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2024年オンチェーンユーザー年次報告:月間新規ユーザー数は最高1,940万、Baseチェーンが約7割を占める
- 2024/12/22
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要約
2024年はWeb3ユーザーの急成長が注目される年となりました。特にBaseチェーンが月間新規ユーザー数1,940万の約70%を占め、他の主要ブロックチェーンを圧倒しました。一方で、イーサリアムやPolygonなどの既存エコシステムも適応し続けています。本報告では、Flipsideの最新データを基に、各チェーンのユーザー動向やDEXの利用状況、スーパーユーザーの役割について詳述し、2025年に向けた展望を示します。
1. 2024年のWeb3ユーザー成長の概観
2024年はWeb3のユーザー基盤が大きく拡大した年となりました。主要なパブリックチェーン上での新規ユーザー数が歴史的な高水準に達し、特にBaseチェーンの成長が目覚ましいものとなりました。しかし、単純なユーザー数の増加だけではなく、ユーザーの質にも注目が集まっています。大量の新規ユーザーが短期的な投機活動に従事する中で、持続可能なエコシステム構築の重要性が浮き彫りとなっています。
2. Baseチェーンの驚異的な成長
2024年10月、Baseチェーンは月間新規ユーザー数1,940万を達成し、これは全体の約70%を占める結果となりました。Baseチェーンの新規ユーザー数は他のパブリックチェーンと比較しても圧倒的であり、Polygonの約8倍に相当します。この急成長は、Coinbaseの大規模なユーザーベースや人気DeFiプロトコルAerodromeの成功、さらにはミームコイン取引や新たなチェーン上AIプロジェクト(Based Agentsなど)の導入によるものです。Baseチェーンは、これらの要因を組み合わせることで、ユーザーの関心を大きく引きつけました。
3. イーサリアムとそのL2ソリューションのパフォーマンス
イーサリアムは依然としてWeb3エコシステムの中心的存在ですが、そのL2ソリューションも着実に成長を続けています。2024年において、イーサリアムの月間新規ユーザー数は156万に達し、ArbitrumやOptimismを上回りました。特に3月にはユーザー数が33.4%増加し、堅実な成長を見せました。Arbitrumは5月に単月で330万の新規ユーザーを獲得し、L2チェーンとしての地位を確立しました。しかし、イーサリアムのユーザー増加は主に既存ユーザーの活発な取引によるものであり、新規ユーザーの流入は限定的です。
4. その他の主要チェーンの動向
Baseチェーンとイーサリアムに加えて、PolygonやAvalancheもユーザー基盤の拡大に貢献しています。Polygonは今年150万の新規スーパーユーザーを獲得し、DeFi以外の分野でも成功を収めました。特にGameFiやSocialFiといった新しいアプリケーションの導入がユーザーの興味を引き、多様な取引活動を促進しています。AvalancheではTrader Joeが市場シェアを拡大し、2023年からの成長を維持しています。
5. DEX市場におけるUniswapとTrader Joeの優位性
分散型取引所(DEX)の市場では、UniswapがBaseチェーン上で91.3%の新規ユーザー活動を占めるなど、引き続きリーダーシップを発揮しています。2023年と比較して、イーサリアム上での市場シェアが27.72%増加したことも注目に値します。一方、AvalancheではTrader Joeが61.1%の市場シェアを維持し、前年から6.1%の成長を見せています。Uniswapの成長は、流動性の高さとブランド力によるものであり、Trader Joeも独自のAuto-Pools機能や多様な資産対応で競争力を高めています。
6. スーパーユーザーの重要性と影響
スーパーユーザーは、特定のチェーンにおいて100回以上の取引を行うアクティブなユーザーを指します。Baseチェーンは1510万のDeFi関連スーパーユーザーを擁し、これはEthereumの1070万を38.4%上回る数値です。スーパーユーザーの存在は、チェーン全体の活性化とエコシステムの健全な発展に寄与します。Ethereumも1090万のスーパーユーザーを持ち、Polygonは150万の新規スーパーユーザーを追加しています。これらのスーパーユーザーは、DeFiプロトコルの流動性と利便性を高める重要な役割を果たしています。
7. 2025年に向けた展望と課題
2024年のユーザー成長を受け、2025年には更なる発展が期待されます。Baseチェーンの成功モデルは他の新興チェーンにとって参考となり、イーサリアムのL2ソリューションはさらなるユーザー誘引の機会を提供します。しかし、成長の質を維持し、ユーザーを長期的にエンゲージするための課題も存在します。特に、ユーザーの多様なニーズに応えるための新しいアプリケーションの開発や、スーパーユーザーの維持・拡大が重要です。
8. Flipside Scoresによるユーザー品質の洞察
Flipsideの「Flipside Scores」は、ユーザー活動の質を評価するための指標として注目されています。15項目のパフォーマンス指標を統合し、ユーザーの活動の幅と深さを定量化することで、持続可能な成長を支えるエコシステムの評価が可能となります。2024年のデータから、ユーザー数の増加に伴いユーザーの質が低下する傾向が見られましたが、これは新規ユーザーの多くが短期的な取引に従事しているためです。今後は、ユーザーの長期的なエンゲージメントを促進し、より多様な活動に参加させることが求められます。
2024年のオンチェーンユーザー年次報告は、Web3エコシステムの急速な成長とその背後にある複雑な動向を明らかにしました。Baseチェーンの圧倒的な成長と、イーサリアムおよび他の主要チェーンの適応力が際立っています。しかし、ユーザー数の増加に伴う質の低下という課題も浮き彫りとなっており、2025年に向けては持続可能なエコシステムの構築が求められます。Flipside Scoresのようなデータ駆動型の評価方法は、ユーザーの質を高め、エコシステム全体の健全な発展を支える重要なツールとなるでしょう。