バリュークリエーションのビットコイン売却・再購入

▽ 要約

タイムライン|8/14に22.36BTCを売却し、8/20に6.16BTCを約1億円で再購入
リスク管理|高値圏で益出しのため、資産効率と価格変動回避を優先
比較軸|他社は長期保有が主流で、同社の短期売買は例外的

相場が加熱した8月中旬、バリュークリエーションは保有BTCを全量売却後に一部を買い戻しました。本記事はバリュークリエーション ビットコイン 売却 再購入の事実と背景を整理し、数量・単価・会計処理、国内外の反応、他社比較から意思決定を読み解くことで、読者の判断材料を提供します。

何が起きたか──取引の全体像

BTCが8/14に史上高更新直後の高値圏だったため、同社は22.36009BTCを売却して約5,200万円の益を確定し、8/20には約1億円で6.16399BTCを取得した。
同社は以前から「余剰資金の一時運用として暗号資産を活用し、必要に応じて換金する」方針を示しており、今回もその延長線上の判断といえる。売却益は2026年2月期第2四半期の営業外収益に計上予定で、ガバナンス面では四半期ごとに評価損益を開示する運用が示されている。

数量・単価・約定金額

売却は平均1,715万2300円で22.36009BTC、再購入は平均1,714万1970円で6.16399BTCだったため、成立価格の差は限定的だった。
当該週のBTC/JPYは17.3万〜18.2百万円のレンジで推移し、8/20終値は約1,678万円と急変動は回避された。

表1|バリュークリエーションのBTC売却・購入(開示ベース)

日付内容BTC枚数平均価格(円)金額(円)
2025/8/14売却22.3600917,152,300―(売却簿価 334,499,374)
2025/8/20購入6.1639917,141,970105,662,929

※売却金額は簿価334,499,374円+売却益5,200万円≒約386,499,374円と推定。

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市場・投資家・メディアの反応

同社の全量売却は国内メディアの週報でも関心が高く、個人投資家掲示板では「買い増し期待」と「慎重姿勢」が併存した。一方で米国ではStrategy(旧MicroStrategy)が押し目買い継続を示唆し、企業のBTCトレジャリー拡大を背景に強気姿勢を崩していない。

国内の評価

国内暗号資産メディアは、価格変動リスク抑制と資産効率化を重視した判断として位置づけたため、短期の資金効率とリスク管理を評価する論調が目立った。
また、個人投資家コミュニティでは分散的な買い入れを求める声と、仮想通貨に積極的な企業株は避けたいという慎重論が見られ、見解の相違が浮き彫りになった。

海外動向との対比

Strategyのマイケル・セイラー氏は「過去半年でBTC保有企業が約60社から160社へ拡大」と指摘し買い場認識を示したため、米欧は企業トレジャリーが拡大基調にある。
一方で中国本土は依然として暗号資産取引を禁止しており、地方政府が押収資産の処分を検討・実施する報道も見られるなど、地域差が鮮明だ。

同業他社との比較──例外的な短期売買

国内ではメタプラネット(3350)が2025年8月に775BTCを追加取得し、保有を18,888BTCまで積み増したため、長期一括保有・買い増し型が主流である。
バリュークリエーションのように高値圏で益出し後に素早く一部を買い戻す「トレーディング型」は例外的で、流動性確保と価格リスク回避の利点がある一方、上昇相場の取り逃しという機会コストが課題となる。

今後の方針と開示姿勢

同社は余剰資金の範囲で暗号資産を活用し必要に応じて換金するため、機動的な売買を続ける余地がある。
あわせて四半期ごとの評価損益開示を継続する見通しで、透明性の維持と資本効率の両立が注目点となる。

▽ FAQ

Q. いつ、どれだけ売却・再購入した?
A. 2025年8月14日に22.36009BTCを売却し、8月20日に6.16399BTCを105,662,929円で再購入しました。

Q. 売却益はいくら計上される?
A. 営業外収益として約5,200万円を2026年2月期第2四半期(6–8月)に計上予定です。

Q. 平均単価はどの程度だった?
A. 売却は1,715万2300円、再購入は1,714万1970円で、短期の価格差は限定的でした。

Q. 他社と比べて何が違う?
A. メタプラネットは8月に775BTCを買い増し保有18,888BTCへ、同社は短期売買で流動性を優先しました。

Q. 市場の地合いは?
A. 8月14日にBTCは124,002ドルで史上高を更新、BTC/JPYは17.3〜18.2百万円で推移しました。

■ ニュース解説

BTCが8/14に史上高を付けたため、同社は保有22.36BTCを益出しで現金化し、相場が落ち着いた局面で6.16BTCを買い戻した一方で、長期上昇局面の取り逃しリスクも残る。
投資家の視点:①一次開示(数量・単価・会計処理)の継続確認、②キャッシュ需要と売買の整合性、③価格ボラティリティと機動的売買のリスク管理、④長期保有方針の明確さ――を観察するのが無難です。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:バリュークリエーション