NFTの代表的な7タイプ|2026年時点の現状と注意点

NFT(非代替性トークン)は「デジタルアート」の印象が強いものの、実際には音楽、イベントの入場券、ゲームのアイテム、仮想空間の土地など、さまざまな用途で使われてきました。2022年の旧版記事は、代表的な7つのタイプを紹介していました。

ただ、旧版には「Axie Infinityは最も高価なNFT」「ビープル氏は一夜にして世界で3番目に裕福な芸術家になった」など、事実と異なる説明も含まれていました。この記事では7つのタイプの分け方はそのままに、それぞれの代表例を一次情報で確かめ直し、2026年時点でどうなっているか、何に気をつければよいかを整理します。

① アートNFT:作品の「来歴」を記録する

アートNFTは、デジタル作品とトークンを結びつけ、誰が作り、誰が持っているかをブロックチェーンに記録するものです。NFTは作品そのものというより、作品の登録証や来歴の記録に近い役割を果たします。

象徴的な出来事は、2021年3月11日に米競売大手クリスティーズで、デジタルアーティストのビープル(Beeple)氏の作品が6,934万6,250ドルで落札されたことです。13年あまり毎日1点ずつ制作した5,000点の画像を1枚にまとめた「Everydays」と呼ばれる作品でした。これにより同氏は、存命の作家としてオークションでの落札額が上位3人に入ったと伝えられました。旧版の「3番目に裕福な芸術家」は誤りで、あくまで作品の落札額の順位です。

その後、2023年1月にはビットコイン上にデータを刻み込む「Ordinals」が広まり、イーサリアム以外のチェーンでもアートNFTが作られるようになりました。ビープル氏のその後の活動はビープル氏のSolanaでの3D作品でも取り上げています。

② コレクションNFTと⑤アバター(PFP)NFT

コレクションNFTは、トレーディングカードのように「集めること」自体を楽しむタイプです。同じ絵柄を複数枚発行するものも多く、希少度によって価格が変わります。

アバター(PFP:プロフィール画像)NFTは、SNSのアイコンに使うことを想定したキャラクター画像のシリーズです。猿のイラストのBAYC、ドット絵のCryptoPunksが代表例で、2021〜2022年には「持っていること」が一種の会員証として扱われました。

ただし価格は大きく変動しました。BAYCの最安出品価格は2022年春に150ETHを超えましたが、2026年9月時点では6ETH台です。旧版は「多くの人がアイコンに使っているなら価値があるに違いない」と書いていましたが、人気と価格は長続きするとは限りません。持ち主にどんな権利(キャラクターの商用利用など)が与えられるかは、コレクションごとの規約で大きく違う点にも注意が必要です。

③ 音楽NFT:直接販売の試みとサービス終了

音楽NFTは、楽曲やアルバム、限定特典をNFTとしてファンに直接販売するものです。2021年3月5日には、米ロックバンドのキングス・オブ・レオンがアルバム「When You See Yourself」をNFTプラットフォームYellowHeartで3種類のトークンとして販売し、アルバムをNFTとして出した初期の例として話題になりました。

レコード会社を通さずにファンから直接収入を得られる点が期待されましたが、専門サービスの運営は簡単ではありませんでした。音楽NFTの代表的なプラットフォームだったSound.xyzは、2026年1月16日でサービスを終え、別のサービスへ移行しています。

旧版は「ミュージシャンが販売ごとのロイヤリティを自分で設定できる」と書いていましたが、二次流通のロイヤリティは大手マーケットプレイスで任意になった経緯もあり、必ず受け取れるものではなくなっています。

④ チケット・パスNFT:入場券や会員証として使う

チケットやパスとしてのNFTは、イベントへの入場や、特定の商品を買う権利の証明に使われます。持っていることを確かめるだけで使えるため、会員証や限定販売の参加資格にも向いています。

米チケット販売大手のチケットマスターは、2023年3月27日から、特定のNFTを持つ人だけがチケットを買える販売方式を始めました。第1弾は、米バンドのアヴェンジド・セヴンフォールドのファン向けNFT「Deathbats Club」の保有者を対象としたものです。

また、イベントに参加した記念としてNFTを配る「POAP」も、参加の証明として広く使われてきました。チケット型は価格の値上がりを目的にしない使い方のため、2026年時点でも比較的定着している分野です。

⑥ ゲームNFT:アイテムの所有と「遊んで稼ぐ」の反動

ゲームNFTは、キャラクターやアイテムをNFTにして、プレイヤーが所有し売買できるようにするものです。代表例のAxie Infinityは、遊んで報酬を得る「Play to Earn」の象徴として2021年に急成長しました。旧版は「最も高価なNFT」と書いていましたが、これは誤りです。

しかし2022年3月23日、同ゲームのためのブロックチェーン「Ronin」のブリッジが攻撃を受け、ETHとUSDCあわせて6億2,500万ドル超が流出しました。報酬目当ての利用者も減り、1日あたりの平均プレイヤー数は、最盛期の約270万人から2023年には約25万人まで減ったと報じられました。2025年3月には新作のMMO「Atia’s Legacy」が発表され、2026年4月から2回目のテストが行われています。

サッカーなどのカードゲーム「Sorare」は、2020年にJリーグとも提携し、2022年9月にNBAのライセンスも得ました(SorareのNBAカード)。2025年10月にはカードをSolana上に移しています。英国では2024年9月に無免許の賭博に当たるとして起訴され、同社は否認しており、公判は2027年6月に延期されたと報じられています。

⑦ 仮想土地NFT:高額取引と利用者数のギャップ

仮想土地NFTは、メタバース(仮想空間)上の区画をNFTとして売買するものです。The SandboxやDecentralandが代表例です。

2021年末には高額取引が相次ぎ、The Sandboxでは不動産会社Republic Realmが仏Atariから区画を430万ドルで購入したほか、ラッパーのスヌープ・ドッグ氏の区画の隣が約45万ドルで売れたことも話題になりました。

一方で、実際の利用者は多くありませんでした。2022年10月には、分析サイトの集計でDecentralandのある日の利用者が数十人にとどまったと報じられ、運営側が「1日約8,000人」と反論する騒ぎもありました。The Sandboxは2025年8月、約250人の社員の半数以上を削減したと報じられ、日々の利用者は数百人規模と伝えられています。

どのタイプでも確認したい3つのこと

タイプごとに使い道は違っても、買う前に確かめたい点は共通しています。

  1. 運営が止まったらどうなるか:音楽やゲーム、メタバースのNFTは、サービスが終わると使い道がなくなることがあります。
  2. 何の権利が付いてくるか:著作権や商用利用の権利は、NFTを買っても自動的には移りません。規約を読みましょう。
  3. 売りたいときに売れるか:取引の少ないNFTは、表示価格で売れるとは限りません。

NFTと暗号資産の法律・税金上の違いは暗号資産とNFTの違い、NFTの基礎はNFTとは何か、ブロックチェーンゲームの浮き沈みはWeb3ゲーム投資の観察記事で詳しく扱っています。この記事は特定のNFTの購入を勧めるものではありません。

よくある質問

Q. NFTにはどんな種類がありますか?

A. 代表的なのは、アート、コレクション、音楽、チケット・パス、アバター(PFP)、ゲーム、仮想土地の7タイプです。用途によって、価値の決まり方や気をつける点が変わります。

Q. ビープル氏のNFT作品はいくらで売れましたか?

A. 2021年3月11日、クリスティーズのオンライン競売で、5,000日分の作品をまとめた「Everydays」が6,934万6,250ドルで落札されました。存命の作家としてオークションの落札額で上位3人に入ったと伝えられています。

Q. 今いちばん定着しているNFTのタイプはどれですか?

A. 一概には言えませんが、チケットや会員証、参加証明のように、値上がりを目的にしない使い方は比較的続いています。一方、音楽NFTのサービス終了や仮想土地の利用者の少なさなど、縮小した分野もあります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。