AIで作られたアイドルは、画像を公開した時点で会話や歌もできるのでしょうか。OTAGROUPが2023年3月15日に発表した「NOT BETRAY」は、その違いを考える手がかりになる企画です。第一弾の「α(アルファ)」を紹介するとともに、開発の実験に関わるラボメンバーを募集しました。
発表から時間が経った現在、当時の募集文をそのまま申込案内として扱うことはできません。本記事では、公開済みの成果、検討段階だった機能、現状を確かめられない事項を分けて読み解きます。
2023年3月に何が発表されたのか
運営会社のプレスリリースが伝えたのは、AI技術でアイドルを生み出すプロダクションの立ち上げです。第一弾のαは、クリエイター「AI天使」が生成したものとして画像付きで紹介されました。発表日と、本サイトが元記事を掲載した同月28日は別の日です。
企画名には、応援しているアイドルのスキャンダルに失望するファンの気持ちを出発点にした、運営側の意図が込められています。ただし「裏切らない」という言葉は企画の表現です。サービスが永続する、あらゆる発言が安全である、ファンの期待を必ず満たす、といった性能や契約上の保証を示したものではありません。
当時の告知で確認できるαの成果は、まずキャラクターのビジュアルです。楽曲の発売日、歌声の生成方法、ライブの開催予定、有料会員向け機能の仕様までは記されていません。画像が公開されたという事実から、一般的な芸能活動がすべて始まっていたと広げて解釈するのは避けたいところです。
キャラクター画像と対話機能は別々に見る
NOT BETRAYの告知では、ChatGPTとの連携は今後の案として挙げられていました。実際に使える会話画面、利用者向けの開始手順、対応言語や利用回数の案内はありません。したがって、発表時点でαと誰でも会話できたと説明することはできません。
画像を作る工程と、キャラクターとして返答する工程では、読者が確かめたい成果も変わります。前者なら公開画像や制作クレジット、後者なら動作するサービスと会話のルールが判断材料になります。さらに音声を加える場合は、声の提供元や使用範囲を別に見る必要があります。これらは本企画の実装を確認した説明ではなく、AIアイドルの発表を読む際の区別です。
例えば、画像に人物名やプロフィールが付いていても、その設定を会話で維持できるとは限りません。また、投稿を運営者が選んで公開する形と、利用者の入力に自動で応答する形とでは、内容確認のタイミングが異なります。αについてどの方式が採用されたかは、今回確認できた告知だけでは判断できません。
ラボ募集は完成品の提供開始を意味しない
当時のラボ募集は、実験を重ねながら企画づくりに関わる人を募るものでした。運営はファンの視点での参加を求め、公式サイトを応募先として案内していました。一方で、リリース本文には報酬、担当作業、参加期間、制作物の扱いなどの具体的な条件は示されていません。
ラボという名称だけで、正社員採用、制作業務の委託、無償コミュニティのいずれかに決めることはできません。関わり方が異なれば、画像や文章を渡す場面も変わります。自分の作品を提案する活動と、運営が依頼した成果物を納める仕事は、同じものとして扱わない方が整理しやすくなります。
もし今後新しい募集が出た場合、まず誰が何を制作し、どこに公開する企画なのかを読み取ることが大切です。制作途中のデータを共有するのか、公開後に実績として紹介できるのか、途中で参加をやめた場合に作品がどう扱われるのかも、作業の内容と結び付く確認点です。これは当時の参加契約を再現したものではありません。
商用利用の説明とファンの利用許可を混同しない
運営の発表には、使用するものは規約上商用利用が可能だという趣旨の説明があります。しかし、具体的な画像生成サービス名、モデル、適用した規約の版、制作時の編集工程は本文に載っていません。そのため、この説明を根拠にαの画像を誰でも広告やグッズへ転用できるとはいえません。
ここでは、制作側が生成ツールを使う条件と、完成画像を第三者が使う条件を分けます。運営が商用利用できるツールを採用したことと、閲覧者に画像の再配布や販売を許可したことは別の話です。二次創作や紹介記事への使用を考える場合は、用途に対応する許可の記載を探す必要があります。
文化庁のFAQでは、AIを用いた画像が著作物に当たるかは、人の創作意図や創作的寄与などを踏まえて個別に判断する考え方が示されています。「AI画像ならすべて権利がない」「生成者に必ず著作権が生まれる」という両極端な理解は適切ではありません。本件の制作過程を確認できていないため、αの具体的な権利帰属をここで判定することもできません。
たとえば公開画像を自分の配信チャンネルの看板にするなら、単に保存できたかではなく、その用途が認められているかが問題になります。加工すれば自由になるという前提も置かず、公式に示された利用範囲と、自分が行いたい使い方を照らし合わせることになります。
2026年時点で分かったこと、分からないこと
2026年9月27日の確認では、発表で案内されていたnot-betray.comは404を返し、企画の案内や応募フォームを取得できませんでした。過去のプレスリリースは閲覧できますが、それだけでは現在も同じ条件で参加者を募集している証拠にはなりません。
また、今回確認した公開情報からは、ChatGPT連携の正式提供、αの継続的な活動予定、企画終了を明示する公式告知を確認できませんでした。ページが開けない理由は移転や公開設定なども考えられるため、404という結果だけで事業終了を断定することは避けます。
OTAGROUPの会社サイトは別に存在しており、会社の情報と個別企画の状況を切り分ける必要があります。同社がほかのタレント事業を続けているとしても、それはαの活動継続を直接示すものではありません。本記事では旧応募先や古い連絡先を現在有効な申込窓口として案内しません。新しい告知が見つかった際は、発信元と対象企画、更新日を確認するところから始められます。
この企画をいま振り返る意味
NOT BETRAYの発表で特徴的なのは、完成した会話サービスを販売する前に、キャラクター像とファン参加による実験の方向性を示したことです。生成された見た目が入口になり、その先でどんな体験を提供するかは開発と運営の課題として残されていました。
新しいAIアイドルのニュースでも、制作クレジット、実際に利用できる機能、更新履歴を順に読むと、目指す姿と提供済みのものを区別できます。画像の完成度は視覚表現の評価材料になりますが、会話の品質や継続的な配信の実績まで同時に証明するわけではありません。
なお、この立ち上げ告知ではNFT販売、トークン発行、ウォレットを使う参加条件は案内されていません。AIキャラクターというだけでWeb3の所有権や投資商品に結び付ける必要はありません。本件は2023年のAIを使ったエンターテインメント企画の記録として捉え、その後の成果は追加の公式情報が確認できた範囲で評価するのが自然です。
よくある質問
Q. αは発表時からChatGPTで会話できましたか?
A. 連携は検討案として紹介されていました。一般利用できる対話機能の提供開始は、今回確認した資料では確認できません。
Q. 現在もラボに応募できますか?
A. 2026年9月27日時点で旧公式サイトは404でした。現在の募集や有効な応募フォームは確認できていません。
Q. AIで作った画像なので自由に使えますか?
A. 生成ツールの利用条件と公開画像の第三者利用条件は別です。AI画像という理由だけで転載・販売の許可があるとは判断できません。
この記事の出典
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




