【2月3日】サルバドルがビットコイン法定通貨を撤回、米国の新関税とAIブームが市場を揺るがす:最新仮想通貨ニュース総まとめ

【要約】
本記事では、2025年2月3日前後に報じられた複数の仮想通貨ニュースを一つにまとめて解説する。具体的には、ビットコインの法定通貨地位がサルバドルで撤回された話題や、米国での追加関税に伴うマーケット下落、NFT市場の売上動向、欧州でのステーブルコイン規制強化、さらに人工知能「DeepSeek」の登場に伴う株式・仮想通貨市場への影響など、多角的に取り上げる。また、大手マーケットメイカーや著名投資家の動きも含め、現状の仮想通貨市場全体を俯瞰する。

米国による関税強化とビットコイン価格の下落

2月1日、米国政府は中国からの輸入品に対する関税を10%上乗せするほか、カナダやメキシコに対しても25%の関税を課すと発表した。ホワイトハウスは、もし各国が対抗策を取るならば、さらに関税を引き上げる可能性を示唆している。

この発表により世界的な経済摩擦への懸念が高まり、グローバルなリスク回避ムードが強まった影響で、ビットコインは一時10万1,000ドルを割り込んだ。日内の下落率は約1%前後と報じられ、市場心理にやや冷え込みが生じているのが特徴だ。

サルバドルがビットコイン法定通貨の地位を撤回

サルバドル国会は最近、「ビットコイン法案」の大幅な改正を可決し、同国におけるビットコインの法定通貨地位を取り消した。この背景としては、国際通貨基金(IMF)からの圧力と、同国が必要としている14億ドル規模の融資条件が挙げられる。

2021年9月、サルバドルは世界で初めてビットコインを法定通貨としたが、国内調査では71%の国民が法定化に否定的だったという統計も出ていた。政府は導入促進のために、公式ウォレット「Chivo」を使うユーザーに30ドル相当のビットコインを配布したり、ATMを各地に設置したりといった施策を展開した。しかし、1年後には実際に継続利用している人が21%ほどにとどまり、2024年には8.1%に落ち込んだといわれる。

このたびの法改正によって、ビットコインの受け入れは「強制」から「任意」へ変更され、納税にも使えなくなる。これにより世界中で注目を浴びた「サルバドルビットコイン法」は、大きな転換点を迎えたといえる。

米国内15州でビットコインの戦略的準備金を検討

ビットコイン関連では、米国の15州が「ビットコインを戦略的準備資産とする法整備」を推進している。特にアリゾナ州とユタ州においては上下両院を通過しつつあり、法的承認まであと一歩の段階にあるという。この動きが全国的に広がれば、ビットコインの需要はさらに高まる可能性がある。

欧州の規制準拠でKrakenが複数ステーブルコイン取引を停止

欧州連合(EU)において、暗号資産市場の包括的規制「MiCA(Markets in Crypto-Assets)」が施行されたことを受け、主要取引所Krakenは欧州経済領域(EEA)居住者向けにUSDTやPYUSD、TUSDなど複数のステーブルコインを段階的に取引停止すると発表した。まずは2月13日から証拠金取引が制限され、3月24日には現物取引も中止される見通しだ。欧州市場でビジネスを継続するためのコンプライアンス措置とされており、ステーブルコイン関連の規制強化が続く様子がうかがえる。

NFT市場の取引額が減少も、買い手・売り手数は増加

過去7日間のNFT取引額は約1億3,790万ドルとなり、前週比でおよそ29%下落した。しかしながら買い手と売り手の数はいずれも30%以上増加しているため、取引額と参加者数が反比例する珍しい傾向となっている。

チェーン別では、イーサリアムNFT取引が約6,790万ドルと引き続きトップだが、売買額自体は40%以上の下落。一方でビットコインNFTの取引額は1,740万ドルに減少し、Mythos Chainが約1,360万ドルを記録して第3位に浮上した。コレクション別では、Pudgy Penguinsが約1,390万ドルの売上を記録している。

イーロン・マスク、2024年米大統領選に約2.9億ドル投資

米国連邦選挙委員会の最新情報によると、イーロン・マスクは2024年の米大統領選挙に関連して、総額2.9億ドル以上を支出していることが明らかになった。マスクはSNSや暗号資産の分野でも高い影響力を持つ人物であり、これだけの政治献金はその立場をさらに強固にする可能性がある。

Coinbaseユーザーの詐欺被害、1.5億ドルに達するとの報告

チェーン分析家のZachXBTによると、Coinbase利用者による詐欺被害がこの1年で少なくとも1.5億ドルに達したとの推計がある。最近では110枚のcbBTC(Coinbase独自のラップドBTC)に相当する約1,150万ドルが盗まれる事件も発生した。攻撃者は取得したcbBTCを瞬時に他のチェーンへブリッジし、混合器などを介して資金を洗浄したとみられる。

ビットコイン価格が10万ドルを割り込む一方、1月のDEX取引高は過去最高

ビットコインは一時10万1,000ドルを下回ったが、分散型取引所(DEX)の取引高は1月に4,541億ドルと過去最高を記録した。12月からの伸び率は約40%に達する。特にRaydiumが1,241億ドルとトップシェアを占め、Uniswapが1,004億ドル(全体の22%)でそれに続く。市場全体が不安定な中でも、DEXの流動性と需要は拡大していることがうかがわれる。

AIモデル「DeepSeek」が引き起こす市場変動

米国のCointelegraphや国内メディアが報じたところによると、中国発のAIモデル「DeepSeek」が、OpenAIなどが提供する大規模言語モデルと同等の性能を低コストで実現可能だとして、年始からテック業界に大きな衝撃を与えた。株式市場では主要テック銘柄が下落し、ビットコインやイーサリアムなどリスク資産とされる仮想通貨も連動して売りが増えたと指摘される。

ただし、人工知能分野の長期的な発展を考えれば、企業や国家の競争を加速させる一因になるとも言われており、「DeepSeek」がもたらす影響は今後さらに注目される見通しだ。

TRUMP関連の大口投資家と新規トークン取引

一部のトークンやプロジェクトに関しては、投資家の動向が大きく価格に影響する事例が報じられている。

  • ある「TRUMP」トークンの早期購入者が、63.7万枚を約1,259万ドルで売却し、約1,187万ドルの利益を得た。購入時は0.72百万ドル相当のSOL(3,000SOL)を用いたとされ、短期間で16倍超のリターンを生んだ。
  • また、トランプ関連プロジェクト「WorldLibertyFinance(WLFI)」では新設のマルチシグウォレットが1,000万枚のUSDCで2億枚のWLFIを買い入れるなど、大規模な取引が注目を集めている。

Wintermuteの「トークン価格操作」疑惑とその仕組み

仮想通貨のマーケットメイカーとして知られるWintermuteは、上場前のアルトコインを借り受けて市場に流動性を提供し、売り買い両方のポジションを取ることで利益を得ている。たとえば、ある銘柄を高値で売って価格を一時的に下げさせ、安くなったところで買い戻す「Wintermuteパターン」が市場ではしばしば話題となる。

その一方で、Wintermuteが関わるプロジェクトは大手取引所への上場につながる可能性が高いため、プロジェクト側もあえて同社と提携するケースが多い。結果として価格が下落しても、上場後の急上昇によって投資家が利益を得られるシナリオも見られるという。

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