ビットコインの「階段式」上昇は続くのか?160,000ドル目標と100万ドル予測の行方

【要約】
・ビットコインが「階段式」に価格を上げているとの指摘が相次いでいる
・アナリストは160,000ドルや100万ドルといった強気目標を示す
・年平均成長率(CAGR)は今後8%程度まで落ち着く可能性あり
・ビットコインが11万ドルに到達すると「アルトコインシーズン」到来の見方も
・米国政府の財政政策や機関投資家の資金流入がビットコインに追い風となる可能性

序章

暗号資産市場は近年、機関投資家の参入や各国の金融政策を背景に大きな変動を見せています。ビットコイン(以下、BTC)は依然として市場の中心的存在であり、専門家の間でもその価格動向に注目が集まっています。最新の分析によると、BTCは「階段式(ステップアップ)」の動きを続けており、目先では11万ドルからさらに16万ドルを狙うとの見方や、2028年頃に100万ドルへ到達するとの強気予測も浮上しています。本記事では、複数のアナリストや投資家の見解を整理し、ビットコインが今後どのような価格推移を辿るのかに焦点を当てます。

「階段式」上昇パターンと11万ドル

一部の市場参加者は、BTCが「階段式」と呼ばれるパターンで上昇していると分析しています。具体的には、約1万ドル刻みで価格が上がり、その後7~10日程度の横ばい(調整)を挟む動きです。最近では75,000ドル→85,000ドル→95,000ドル→105,000ドルと順調にステップを踏んできたとされ、次の節目は115,000ドルになる可能性が指摘されています。
この「階段式」上昇のメリットは、急激なボラティリティを伴わずに一定期間調整を挟むことで、相対的に安定した上昇トレンドを維持しやすい点にあります。また心理的な節目となる10万ドルを突破し、現在105,000ドルを維持していることは、今後の買い意欲が継続するうえでも好材料とみられます。

16万ドルのターゲットと「ゴールデンレシオ」

より長期的な展望として、一部のテクニカル分析ではBTCの価格が160,000ドルに達すると示唆されています。アナリストのCryptoConは「ゴールデンレシオ乗数(黄金比率乗数)」モデルを用いて、2024年3月にサイクルの中間トップ(Mid-Cycle Top)を既に形成しているとの見解です。これに基づけば、BTCが2015~2017年のような牛市サイクルをなぞる形で、160,000ドル方向へ向かう可能性があるということです。
ただし、この種のモデルは特定のパラメータに依存しているため、あくまで目安であり、現実の相場にはマクロ経済や規制環境、投資家心理など多様な要素が影響を及ぼす点には留意が必要です。

ビットコインの成熟と年平均成長率(CAGR)

分析家Willy Wooは、ビットコインの年間成長率が今後さらに安定に向かうという視点を示しています。2017年のように年率100%を超える「爆発的な成長」は下火になり、2020年を境に企業や主権投資家の参入によって「機関化」したと指摘します。機関マネーが流入するにつれて、ビットコインは安定した金融資産へと成熟し、CAGRも30~40%へ低下。それが今後は8%程度まで落ち着いていく可能性があるというのです。
また、Wooは「ビットコインは世界的な金融資産としての地位を固め、資本を吸収し続ける」とし、さらに15~20年かけて成長率が平均的な経済成長と通貨膨張率(合わせて8%前後)に近づいていくという長期見通しを示しています。

アーサー・ヘイズの視点:11万ドル超でアルトコインシーズンへ

元BitMEX CEOであるアーサー・ヘイズは、ビットコインが急騰する局面を見極めたうえでアルトコイン市場に資金が流れるという「山寨(アルト)シーズン」の到来を予想しています。
ヘイズによれば、BTCが11万ドルを突破したうえで15万~20万ドルに到達した段階で、投資資金がアルトコインにシフトし始める可能性が高いとのことです。そのため、ビットコインの主導権がどのタイミングでアルトコインに移るかが重要な観測ポイントだといえます。
さらにヘイズは、2028年までにビットコインが100万ドルを突破すると予測しています。これは、長期的な米国財政拡張や世界経済の状況を踏まえた試算に基づくもので、政府支出の増加によるドル流動性の拡大がビットコインを押し上げると考えられるためです。

ニュースの解説

各種モデルや専門家の意見は多角的であるものの、総じてビットコインの長期的上昇トレンドを肯定的に見る声が強まっています。「階段式」の着実な値上がりに加え、ゴールデンレシオ分析で示された長期強気目標、そして機関投資家の参入による市場成熟が重なり合い、価格を押し上げている状況です。
しかし、米国をはじめとした金融当局の政策や地政学的リスク、規制環境の変化が相場を左右する可能性は拭えません。特にヘイズの指摘する「11万ドル突破」後の資金動向は、投資家が短期的に注目すべき局面となりそうです。アルトコインが大きく動く場面では、投機的な過熱も同時に警戒する必要があります。いずれにせよ、長期視点でリスク管理を徹底することが重要といえるでしょう。