【2月27日】Solanaを揺るがす流動性危機とBinanceの新制度——大荒れの仮想通貨市場を切り拓くTime.funの逆転劇はなるか?
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【要約】
・SolanaエコシステムでPump.funによる流動性抽出問題が浮上し、Time.funが公式支援を受けて注目度が上昇
・仮想通貨市場全体で急落が発生、30万人超の投資家がポジション清算を余儀なくされる
・BinanceがLaunchpool新規銘柄「RED」に対し“価格上限(Price Cap)”制度をテスト導入
・Bybitの大規模ハッキング被害が表面化、朝鮮系Lazarus Groupの攻撃が疑われる
・AaveがPolygon PoSチェーンでの借貸を一時停止する方針を決定、約3億ドル規模のTVLに影響か
・Hemiメインネットの3月12日ローンチ予告やSECのUniswap Labs調査終了など、今後の相場材料が多数控える
Solanaニュース:Pump.funの“背刺”とTime.funの台頭
Solanaエコシステムでは、Pump.funが引き起こした流動性の抜き取りが深刻な課題となっています。そもそも名人発行のMemeトークン「Libra」スキャンダルや規制リスクによってSolana上の流動性は先細りの傾向にありましたが、Pump.funは自前のAMM展開や新規発行を示唆し、結果としてRaydiumなど既存DEXの出来高も激減。これに対し、Solana公式チームは新たにTime.funへ積極支援を行うことで、同種のMeme内核を持つプロジェクトの代替候補として育成を狙っています。
Time.funは時間をトークン化できる特徴を持ち、著名人やクリエイターが自身の「時間」を売買・取引する仕組みをSolanaに移植。従来の無秩序な名人トークン乱発を抑制し、リスク低減を目指す設計が注目されています。Solana共同創設者のtolyがSNSでTime.funに言及するなど、公式の後押しが極めて強いのも特徴です。Pump.funが今後どのような動きを見せるかは不透明ですが、Solana運営側はTime.funを新たな成長エンジンに位置付けていると言えるでしょう。
主要仮想通貨市場:急落と30万人超の精算
直近の仮想通貨マーケットではビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)をはじめ多くの銘柄で価格が一時的に大幅下落し、30万人を超える投資家がポジション清算に追い込まれました。下落の直接のきっかけとしては、米国を中心とした金融政策や政治リスク、さらには一部取引所へのサイバー攻撃懸念などが挙げられています。
過去にも大統領選や規制強化のタイミングで市場は変動しやすい傾向がありますが、今回は関税方針の紆余曲折や規制の先行き不透明さが投資家心理を冷やしている可能性があります。こうした状況下では山高ければ谷深しという構造になりやすく、次の上昇トレンドに移るにはやや時間を要するとの指摘も少なくありません。
Binance Launchpool:REDトークンに“価格上限”機能をテスト導入
Binanceは新規トークン「RedStone(RED)」をLaunchpoolで扱うにあたり、初めて“価格上限(Price Cap Mechanism)”をテスト導入することを明らかにしました。上場直後のトークンは投機的な急騰急落をしばしば引き起こしますが、今回の制度では最初の72時間における上限価格を一定倍率で制限し、異常な暴騰を防ぐ狙いがあります。
この試みは株式市場で言う「ストップ高・ストップ安」や「サーキットブレーカー」に近い概念であり、これまでは取引所の介入はあまり歓迎されなかった経緯があります。ただ、2020年3月のビットコイン暴落時にも類似の“部分清算・取引停止”が一部で試験されたことがあり、今後こうした仕組みが他のプラットフォームでも採用されるかどうかが注目されます。
OSL取引分析:次の下落まで“調整局面”継続か、大口動向がカギ
香港の大手場外取引所OSLによる分析では、ビットコインやイーサリアムが節目価格を割り込んだ後、しばらく調整期に入る可能性が高いとの見方が示唆されています。米国の利上げ動向やトランプ政権の関税・移民政策の行方が不透明感を醸成しており、株式や商品市場のボラティリティも加速している状況です。
一方で、クジラ(大口投資家)の動きが活発化している指標もあり、ビットコインを数万BTC単位で移動させるウォレットが確認されています。これらが買い向かうサインとも取れますが、警戒感からの売却準備とも解釈でき、相場転換を判断するには大口の継続的行動を見極める必要があるでしょう。
Bybitハック事件:Safeインフラの脆弱性を突いた攻撃で最大15億ドル規模の被害
Bybitは先日、朝鮮系ハッカー集団「Lazarus Group」による大規模な攻撃で最大15億ドル相当の被害を受けたと報じられました。外部セキュリティ企業による調査では、「Safe」の旧バージョンが抱えるインフラ上の脆弱性と、開発者マシンへの社会工作的アタック(ソーシャルエンジニアリング)が複合的に利用されたと分析されています。
Safe合約はバージョン1.3.0以降「Guard」機能が追加されるなど高いセキュリティを備える一方、Bybit側が古いバージョンを使用していたことが攻撃成功の要因となったようです。多額の資金を管理する取引所は常に最新のセキュリティパッチ適用が不可欠であり、今回の事例は改めてセキュリティ対策の重要性を浮き彫りにしました。
最新動向まとめ:Hemiメインネットローンチ予告/AaveのPolygon PoS停止/SECのUniswap調査終了など
- Hemiメインネットが3月12日にローンチ予定
ビットコインとイーサリアムを統合するモジュール型ブロックチェーンHemiが、来月正式稼働します。BTCのセキュリティとETHの拡張性を組み合わせる試みとして、DeFiやLST/LRTなどのプロトコル活用が期待されています。 - Aave、Polygon PoSでの借貸機能を実質停止へ
ガバナンス投票の結果、USDTやUSDCなど主要資産のLTVを0%に引き下げる方針が通過しました。Polygon側の提案や流動性管理への懸念が背景にあり、これにより約3億ドル分のTVLが減少する可能性があります。 - SEC、Uniswap Labsへの調査を正式終了
未登録証券の提供疑義で捜査が進められていましたが、最終的に法的措置は取らないと発表。DeFiセクターにとってポジティブなニュースと見る向きもあります。 - 仮想通貨ETF関連で各国当局の動きが活発化
Grayscaleがイーサリアム現物ETFの質権設定申請を行うなど、機関投資家向け商品の整備が進み始めています。今後もアメリカを中心にETF承認を巡るニュースが市場変動要因になると予想されます。 - 香港:第二の仮想通貨政策宣言が近く発表
既にライセンス制度や証券型トークンの取り扱いを検討している香港政府が、新たな政策や方針を打ち出すとされており、これも市場関係者の注目を集めています。