▽ 要約
上場:WLFI保有の公開企業新設を計画
資金調達:目標15億ドル、主要投資家に打診
投票:7/16に取引解禁、賛成99.94%
ステーブルコイン:USD1は20億ドル取引で活用
World Liberty Financial(WLF)は、WLFIを保有する上場企業の設立と15億ドル調達を掲げて構造調整を進め、7月の投票可決でWLFIは取引可能化へ移行し、USD1の実需も広がる見通しだ。
計画の骨子と資金調達の狙い
WLFIを公開企業のトレジャリーに組み込み、株式市場の器で資金調達と投資家アクセスを同時に広げる方針のため、取引スキームは最終調整段階にある。
WLFはWLFIを保有する公開企業を新設し、約15億ドルを目標に増資・第三者割当等の手段を検討する。採用市場や上場時期は未公表だが、テック・クリプトの大口投資家に接触し需要形成を図る。
なぜ今か(制度・市場面)
退職年金口座などオルタナ資産へのアクセス拡大が進むため、制度的受け皿が整い始めた一方で開示と投資家保護の要件は厳格化が必要となる。
暗号資産の位置付け整理と年金マネーの受け皿拡大は、公開企業モデルによるエクスポージャー提供と整合的である半面、関連当事者取引やボラティリティ管理の説明責任が問われる。
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積み上がった原資
初期販売で約5.5億ドルを確保したため、公開企業での追加調達を重ねて事業スケールとバランスシート厚みの同時拡大を狙う。
初期は段階価格の私募で資金を蓄え、上場スキームにより残額を狙う計画だ。これにより暗号資産の保有・運用と既存の資本市場を橋渡しする。
WLFIトークン—設計、割当、取引解禁
非譲渡設計からの段階的解禁が可決されたため、価格発見と流動性拡大が進む一方でロック解除管理が重要となる。
WLFIは総供給1000億枚、初期販売は0.015/0.05ドルの二段階。7月16日に取引可能化提案が賛成99.94%で承認され、創業者・関係者割当は段階的ロックが前提となる。割当においてDT Marks DEFIは22.5%(225億枚)、トランプ氏個人は2024年末時点で157.5億枚を保有と開示された。
投資家の関心と割当の示唆
大量割当と個人保有の規模が明示されたため、ガバナンス参加と価格形成におけるインセンティブ整合が焦点となる。
トークンの大口保有は意思決定と市場流動性の両面で影響が大きく、ロック・解除・売却ルールの透明性が信用コストを左右する。
USD1ステーブルと外部提携
USD1は米国債等で裏付けられたドル連動設計のため、決済用途やDeFiボールトでの利用拡大が期待される。
USD1は大口投資取引の決済通貨としての活用例が示され、ヘッジファンド等と組んだボールト運用(Euler・Lista等)も公表済みで、WLFIエコシステムのインフラ通貨として位置付けられる。
投資家動向
著名投資家や中東系ファンドの購入が確認されたため、地域・主体の多様な資金が流入しやすい地合いが生まれている。
TRON創設者の大口購入やUAE系ファンドの1億ドル取得など、象徴的なフローが積み上がり、次段の公開企業スキームに弾みをつける。
▽ FAQ
Q. WLFIの上場企業計画は何を目指す?
A. WLFIを保有する公開企業を新設し、約15億ドルの追加調達で投資家のアクセス経路を広げる。
Q. 取引解禁はいつ決まった?
A. 2025年7月16日に可決され、非譲渡設計から段階的に取引可能へ移行した。
Q. トランプ側の割当・保有は?
A. DT Marks DEFIに22.5%(225億枚)、トランプ氏個人は2024年末で157.5億枚の保有が示された。
Q. USD1の実需は広がっている?
A. 20億ドル規模の投資取引での採用例が示され、DeFiボールトでも運用が進む見込み。
Q. 既調達額の規模感は?
A. 2025年3月時点でトークン販売による約5.5億ドルの積み上げが報じられている。
■ ニュース解説
WLFはWLFIを保有する公開企業の設立と約15億ドルの調達を目指し、7月16日の取引解禁可決と初期販売で約5.5億ドルを積み上げた流れを受けてモデルが台頭したため、機関投資家の参入余地は広がる一方で利益相反・規制適合・情報開示の厳格化が不可欠となる。
投資家の視点:①上場会社の保有方針・会計とロック解除設計、②関連当事者取引と内部統制、③USD1の準備資産・監査体制、④制度・規制の進展を継続確認。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:Bloomberg,reuters,worldlibertyfinancial)