【要約】
・AI Agent「Manus」:ツール活用を自動化し、実務レベルで成果を出す「万能の手」として話題
・トランプ大統領令:戦略的ビットコイン備蓄を設立、ただし新規購入は控える方針
・DEX「Hyperliquid」:約1兆ドル超の累積取引量を達成し、大口投資家が活発に参加
・Uniswap基金会の大規模投資計画:総額1億6550万ドルの資金をエコシステム強化に投入
・多角的な米国規制の動き:ホワイトハウス担当者や議会内での意見交換が続く
・散見される賛否:仮想通貨に対する政府方針、プロトコル運用、投資家保護などに関する議論が活発化
近年は大規模言語モデル(LLM)を活用したAIアシスタントが数多く台頭していますが、2025年3月6日に登場した**「Manus」**は、従来の「会話や提案を行うだけ」のチャットボットを超える存在として注目を浴びました。開発元のMonica.imによれば、Manusは「Multiple Agent」の構成を採用しており、複数の専用エージェントが協調して複雑なタスクを自動的にこなす点が特徴です。例えば、旅行日程の完全プランニングや株価分析のためのプログラム自動作成、さらには不動産情報の一括検索と予算シミュレーションなど、人間の“実務代行”とも言える成果を短時間で提供します。
市場関係者からは「DeepSeek後、さらにAIが人間の代わりに本格的な“仕事”をする時代が始まった」という声もあがっており、Manusが「GPTの次なる転換点(GPT時代の総仕上げ)」になるのではと期待されています。
2025年3月7日、米国のドナルド・トランプ大統領はビットコインを中心としたデジタル資産の戦略備蓄を確立する行政命令に署名しました。
ただし、ホワイトハウス加密資産担当のDavid Sacks氏によれば、今回の備蓄は「政府が刑事・民事で没収したビットコインを運用する形」であり、市中から新規で購入する計画はないと明言。過去にビットコインを早期売却したことで、結果的に納税者が170億ドル超の利益機会を失ったという指摘を背景に、今後は保有資産を売却せず価値を維持しつつ活用を模索する方針です。
この大統領令は各方面の議論を呼んでおり、ホワイトハウス内では他のデジタル資産をどこまで備蓄対象に含めるかも検討中と伝えられています。一方で、**「アメリカによる仮想通貨保有の本格的な公的保障になるのか」**という市場期待と、「結局、買い増しなしでは需給へのインパクトは限定的」という冷静な見方が入り混じっている状況です。
続いて話題を集めているのが、分散型取引所(DEX)「Hyperliquid」です。設立から2年足らずで累計取引量は1兆ドル(約130兆円)を突破し、特に永続先物(Perpetual)市場でのシェア60%以上を確保していると報じられています。
従来、中心的なレバレッジ取引はバイナンスなどの中央集権型取引所に偏っていました。しかし、Hyperliquidは低い手数料と高い透明性を武器に巨鯨層を惹きつけている模様です。ただ一方で上場銘柄数が少なく、一般投資家が分散投資するには選択肢に乏しいという課題も指摘されています。今後のさらなる成長には、早期かつ多彩な銘柄上場が鍵を握るでしょう。
米国の規制機関は、加密資産に関する方針や法整備を加速しつつあります。特に**米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)**の連携が一段と強化され、デジタル資産市場の透明化や投資家保護が取り沙汰される状況です。
これらの動向は、今回のトランプ大統領令とともにアメリカの暗号資産全般に大きな影響を及ぼす可能性があるため、投資家は注意が必要です。
最後に、DeFiの代表的なプロトコルであるUniswapの動向について。Uniswap基金会は1億6550万ドル(約220億円)規模の資金をv4や独自チェーン「Unichain」拡充に投下する計画を発表しました。内訳は開発者支援や流動性マイニング報酬など多岐にわたります。
しかし市場の一部では、UNIトークンに利益還元がない点に疑問が生じています。AaveやMakerDAOはトークン買い戻しや分配を実施しており、投資家が「Uniswapはユーザーからの取引手数料を収益化しているのに、UNI保有者には還元が乏しいのではないか」と懸念を示しているのです。
とはいえ、Uniswap v4とUnichainはいずれも始動間もない段階であり、エコシステム拡大には一定の投資が必須とも言えます。将来的な価値捕捉を実現する仕組みをどう設計するかが、今後の最大の課題になるでしょう。