BinanceのBicassoとは?2023年のAI生成NFTと現在の変更点

BinanceのBicassoは、AIで作った画像をNFTとして発行できる仕組みとして2023年に注目されました。ただし、当時の無料公開は期間と人数が限られた企画です。さらに2026年には旧NFTサービスへのアクセス終了が告知されています。過去の参加手順をそのまま使わないために、機能、開催時期、その後の変更を整理します。

Bicassoが組み合わせた画像生成とNFT発行

Bicassoは、入力した文章や画像をもとにAIで画像を生成し、選んだ作品をBNB Chain上のNFTにするサービスとして紹介されました。Binanceの2023年3月の公式説明では、画像を作る工程と、その画像を選んでミントする工程が分かれています。画像が表示されただけで、ブロックチェーン上の発行が終わるという意味ではありません。

この違いは、体験のどこが便利になったかを考えるうえで重要です。画像制作の入口が簡単になることと、発行先、保管方法、移転先を理解しなくてよくなることは別です。操作画面が一つにつながっていても、生成物の保存とトークンの管理には異なる仕組みが使われます。

旧記事は「史上初のAIを利用した製品」と表現していました。しかし、対象をすべてのAI製品へ広げた比較は成立せず、Bicasso固有の新規性を証明する資料も示していませんでした。本記事では、BinanceがAI画像生成とNFT発行を組み合わせて提供した事例として扱います。

また、画像生成AIと対話型AIを同じ製品と考える必要はありません。ChatGPTへの関心が高まった時期と重なっていても、Bicassoがどの画像生成モデルを使ったか、どのような学習データを採用したかは、それぞれの技術資料で確かめる事項です。

2023年3月のテストと期間限定の公開

公式発表によると、2023年3月1日の試験は欧州10カ国の少数の利用者を対象とし、同日に1万点がミントされて終了しました。続く3月29日には、UTCの正午から翌日午前0時までの12時間、最大10万人が一人1点を無料で発行する機会が案内されています。最初の試験と後日の公開枠は別のものです。

この記録から分かるのは、特定の日時と人数枠で実施された取り組みの規模です。無料という条件も、そのイベントに付いた条件として読む必要があります。公開期間が終わった後に同じ説明を見つけても、現在の受付枠や費用を示しているとは限りません。

日時の表記にも注意が必要です。UTCで3月29日12時から30日0時という枠は、日本時間では3月29日21時から30日9時に当たります。どちらも同じ時間帯ですが、日付だけを抜き出すと締め切りを誤解しやすくなります。この記事は終了済みのイベントの記録であり、次の開催日を予告するものではありません。

なお、公開枠の数と、実際に最後まで発行を終えた人数は同じとは限りません。募集時に最大10万人と案内されたことを、10万人全員が作品を受け取ったという実績へ置き換えるには、終了後の集計が必要です。

「数時間で1万点」を性能保証と読まない

旧記事は2時間半で1万点という数字を強調していました。公式の紹介は初回の試験で数時間のうちに1万点がミントされたと説明していますが、これは一定条件のイベントでの実績です。任意の画像を1万枚、毎回同じ時間内に生成できるという性能保証にはなりません。

処理にかかる時間を比べるなら、入力から画像が表示されるまでなのか、画像選択後に発行記録が確定するまでなのかをそろえる必要があります。利用者が画像を選んでいる時間やアクセス待ちも含めたイベント全体の経過時間と、生成機能だけの処理時間は違います。

参加枠が早く埋まったことは関心の高さを示す材料になり得ますが、作品の品質や売却価値を測る指標ではありません。大量の発行が可能でも、それぞれの作品に購入希望者がいるかは別の問題です。生成速度、発行数、取引価格を一つの成功指標として扱わないことが大切です。

旧記事に並んでいたNFT市場の時価総額と24時間販売量についても、集計日、対象チェーン、算定方法をそろえて再確認できませんでした。Bicassoの機能評価と直接結び付ける根拠がないため、現在の市場規模を説明する数字としては再掲していません。

2026年7月に旧NFTサービスのアクセスが終了

その後の状況を知るうえで重要なのが、2026年6月3日付のBinance公式案内です。取引所側のNFTサービスをBinance Walletで管理する形へ移し、7月3日に従来サービスへアクセスできなくなると告知しました。移転可能なNFTの保有者には、対応ウォレットへ出庫する期間が設けられています。

同じ案内は、当初から移転できないNFTについても、7月3日からアクセスを終了すると説明しています。2026年9月の時点では、その告知上の期限は過ぎています。本記事では個々の口座へログインして資産の状態を確認していないため、読者が保有する特定のNFTについて復旧可否を判断することはできません。

この変更は、2023年の記事にあるメニュー操作を現行手順として使えない理由になります。旧NFTサービスの終了と、ブロックチェーン上のすべてのNFTの消滅は同じ話ではありません。一方、チェーン上に記録があることだけで、以前と同じ画面や機能を利用できるとも限りません。

また、WalletでNFTを管理できるという説明から、Bicassoの画像生成機能そのものが同じ条件で移設されたと断定することもできません。今回確認した資料からは、Bicassoの現行の生成受付と日本居住者向け条件を確認できませんでした。

作品の記録と権利、利用できる機能を分ける

AIで画像を作りNFTとして発行する流れでは、画像、トークン、サービス上の特典という三つを分けて考えると整理しやすくなります。画像は見て楽しむ対象であり、トークンは発行や移転の記録、特典は提供者が決めた条件に基づく機能です。一つを保有していても、残りの条件が自動的に固定されるわけではありません。

例えば、プロフィール画像として表示できることと、第三者の作品を素材にして自由に商品化できることは別です。入力に使う画像の許諾や、出力物の利用条件を確かめる必要があります。NFTを発行したという操作だけで、素材に関する問題が解消するわけではありません。

2023年の企画には、通常の生成枠とは別に500点の特別コレクションも案内されていました。通常の作品と参加権に関わる特別なNFTを同じものとして数えると、発行枠や特典の説明が混乱します。作品名や種類を特定してから、どのイベントで何を受け取れる条件だったかを読むことが大切です。

過去の特典が紹介されていても、継続提供や現在の利用資格を保証するものではありません。サービスの変更を追う場合は、単にトークンを持っているかだけでなく、提供元の最新の告知と対象となる機能を照合する必要があります。

このニュースを今読むときの確認点

Bicassoのニュースは、画像制作とNFT発行の間にある操作をまとめた2023年の試みとして位置付けられます。短い指示で画像を作れることには制作上の利点がありますが、その便利さから価格上昇や利益を推測することはできません。作品を作る目的と、売買する目的を分けて評価する必要があります。

今の利用状況を調べるときには、まず記事の日付を見て、過去の募集案内か現行のヘルプかを区別します。次に、画像生成、NFT発行、保管、外部への移転のうち、どの機能が案内されているかを確認します。最後に、対象地域とアカウント条件を確かめることで、古い情報を現在の手順へ読み替える誤りを減らせます。

本記事では、初回試験、後日の限定公開、2026年の旧NFTサービス終了告知を分けて整理しました。期限を過ぎた紹介リンクから参加を促すものではありません。個別に保有しているNFTの対応を調べる場合は、当該資産を特定したうえで提供元の案内を確認する必要があります。

よくある質問

Q. Bicassoは今も無料で使えますか?

A. 2023年の無料枠は期間限定でした。今回の確認では現行の生成受付や日本居住者向け条件を確認できていません。

Q. 1万点を数時間で作れる性能が保証されていますか?

A. 初回試験の発行実績についての説明です。どの入力でも同じ時間で処理できるという性能保証ではありません。

Q. Binance Walletへの移行はBicassoの移設ですか?

A. 公式案内はNFTの管理と旧サービスへのアクセス終了を説明しています。画像生成機能が同じ条件で移設されたとは確認できません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。