX約$28.2M、11-15 STRK/WCT/SEIなど。

Q. NFT市場の週次動向は?
A. 出来高$85.31M(-9.22%)、買い手20,349(-96.75%)、売り手23,241(-95.05%)で参加者は急減。

Q. EFの資金プログラム刷新の要点は?
A. ESPをWishlist/RFPへ移行し、Founders LabでGTM・資金調達・スケール等の実行支援を強化。

■ ニュース解説

ETHの上昇とCEXからの純流出増が重なったため、需給はタイト化しつつも長期勢のオンチェーン移動は売却と限らない点が示された。一方で、香港JPEX審理や米税制提案など制度面の不確実性は残り、短期ではアンロック日程がフローを揺らす。
投資家の視点:レバレッジ需給の偏りとイベント前後の板厚変化を確認し、CEX出庫増=強気と短絡せず、制度・税制のヘッドラインに対するボラ拡大も織り込む。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PANews