2月6日 Bitcoin ETF流出と市場の信頼後退

▽ 要約

市況:BTCが$72,000割れ、恐怖優勢。
フロー:Bitcoin ETFは資金流出が再加速。
政策:米市場構造法案は「4月前」言及。
実装:AI×暗号資産はIDと支払いが焦点。

BTCの$72,000割れでリスクオフが強まり、Bitcoin ETFのフローと米市場構造法案の進捗、AI×暗号資産の支払い実装が同時に論点化した。

unnamed 8

相場急落の背景はどこにあるのか。2月6日の暗号資産市場は、米ハイテク株の売りと連動しつつ、Bitcoin ETFの資金フロー悪化がセンチメントを押し下げた。本稿では政策・資金調達・AI実装まで、数字と日付で解説します。

市況総括(価格・フロー・センチメント)

相場の主役は「流動性」と「制度期待」で、短期の値動きが各指標に連鎖した。

価格:$72,000割れと“信頼後退”

下落は暗号資産固有の材料だけでなく、リスク資産全体の巻き戻しと同時進行した。
BTCは$72,000を割り込み、約15カ月ぶりの安値圏に入った。年初来の下落率は約-17%とされ、直近1週間だけで暗号資産時価総額は約$460B減少、2025年10月ピーク比では約$1.7T縮小といった試算が出ている。
マクロ研報では、金融引き締め観測の強まりで暗号資産が「高ベータのリスク因子」として再評価され、BTCとナスダックの相関が0.86に達した局面もあると整理された。XではAI株の投げ売りやSOLの$70割れに加え、メタプラネットが323円で-10.28%といった報告もあり、BTCの$60,000割れ警戒も出た。

フロー:ETF流出とボラ再拡大

資金フローは“買い支えの厚み”を測る代替指標になり、ETFの出入りが相場心理に直結した。
Deutsche Bankは2025年10月以降の継続的な流出に言及し、米国の現物ETFが2025-11に$7B超、2025-12に約$2B、2026-01に約$3Bの流出と整理した。制度面の停滞が重なると、30日ボラが40%超へ戻りやすいという見立てもある。

関連:ビットコイン春節アノマリーを検証

ポジショニング:レバレッジ増と下値シナリオ

下落局面でもレバレッジ多頭が積み上がり、反転の“期待”と“未確認”が同居している。
Bitfinexの保証金多頭は約77,100 BTCまで増え、2023-12以来の高水準とされた。過去の局面では底入れ前に高止まりする例もあり、積み上げ自体は「底の確定」を保証しない。
PlanBは(1)$25,000(高値$126,000から約-80%)(2)$50,000〜$60,000(200週線/実現価格)(3)$70,000近辺(4)$72,900付近での底固め、の4案を提示した。

規制・政策アップデート

規制は「締め付け」だけでなく、市場インフラ整備の速度として価格に織り込まれやすい。

米国:市場構造法案と「買わない」戦略備蓄

政策材料は“期待の先食い”を生みやすく、発言の時点と制度化の時点を分けて見る必要がある。
ホワイトハウス当局者が、トランプ大統領が暗号資産の市場構造法案に2026-04までに署名する見通しに言及したとされる。一方で財務長官のScott Bessentは「下落局面で政府がBTCを救助する権限はない」と説明し、没収で得た$500M相当のBTCが足元では$15B超に評価されるとも述べた。
マクロ面では政府閉鎖の影響で統計公表日程がずれ、雇用統計が2026-02-11、CPIが2026-02-13に変更されたとされる。

カナダ/中国:托管枠組みとマイニング取締り

地域ごとの“運用ルール”が整うほど、事業者にとってはコスト要因と参入障壁が明確になる。
カナダのCIROは暗号資産托管の暫定枠組みを公表し、内部托管をAUMの20%までに制限するなど段階モデルで要件を整理した。中国では四川省布拖県が仮想通貨マイニングの禁止を明記した。

企業・資金調達・プロジェクト動向

資金の向かう先は「規制対応」「取引体験」「AIネイティブ」へ分散している。

資金調達:コンプライアンスと予測市場

大型調達は、投機局面でも“インフラ”の優先度が落ちにくいことを示す。
TRM Labsは$70MのCラウンドで評価額$1Bとされ、予測市場のOpinionも$20MのPre-Aを実施したと報じられた。

トークノミクス/決済インフラ:配布と実装

新規供給の設計は、短期の需給だけでなく「継続インセンティブ」の質が問われる。
Espresso NetworkはESPの初期供給3.59B枚、エアドロップ10%、将来インセンティブ24.81%を公表した。Fidelityのドル建てステーブルコインFIDDや、CMEの「CME Coin」検討など、機関サイドの決済実装も続く。

AI×暗号資産:IDとマシンペイメント

AIが“主体”として取引するほど、本人性・決済・監査のレイヤーが不足しやすい。
a16zは、人格証明(例:World ID)、検閲耐性のあるデジタルID、ロールアップ/L2での機械規模決済、ZKによるプライバシー強制などを理由に、ブロックチェーンの役割を整理した。
Rentahuman.aiは登録者約110,000人、報酬はUSDC等で支払い、時給目安は$50とされる。責任分界や詐欺対策では分散型仲裁やエスクロー活用が論点だ。

HYPE:DAT PURRの「弾数が増える」構造

DAT(デジタル資産金庫)型の買い手は、資金源泉が“固定”か“拡張”かで持続性が変わる。
PURRはmNAVが1を超える局面でATM増資を回し、買付余力を動的に増やせると整理された。出来高$42Mなら約$8M/日が追加資金になり得る試算もあるが、プレミアムと流動性が崩れると循環は止まり得る。

イベント・コミュニティ(予測市場/MEME/情報環境)

短期売買の場と情報空間は、下落局面ほど損益の二極化を拡大させやすい。

15分予測市場:105万取引の食物連鎖

極短期の方向当ては、実態として“アルゴ同士の格付け”に近い。
3日間で291市場・1,050,000件の取引、総量$17M、参加アドレス17,254というデータが示された。アドレス数3.6%のロボットが取引量の60%超を占め、ロボット側は約$284,000の利益、人間側は約-$154,000とされた。

Cboe:二元型商品で「入口」奪回を狙う

予測市場の伸長は、伝統取引所にとって“入口”の争奪戦になっている。
Cboeは二元型オプションの再投入を検討し、SEC/CFTCの監督枠内で直感的な取引体験を提供できるかが焦点とされた。

MEMEと情報空間:熱狂のコスト

話題性だけで価値を支える局面では、知財・公式関与・資金循環がリスクの“地雷”になる。
「Don Colossus」は高さ15フィートで制作費$300,000とされ、PATRIOTは90%超下落、未払い約$90,000の主張も出た。Xの長文コンテストでは賞金総額$2.15M(優勝$1M)となり、複製困難なデータ調査が評価された。
別の分析ではEpstein文書約260,000件をAIで探索し、暗号資産業界の固有名が散見される可能性を示した。さらに2026年1月のコラム熱度ランキングでは、ステーブルコインや規制論点が上位となり、検証可能な材料への需要がうかがえる。

今後の注目点(時系列)

次の焦点は「統計イベント」「法案の実装」「フローの持続性」で、材料が揃うほどボラが出やすい。

短期では、米指標(2026-02-11雇用統計、2026-02-13CPI)と、ETFフローの連続性がセットで監視対象になる。$72,000を回復できない場合は、$68,000や$65,000、さらに$60,000といった節目が意識されやすい。
政策では「2026-04まで」という時間軸が変数になる一方、条文調整で遅延するリスクも残る。域内ルール(托管・取締り)の整備が進むほど、事業者の選別が進む点にも留意したい。

▽ FAQ

Q. 2月6日の下落局面で最も見られた材料は?
A. リスクオフとBitcoin ETFの資金流出が重なり、BTCが$72,000を割り込み心理が悪化した(2026-02-06)。

Q. Bitfinexの保証金多頭は何を示す?
A. Bitfinexの多頭は約77,100 BTCまで増え逆張り指標とされるが、底打ち確定ではない(2026-02-05)。

Q. 市場構造法案のタイムラインは?
A. ホワイトハウス当局者がトランプ大統領の「2026-04までに署名」見通しへ言及し、市場構造法案の期待が先回りしやすい局面だ。

Q. カナダの托管枠組みの要点は?
A. CIROは暫定ルールで内部托管をAUMの20%までに制限し、監査や資本要件を段階モデルで示した(2026-02-05)。

Q. AI×暗号資産で支払いが注目される理由は?
A. Rentahuman.aiは登録約110,000人にUSDCで報酬を払い、時給目安は$50と説明した(2026-02-06)。

■ ニュース解説

相場は流動性収縮と制度期待の間で再評価が進むため、下落は「期待の再配分」として表れやすい。
一方でETFフローやレバレッジ指標は短期の需給を映し、統計イベントと重なる局面では値幅が拡大しやすい。
投資家の視点:価格水準そのものより、(1)ETFフローの持続性、(2)規制の具体化(条文・施行時期)、(3)流動性指標(ボラ、出来高、信用ポジション)を同じ時間軸で点検し、リスク許容度と整合させたい。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

(参考:PANews