9月18日仮想通貨ニュースまとめ:市場動向、規制動向、主要プロジェクトの最新情報

要約
2024年9月18日の仮想通貨市場では、米国の金融政策、主要取引所の新規上場、NFTプロジェクトの法的動向、大手投資家の動き、さらにはBlackRockとMicrosoftによるAI投資基金の設立計画など、多岐にわたる重要なニュースが報じられました。本記事では、これらの動向を詳しく分析し、仮想通貨市場への影響を考察します。

1. Binanceの上場プロセスをHe Yi氏が説明

世界有数の仮想通貨取引所であるBinanceは、上場プロジェクトの選定において厳格なプロセスを採用しています。Binanceの上場フレームワークは「ビジネス」「研究組」「委員会」「コンプライアンス審査」の4つの主要な段階から構成されています。Binanceの責任者であるHe Yi氏は、9月17日のPAnewsにて、仮想通貨業界における不安や上場に関する噂に対して長文で回答しました。彼女は、Binanceが上場プロジェクトを選定する際に重視するポイントとして「ユーザー数」「トラフィック」「プロジェクトの持続性」「堅実なビジネスロジック」を挙げました。これにより、Binanceは市場での信頼性を高め、質の高いプロジェクトのみを取り扱う姿勢を強調しています。この厳格な上場プロセスは、仮想通貨市場全体の健全な発展にも寄与すると考えられます。

2. 米国8月小売売上高の発表とFRBの利下げ見込み

米国経済の健康状態を示す指標として注目される小売売上高が、2024年8月に予想を上回る結果となりました。このデータは、米国経済が第3四半期を通じて堅調な基盤を維持していることを示唆しています。しかしながら、この結果はFRB(米連邦準備制度)の今後の金融政策にどのような影響を与えるかについて市場で議論を呼んでいます。CME FedWatchツールによると、FRBが今週のFOMC(連邦公開市場委員会)で50ベーシスポイントの利下げを行う可能性が67%と高まっています。一方で、摩根大通の首席グローバルストラテジストDavid Kelly氏は、FRBが慎重に25ベーシスポイントの利下げを選択する可能性が高いと予測しています。Kelly氏は、利下げが急激すぎると経済が衰退するリスクがあるため、段階的な調整が望ましいと述べています。このような金融政策の不確実性は、仮想通貨市場にも影響を及ぼし、ビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨の価格変動に繋がる可能性があります。

3. 仮想通貨市場での大口投資家の動向

仮想通貨市場においては、大口投資家(クジラ)の動向が市場全体に大きな影響を与えることがあります。2024年9月17日11:48に報告されたところによると、ある熟練した投資家が過去10分間で5690枚のイーサリアム(ETH)を購入し、その総額は約1295万ドルに達しました。このような大規模な取引は、ETHの価格に短期的な上昇圧力を与える可能性があります。同時に、過去にも大口投資家が市場のタイミングを見計らって大量のETHを購入・売却する動きが報告されており、市場のボラティリティを高める要因となっています。投資家はこうした動きを注意深く観察し、リスク管理を徹底することが求められます。

4. Flyfish ClubのSECとの和解

NFTプロジェクトFlyfish Club, LLCは、米国証券取引委員会(SEC)との未登録証券発行に関する訴訟を解決し、75万ドルを支払うことで和解しました。SECは、Flyfishが登録なしに1600枚のNFTを米国投資家に販売し、1480万ドルを調達したと指摘しました。Flyfishは、NFT所有者にニューヨーク市に建設される高級レストラン「Flyfish Club」の会員権を提供していました。しかし、SECの指摘により、Flyfishは今後10日以内に全てのFlyfish NFTを破棄し、将来のNFT販売やロイヤリティの受け取りを停止することに同意しました。この和解は、NFT市場における法的規制の強化を示すものであり、他のNFTプロジェクトにも影響を与える可能性があります。投資家は、NFTの法的リスクについて十分に理解し、慎重に投資判断を行う必要があります。

5. World Liberty FinancialのWLFIトークンとSEC規制

Trump家族が運営するWorld Liberty Financial(WLFI)は、新たに発行するWLFIトークンについて、事前販売やベンチャーキャピタルによる早期購入を行わず、公正な分配を実施する方針を明らかにしました。WLFIトークンの供給量の62.66%は今後のトークン販売に充てられ、その一部は多重署名ウォレットの金庫に保管されます。また、17.33%の供給量はWorld Liberty Financialのガバナンス拡大やコミュニティ開発計画のために使用され、残りの20%はプロジェクトチーム、顧問、将来の従業員に配分されます。WLFIの販売は、米国証券取引委員会(SEC)の規制を受けることとなり、購入者はCoinbaseやKrakenなどの米国仮想通貨取引所と同様の「Know Your Customer」(KYC)基準に基づいて審査されます。SECは、WLFIトークンの適格投資家基準を定義しており、高度な金融経験を持つ個人や高収入・高資産を有する投資家のみが対象となっています。これにより、WLFIトークンの透明性と信頼性が向上し、投資家保護が強化されることが期待されます。

6. BinanceのWazirXに関する声明

Binanceは、運営するWazirXプラットフォームが2024年7月18日にネットワーク攻撃を受け、約2.35億ドルのユーザー資金が失われた件について、責任を否定しました。WazirXの主要オーナーであるNischal Shetty氏は、BinanceがWazirXユーザーや債権者に対して責任を負うべきだと主張しましたが、Binanceはこれに対し、WazirXの攻撃前後を含めて一切の管理権限を持っていないと明確に述べました。さらに、BinanceはWazirXを正式に買収しておらず、両社間の取引も未完了であるため、BinanceがWazirXに関連する損失に責任を負うことはないと強調しました。この声明は、仮想通貨取引所の信頼性を維持するために重要なものであり、ユーザーに対して透明性と安心感を提供するものです。

7. ブラックロックとMicrosoftが300億ドルのAI投資基金を設立

世界最大の資産運用会社であるBlackRockは、テクノロジー企業Microsoftと共に、300億ドル規模の人工知能(AI)投資基金を設立する計画を発表しました。この基金は、AI技術の急速な発展に伴い増大する電力およびインフラストラクチャーの需要を満たすために、データセンターやエネルギープロジェクトの構築に投資することを目的としています。BlackRockは、新設のインフラストラクチャー投資部門Global Infrastructure Partnersを通じて、この基金を管理し、Microsoftやアブダビの投資会社MGXが普通組合員として参画します。さらに、半導体メーカーNVIDIAが専門知識を提供し、AI製品の構築に必要な電力とデジタルインフラの供給を支援します。今回の基金設立は、AI技術がもたらす経済的インパクトを最大限に活用し、持続可能なインフラの整備を促進するための重要なステップとなります。AI技術の算力向上に伴うエネルギー需要の増加は、既存のインフラストラクチャーに対して深刻なキャパシティ不足を引き起こす可能性があるため、今回の投資は業界全体にとって大きな意義を持つものとされています。

8. その他の重要な動向

2024年9月18日には、他にも様々な仮想通貨関連のニュースが報じられました。例えば、MicroStrategyのCEO Michael Saylor氏は、同社が7億ドルの可転換優先証券を発行し、追加のビットコイン購入および債務返済に充当する計画を発表しました。また、NFTプロジェクトFlyfish ClubがSECとの和解により、法的リスクを回避するために重要な一歩を踏み出しました。これらの動向は、仮想通貨市場の成熟と規制強化の兆候を示しており、投資家は今後の市場動向に注意を払う必要があります。

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