▽ 要約
インフレ対策:金探鉱とBTC併用で価値保存を強化
資金調達額:Hamak247万ポンド、Bluebird200万ポンド無利子枠
市場反応 :発表直後に株価最大60%上昇も熱狂一過性リスク
トレンド拡大:他の小型金鉱・IT企業もBTC戦略へ波及
主な課題 :BTC価格変動・規制対応・本業停滞の三重リスク
英国金鉱企業の ビットコイン財務戦略 が投資家の注目を集めています。
金という伝統資産とデジタル資産ビットコインを併用すれば、インフレヘッジと資金調達の両立が可能――本稿ではその実像を解説し、読むことで市場評価と潜在リスクを一望できます。
Hamak Gold:247万ポンドでBTCを取得
割引増資で調達した資金を活用し、金探鉱とBTCの両立戦略を始動。
新株0.8ペンスで約3.1億株発行し247万ポンドを確保。資金の一部を即時ビットコイン購入に充当し、残額でギニア金探鉱を加速。カタール系ファンド参画によりガバナンス刷新も断行した。
投資家の反応と株価推移
発表翌日に株価+6%と小幅上昇にとどまる。
金価格の横ばいとBTC高騰期が重なり、評価はポジティブながら慎重姿勢も見られた。
Bluebird Mining Ventures:収益を「デジタル金」へ再投資
将来の金収益を段階的にBTCへ転換、長期保有で企業価値向上を狙う。
韓国・フィリピン案件のライフオブマイン利益をBTCへリサイクル。無利子ローン200万ポンドを確保し、100万ポンドを初期購入に充当。1,000万ポンド規模の増資計画と米OTCQB上場検討で海外投資家も取り込む構えだ。
劇的な市場反応
発表当日株価一時+60%と急騰。
前年約90万ドルの赤字からの復活劇が投機マネーを呼び、ビットコイン財務戦略が「起死回生策」と評価された。
業界全体への波及
小型金鉱・非資源企業を問わずBTC戦略導入が急増。
Panther Metalsが400万ポンド相当BTC取得目標、Smarter Web Co.は発表2 か月で時価総額8億ポンドへ急伸。短期的な株価ブームと評価の揺れを招いている。
背景にあるマクロ要因
高インフレと通貨不安が「金+BTC」併用を後押し。
BTCは2100万枚上限による希少性が評価され「デジタルゴールド」として浸透。企業は財務多様化と新規投資家誘致を目的に保有を拡大している。
リスクと課題
BTC価格変動・規制・本業停滞が三大リスク。
- 価格ボラティリティ:急落時に評価損が財務に直撃。
- 規制・会計:IFRSで公正価値評価義務化なら変動益損が即時反映。
- 事業集中リスク:資源開発遅延時に投機的と評価されかねない。
今後の展望
「実物資産×デジタル資産」モデルは拡大余地大。
銅・ニッケル開発企業の追随やETP未整備国での代替投資手段として発展する可能性。ただしガバナンスと透明性を両立できる企業のみが長期的評価を勝ち取る。
▽ FAQ
Q. Hamak GoldはいつBTC戦略を発表?
A. 2025年7月3日、割引増資と同時に公表しました。
Q. Bluebird MiningのBTC転換率は?
A. 金収益の大半を経費控除後に段階的100%へ近づける計画です。
Q. 株価上昇が続く保証は?
A. BTC相場と本業の進捗次第で下落余地も大きく、保証はありません。
Q. 最大の規制リスクは?
A. 英国会計基準変更とデジタル資産保有規制強化が直撃リスクです。
■ ニュース解説
今回の2社は「金鉱+ビットコイン」のハイブリッド財務戦略を掲げ、インフレヘッジと資金吸引を同時に狙った。株価は短期的に急騰したが、BTC相場次第で企業価値が大きく振れるため、中長期ではガバナンスとリスク管理が試金石となる。
(出典:coinspeaker,ainvest)