▽ 要約
政府:米商務省がGDP等を9チェーンに保存
ステーブルコイン:USDTがRGB対応へ、BTC実需を拡張
市場:BTC$113,600・ETH$4,317が要所
先物:XPL急騰でプレマーケットの脆弱性露呈
調査:JPモルガンはBTC公正価値$126,000
経済統計の「原本性」を巡る論点が市場の主役となり、米商務省がGDPのオンチェーン公開に踏み切りました。TetherはRGB対応を表明し、BTCレイヤでの決済ユースが一歩前進。相場面ではBTC/ETHの重要水準が意識される一方、XPL急騰は上場前先物の構造的リスクを浮き彫りにしました。本稿は8月30日 暗号資産ニュースの要点を一次情報に基づき解説します。
米政府データのオンチェーン化と安定通貨の進展
政府統計のハッシュを9チェーンに刻むことで検証可能性を担保したため、データ配信の耐改ざん性が強化された。
米商務省は、実質GDPやPCEなどの統計PDFの暗号学的ハッシュ値を、Bitcoin/Ethereum/Solana/TRON/Stellar/Avalanche/Arbitrum One/Polygon PoS/Optimismの9チェーンに記録し、オラクルはChainlinkとPythを採用します。これにより、政府の公式発表とオンチェーンのハッシュ照合で改ざん検知が可能となり、安定通貨やRWA、予測市場などのプロトコルが権威データを直接参照しやすくなります。
GDPオンチェーンの構成(9チェーン+2オラクル)
証拠保全層は9チェーン、配信はChainlinkとPythが担うため、アプリ側は標準化されたフィードにアクセスできる。
実運用では、PDFハッシュをトランザクションに埋め込み、アプリはオラクル経由でフィード取得・検証を行います。Pythは過去データのバックフィル計画を掲げ、ChainlinkはGDP以外のコア指標も提供対象に拡張する方針です。
TetherのRGB対応でBTCレイヤの利用拡大へ
RGBはBitcoin上の資産発行プロトコルのため、USDTがBTCと同一ウォレットでプライバシー性を保ちつつ流通し得る。
TetherはRGBメインネットv0.11.1の稼働を受け、USDTのRGB対応を告知しました。オフライン送受信や主権的取引を志向する設計が、BTCレイヤの実需拡大に寄与する可能性があります。
相場・流動性:テクニカル節目とプレマーケットの盲点
米市場の祝日休場で出来高が細るため、BTC/ETHはテクニカル節目の攻防が焦点となり、同時に先行取引市場の構造リスクにも注意が要る。
米国休場と主要水準(BTC/ETH)
BTCは$113,600がレジスタンスのため、$109,000〜$112,000上抜け維持が強気継続の目線となる一方、ETHは$4,317割れで構造無効化の懸念がある。
9月1日(月)は米国市場休場(Labor Day)。8月29日12:00 HKT時点でBTCは約$111,568、ETHは約$4,485。ETFフローはBTC+$179M、ETH+約$39Mの純流入が続き、目先の需給は中立~やや強気です。
関連:米ETFの需給逼迫と9月利下げ観測が重なり、BTC市場は追い風が続く見通し。
HyperliquidのXPL急騰が示した「上場前先物」の構造リスク
エアドロ受領者や早期投資家のヘッジショートが過密となったため、薄い板でのモメンタム点火が連鎖清算を誘発しやすい。
XPLは先行市場で急騰し、短時間で巨額の損益が発生。仕組み上、現物参照価格が乏しい段階ではファンディングやOIの偏りが「踏み上げ」の燃料になり得ます。なお当事者は「睡眠不足で発注速度を誤った」と述べ、20分で約$3,800万の利益を得たとされます。
規制と企業動向:ロビー戦、事業変革、金利感応度
米国の暗号資産制度設計を巡り金融ロビーが活発化したため、取引所は“手数料依存”からインフラ志向へ転換し、ステーブル発行体は金利低下に備えた成長戦略が要る。
ワシントンのロビー攻防
安定通貨法や市場構造法案を巡り、銀行業界と暗号業界の利害が衝突するため、上場株式のトークナイズ容認の是非も論点化している。
共和党主導のデジタル資産規制整備を背景に、銀行団体は小口預金流出などの副作用を懸念し修正を要求、他方で暗号陣営は法の既成事実化を主張します。
Coinbaseの「ユニバーサル取引所」構想
ETF・オンチェーン取引・低手数料競争で現物収益が痩せたため、CoinbaseはUSDC・Wallet・Base・Primeを柱に“金融OS”化を急ぐ。
Q1の純利益減やQ2の一過性益を踏まえ、Deribit買収などデリバティブ強化と、ウォレット/レイヤ2/機関向け託管で継続収益源を整備。規制準拠を堀として総合金融基盤を目指します。
金利低下とCircleの収益感応度
Fedの25bp利下げで年換算約$1.55億の収益減が想定されるため、USDC流通を増やして相殺する必要がある。
USDC準備金(約$600億)からの金利収入依存が高く、100bpの低下では約$6.18億の減収感応。流通25%増で相殺の試算が示されています。
H3:JPモルガンのBTC公正価値=約$126,000
ボラティリティの顕著な低下とETF資金流入で、金に対する相対評価の見直し余地があると試算された。
6ヶ月ボラは約30%へ低下、金とのボラ比は約2倍まで縮小。金ETFとのAUM差も$300億に迫るとの分析です。
プロトコル/VC:流動性設計とマクロ資金の入り方
Zora×0xの多段ルーティングと即時インデックスにより、投稿トークンの大量発行でも低遅延の約定が可能になったため、創作者報酬と出来高が回転した。
0xのSwap APIがZoraのポスト/クリエイタートークンに最適化され、7月の月間出来高は$27.5M、累計$59M。日次クリエイター報酬は$1,000未満から$10,000超へ増加し、ピークは約$375,000に達しました。
2025年のVCは「統合と上場/M&A主導」
米規制の明確化や利下げ観測を背景に、資金はインフラとRWA、DATS、IPO銘柄へ配分が進む。
年内M&Aは130件規模が見込まれ、1–7月の累計は$62.3億。Circle、BitGoなどのIPO事例が、トークン上場よりも収益重視の株式調達へ潮流を移しています。
▽ FAQ
Q. 米GDPオンチェーンはどのチェーン?
A. Bitcoin等9チェーンにハッシュを格納し、ChainlinkとPythが配信。開始は2025年7月分から。
Q. USDTのRGB対応はいつ・何が利点?
A. v0.11.1稼働を踏まえ発表、BTCと同一ウォレットでUSDT送受信やオフライン伝送を狙う。
Q. 直近のBTC/ETHの注目ラインは?
A. BTC$113,600が上値、$109–112K維持で強気、ETHは$4,317割れ注意・$5,000超で加速。
Q. XPL急騰はなぜ起きた?
A. 上場前先物でショート過密と薄い板を狙う点火戦略が連鎖清算を誘発。20分で$3,800万利益事例。
Q. JPモルガンのBTC公正価値は?
A. 約$126,000。ボラ低下とETF資金で金との相対評価が上方修正された。
■ ニュース解説
米政府がGDPをオンチェーン化したため統計の検証可能性が高まり、安定通貨やRWA、予測市場への一次データ供給が整う一方で、上場前先物の脆弱性や金利低下に伴うステーブル事業の収益感応が課題となる。
米商務省は9チェーンに統計のハッシュを記録し、ChainlinkとPythが配信を支える一方、TetherはRGB対応によりBTCレイヤの決済用途拡張を模索した。その結果、相場はBTC/ETHの節目が意識され、XPL急騰はプレマーケットの構造的リスクを露呈した。また、ワシントンでは安定通貨法等を巡るロビーが激化し、取引所は手数料依存から“金融OS”化へ舵を切った。さらに、利下げ局面ではUSDCを巡る収益感応度が高まるため、高頻度な官公庁データのオンチェーン化は予測市場やRWAの価格発見を底上げし得るが、データの「入力源の正確性」は別途担保が必要であり、先物市場の設計はガバナンスと清算エンジンの再検討が急務となる。
投資家の視点: 統計APIに依存するストラテジーやRWA担保型プロダクトは、データフィードの冗長化(Pyth/Chainlink双方)と検証手順の文書化を推奨。先行取引銘柄はOI推移・資金調達レート・板厚の三点監視を徹底し、清算密集帯の可視化でサイズ管理を。マクロでは利下げシナリオ下のステーブル発行体の増収策(流通量増)と取引所のインフラ収益化の進捗に注目。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:PANews)