【要約】
2024年後半、AI Agentが仮想通貨市場を大きく賑わせ、ai16zやVirtualsをはじめとするプロジェクトが急拡大中です。一方、米国国税局はDeFi取引における“ブローカー”扱いをめぐる規則を確定し、業界が強く反発。2025年はDeFiおよびAIが投資テーマとして台頭しそうで、暗号AI(Crypto+AI)のセクターも「データ」「算力」「アルゴリズム」それぞれに関連したプロジェクトが急増しています。また、主要なAIフレームワークの比較でも独自色が際立ち、今後の拡大余地が期待されます。
ai16zやVirtuals ProtocolといったAI Agent関連の大手プロジェクトは、すでに市場シェアの半分以上を占めるとの分析がありました。Cookie.funによれば、AI Agent全体の時価総額は116億ドルを超え、BaseやSolanaを中心にエコシステムが拡大中です。Virtualsのエコシステム評価額は50億ドル超、ai16zは16億ドル超に達しており、双方に強い集中度が認められています。
2024年12月27日、米国国税局(IRS)はいわゆる“DeFiブローカー”最終ルールを公表し、2025年以降に施行を開始する方針を示しました。DeFiサービスを「取引仲介業者」として扱い、ユーザー情報を強制的に収集させるという内容で、プライバシー侵害や法定権限の逸脱だとして業界から強い反対の声が上がっています。共和党主導のトランプ政権が撤回する可能性も取り沙汰されますが、実際に立法や行政上の優先度がどこまで高いかは不透明です。
AIやDeFiが来年以降の主要な投資トレンドになるとの見方が強まっています。新しいETFや規制整備が進み、伝統投資家による本格参入も期待される状況です。特にDeFiにおいては、すでに億ドル単位の収益を得るプロトコルも見られるなど、キャッシュフローが明確な“ブルーチップ”銘柄が増えてきました。一方、AI分野ではAI Agentが活性化し、数万単位の新規エージェントが登場するとの予測がありますが、拡大が早すぎるために泡沫化のリスクも議論されています。
2024年は「GPU供給不足」と「AI Agent」ブームが重なり、暗号AI(CryptoとAIの融合)案件が大幅に増加しました。例えば去中心化GPUプロジェクトRenderやAkash、AIデータプラットフォーム、AI Agent発行プラットフォームなど、カテゴリーも細分化。12月上旬には、AI関連トークン全体の時価総額が700億ドルを突破する場面もありました。OpenAIの新ツール登場やNVIDIAのAIカンファレンスなど、外部からの影響も引き続き注目度が高いです。
AI Agentを効率的に開発するための四大フレームワークとして、Eliza(ai16z)、G.A.M.E(Virtuals)、Rig(ARC)、ZerePy(ZEREBRO)が注目されています。ElizaはTypeScript基盤でマルチプラットフォーム連携に強く、先行優位を活かして急速にシェア拡大中。G.A.M.Eはゲーム向け機能に特化しており、Virtuals上で200超のプロジェクトが採用しています。RustベースのRigは性能面や企業向け応用に強み。ZerePyはPythonでクリエイティブ用途に向いており、ZEREBROコミュニティが中心となってサポートしているのが特徴です。いずれも2025年に向けて大型アップデートが予定されており、AI Agentの主導権争いは一段と激化しそうです。