▽ 要約
ゴールド毛並みの BAYC #7940 が 666 ETH(約 3 億円)で売却、希少属性と話題性が要因。
BAYC フロア価格は 128 ETH → 11 ETH に下落、レア個体のみ高値維持。
2025 上期 NFT 売上は 28.2 億ドル、件数増で平均価格は 100 ドル弱に低下。
CryptoPunk #5577 が 5.15 百万ドル、Pudgy Penguins 時価が BAYC 超え。
全面バブル再来ではなく、ブルーチップ集中・成熟へ移行中。
BAYC #7940 666ETH高額取引――市場が冷え込む中で“億越え”ディールが成立した理由は何か。本稿では取引の内幕から NFT 市場全体の数字まで網羅し、「バブル再来か否か」という疑問に答えます。読むことで、ブルーチップ NFT の現在地と今後の投資判断材料が得られます。
BAYC #7940 取引の概要
ゴールド毛並みという超希少属性と FTX 破綻資産という話題性が重なり 666 ETH で落札された。
売り手・買い手の背景
- 2024‑10‑12、FTX ウォレットが X2Y2 で 588 ETH で売却し、Floor Protocol 創業者 FreeLunchCapital が取得。
- 2025‑08‑01 頃、同氏が 666 ETH で転売。OpenSea 取引履歴に確認される。
特徴と希少性
- ソリッドゴールド毛並みは BAYC 全 10,000 体中 0.46%(46 体)しか存在しない。希少性が価格プレミアを生む。
取引履歴と価格推移
- 588 → 666 ETH と 78 ETH(+13%)値上がり。弱気相場でもレア NFT が価値を保つ事例となった。
BAYC コレクションの現状
フロア価格の推移
2022 年ピーク 128 ETH から 2025 年夏 11 ETH 前後へ 90%以上下落。
- 2025‑06 に 10 ETH まで下落、半年で −29%。
レアリティによる二極化
- ゴールドやレーザーアイなど上位 1%レア個体は依然数百 ETH。
- 一般個体は 10〜13 ETH で停滞し、売買成立も鈍化。
市場施策
- Yuga Labs は ApeFest 2025(ラスベガス)を予告しブランド維持に注力。
NFT 市場全体の動向
売上と取引件数
2025H1 売上 28.2 億ドル(前期比 –4.6%)だが、件数 +78%で平均単価が大幅低下。
チェーン別シェア
- 週次売上首位は Ethereum(2,700 万ドル、+4.9%)で依然トップ。
- Bitcoin Ordinals が週 1,678 万ドル、前年比 +29%で追随。
ブルーチップ復活
- CryptoPunk #5577 を GameSquare が 5.15 百万ドルで購入。
- Pudgy Penguins 時価総額が BAYC を抜き、フロア+539%。
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他の数百万ドル級 NFT との比較
- 歴代 BAYC 最高は #8817(819 ETH=340 万ドル、2021‑10)。
- 2025 年内トップは CryptoPunk #5577(5.15 百万ドル)。
- BAYC #830 が 2024‑03 に 504 ETH(192 万ドル)で取引。
■ ニュース解説
市場は“全面バブル”ではない。平均単価の下落と件数増は投機熱の沈静化とユーザー広がりの裏返しであり、レア資産にのみ大口が集まる成熟フェーズに入ったとみるべきだ。投資家は
- ブルーチップでも希少属性かつストーリー性ある個体を選ぶ
- 流動性が薄い点に留意し長期視点を持つ
- 暗号資産価格と連動するリスクを管理する
——などを検討したい。
本記事は情報提供であり、投資助言ではありません。
(出典:CoinDesk,PANews Lab,Cointelegraph)