JAPAN Web3カオスマップ2023とは?18分類の読み方と現在の確認点

BizTechは2023年3月28日、「JAPAN Web3 カオスマップ 2023」を公開しました。ブロックチェーンとメタバースの関連企業・団体・サービスを、160超の掲載対象としてまとめた資料です。AI・Web3分野に絞った人材サービス「Tech Forward」の開始前に、業界の見取り図を提供する目的で制作されました。

これは2023年の公開情報を独自に整理したマップで、現在営業中の企業一覧や推奨サービス一覧ではありません。元の告知が掲げた「網羅」という言葉にも、正確性や網羅性を保証しないという注記が付いています。18分類の構成と収録範囲を押さえ、2026年に参照する際の使い方を考えます。

160超は、日本企業だけを数えた数字ではない

公開時の公式リリースによると、マップは各社のウェブサイトやプレスリリースなどを基に、BizTechが独自に調査・分類したものです。対象は国内でWeb3事業やサービスを展開する企業、団体、サービスであり、日本に本社を置かない組織も含まれると明記されています。

したがって、160超という掲載数を「国内のWeb3企業が160社以上存在する」という統計に置き換えることはできません。法人、団体、個別サービスという異なる単位が対象に含まれるためです。同じ会社が複数のサービスを運営する場合の数え方や、重複掲載の処理も、公開文だけでは十分に分かりません。

また、調査対象の母集団や全件調査の手順、除外基準までを示した産業統計ではありません。ここから市場規模、雇用人数、売上高を算出するのは無理があります。掲載数は資料の収録範囲を伝える数字として読み、別のマップと比較するときは、企業だけを数えたものか、サービスも数えたものかを先に揃える必要があります。

ブロックチェーン8分類、メタバース2分類、共通8分類

分類は大きく二つの領域に分かれ、両方に関係する共通カテゴリが置かれています。公式発表に記載された小分類を数えると合計18です。「プラットフォーム」は両領域に登場するため、単語だけを抜き出すと違いを見失いやすくなります。

区分 掲載されたカテゴリ
ブロックチェーン領域:8 取引所/販売所、金融系、プラットフォーム、NFT、DAO、ソリューション・プロダクト、ウォレット、独自チェーン
メタバース領域:2 プラットフォーム、コンテンツ・アバター
共通:8 業界団体、プロジェクト、コミュニティ、開発・制作・コンサルティング、メディア、人材・教育、エンターテイメント、ゲーム

この配置は、技術を提供する事業者だけでなく、人材、情報発信、交流、娯楽なども含めて当時のWeb3周辺を捉えたものです。例えば、アバター制作の依頼先を探す人と、チェーン上のアプリ開発基盤を探す人では、最初に見る枠が異なります。目的に合わせて分類を絞ることで、ロゴの一覧を調査の入口として使えます。

ただし、これは作成者による編集上の分類です。ある枠に入っていることが、業界共通の資格や技術認証を取得した証拠にはなりません。複数領域を手掛ける会社の事業全体も、一つのロゴの位置だけでは説明できません。

高解像度画像と一覧Excelは、役割の違う配布物

当初案内された資料は、日本語版と英語版の高解像度画像、それに掲載企業・団体の一覧Excelです。画像は全体の配置を見渡すため、一覧データは個々の名称を起点に調べるため、という使い分けが考えられます。英語版の名称にはLandscapeが使われていますが、別の年に行った独立調査という説明ではありません。

保存されている元記事では、法人はフォームへの情報入力、個人はDiscordコミュニティへの参加後に指定チャンネルから取得する方法が紹介されていました。一方、今回取得できたPR TIMESの現行本文には法人向けフォームの案内があり、旧記事と同じ個人向け手順は確認できませんでした。

フォームからの資料受領とDiscord内の配布状況は未確認です。したがって、本記事では個人向け招待リンクを現在も有効なダウンロード導線として案内しません。Excelの実ファイルも取得していないため、収録列や全掲載対象の名称、マップとの完全な一致を検査したとはしていません。公表されている画像や説明の確認と、配布物そのものの検証には差があります。

ロゴの掲載は、提携やサービスの安全性を意味しない

発表の末尾には、独自調査のため網羅性・正確性を保証しないこと、ロゴの掲載について事前承諾を得ていない企業もあることが記されています。掲載企業すべてがTech Forwardと提携し、情報を提供した資料だと読むのは適切ではありません。ロゴがあることから、求人募集中であることや、主催者の審査を通過したことも判断できません。

調べる際は、まずマップにある名前が法人名なのか製品名なのかを区別します。次に公式サイトで運営主体、サービス内容、更新日を確かめれば、同名の別サービスや名称変更との取り違えを減らせます。メタバースの利用先を探す場合でも、閲覧できること、アカウントを作れること、必要な機能が使えることは別々に確かめる項目です。

他の年のマップからロゴが消えた場合も、それだけでは倒産や事業撤退を示しません。編集範囲や掲載名が変わった可能性があるためです。反対に、2023年のマップに載っているという理由で、現在も同じ提供体制が続いているとは扱えません。掲載の有無は、企業の信用評価や暗号資産の購入判断を代わりに行うものではありません。

人材サービスの開始とマップの更新は別の出来事

この資料が公表された時点で、Tech Forwardは2023年4月の開始を予定していました。その後、BizTechは同年4月17日の提供開始を発表しています。マップは、人材と企業を結ぶサービスの準備期に、業界を知るための情報も提供しようとした取り組みと位置付けられます。

ただし、人材サービスが始まったことと、マップに載る企業が求人を出したことは同じではありません。企業調査に使うなら、マップで事業分野を知った後、その企業が出す現在の募集要項へ進む必要があります。採用主体、担当する製品、仕事内容、雇用か業務委託かを確認して初めて、仕事の候補として比較できます。

元記事にあったNFTやMATICの特典は、2023年3月22日から4月12日までの事前登録キャンペーンに関するものです。業界資料の内容とは分けて扱うべきで、いま資料を参照すれば特典を受け取れるという条件ではありません。また、人材サービスの後続発表が存在しても、カオスマップ自体が定期更新されている証拠にはなりません。

2026年に読むなら、当時の記録に現在の確認欄を足す

2026年9月27日時点では、Tech ForwardマガジンにAIやWeb3、技術職に関する記事が公開されていることを確認しました。運営元のBizTech企業サイトにはAI MarketとWEBマーケティング支援の案内があります。これらは現在閲覧できる情報ですが、2023年版マップの配布継続や改訂版の存在を保証するものではありません。

今回、全掲載先の現況や、2026年版として更新された同名マップは確認していません。手元の資料を業務に使うなら、元の掲載分類を残したうえで、公式URL、調査日、現在のサービス名、受付状況、根拠となる発表を別欄に記録すると、2023年の情報と後から調べた情報を区別できます。確認できない欄を推測で埋めないことも重要です。

例えば、一覧にある製品名で公式ページが見つからないときは、直ちに終了扱いにせず、運営会社の告知で名称変更や移管の有無を調べます。確認が取れなければ未確認のまま残します。このマップの価値は、当時どの分野が一緒にWeb3として紹介されていたかを見渡せることにあります。現在の比較表を作る場合は、その歴史的な分類に新しい根拠を足して使うのが適切です。

よくある質問

Q. 160超は、日本に本社がある企業の数ですか?

A. いいえ。企業だけでなく団体やサービスを含む掲載数で、海外に本社を置く組織も対象です。国内企業数の統計とは異なります。

Q. いまも画像やExcelをダウンロードできますか?

A. 現行の公式発表には法人向けフォームが載っていますが、資料の受領までは確認していません。元記事の個人向けDiscord配布も現在の稼働は未確認です。

Q. 掲載企業は現在もすべて活動していますか?

A. 本記事では全掲載先の現在の活動を検証していません。2023年の分類資料として扱い、現在のサービスや求人については各社の公式情報で確認する必要があります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。