▽ 要約
ハイライト MEXC上場当日から急落、翌日に乱高下
バリュエーション ICO$0.08・FDV$4,000万で過熱評価
ベスティング VC5%即時解禁など売り圧集中の構図
価格推移 ATL$0.00766(8/27)→一時反発もROI0.3x台
Sunrise($RISE)上場直後の暴落はなぜ起きたのか——結論は「過大な初期評価×初期流通の売り手偏在×信認低下」の同時発生で、短期的に需給が崩壊したためだ。本稿はICO・FDV・ベスティング・流動性設計とUSDrise運用を一次情報で検証し、今後の留意点を解説す。
何が起きたのか(時系列と価格)
上場直後に想定外の急落が発生し、翌日にかけ乱高下したため、ICO参加者のROIは0.3x台と大きく毀損した。
2025年8月27日15:00 UTCにMEXCでRISE/USDTが上場。取引直後に下落が進み、27日の最安値は$0.00766(CryptoRankの履歴)。これはICO$0.08比で約-90%超の急落に相当する。28日には出来高を伴い反発し、$0.02〜0.03台での乱高下を確認。29日時点の市場価格は$0.02台半ばで、ICO比ROIは約0.31x(-69%)の水準にとどまる。FDVは初期$4,000万想定から、ATL時点で約$383万(初期供給5億枚基準)まで縮小した。
上場・初動と「最安更新」のメカニズム
初期流通量が限定される一方、売り手がプレセール参加者やVCに偏ったため、早期の利確・損切りが一方向に集中し、買板を一気に食い下がらせた。
MEXCのイノベーションゾーン上場はボラティリティが高く、マーケットメイク不在や買い支え不足が重なると、ストップを巻き込み短時間での価格崩壊を招きやすい。上場告知時点の注意喚起(高い変動リスク)は結果的に現実化した。
翌日のリバウンドと現在地
流動性が戻ると短期の逆張り資金が流入し、短時間で数倍の反発が生じたが、依然としてICOコスト$0.08を大幅に下回る。
反発局面でも供給・需要の不均衡は解消されておらず、短期筋主導の値動きが続きやすい。持続的回復には流動性深度の改善と継続的需要(実需)の裏付けが必要となる。
要因分析(評価・分配・信認・流動性)
高い初期評価と売り手の偏在に、流動性不足と機能不安が重なったため、短期の価格弾性が極端に高まった。
(1)過大評価:一般販売$0.08で約200万ドル調達、想定FDV$4,000万はローンチ初期の実需を上回った可能性。(2)分配設計:VCはTGEで5%解禁、3ヶ月ロック後12ヶ月線形。コミュニティ配布はTGE25%解禁等で、上場直後の売却可能者が相対的に安価取得層へ偏った。(3)流動性:初期の買板が薄く、下向きショックに耐性がなかった。(4)機能不安:手数料通貨USDriseはUSDN担保で1:1ミント/償還だが、上場直後は流通の薄さから一時的な市場乖離も生じ、チームは1:1ミントUIの案内や流動性補強で対応した。これらが複合し降下スパイラルを加速させた。
USDriseと手数料設計(PoL連動)
USDriseはUSDNと1:1でミント・償還でき、手数料はUSDriseで支払い、その一部がRISE買い→バーンに回るため、利用増加がRISE価値捕捉に接続する。
PoL(Proof of Liquidity)により、LPが獲得するvRISEがガバナンス・インセンティブ配分を決め、RISE/vRISEの二層構造でネットワーク安全性・流動性・手数料循環を統合。理論的には粘着的流動性を育むが、初期は絶対的な買い需要が不足すると価格は脆弱になりやすい。
トークノミクスとベスティングの実像
初期供給5億、供給上限10億、初年度インフレ上限10%の逓減設計で、エコシステム配分・コミュニティ配分・VC/開発者配分に厳格なロックと線形解放が敷かれている。
配分の主な条件は次の通り。コミュニティAirdrop6.8%(TGE25%解禁、残り6ヶ月ロック+24ヶ月線形)、コミュニティ貢献・助成30%(3ヶ月ロック+24ヶ月線形)、コミュニティラウンド1.5%(TGE100%)、エコシステム27.2%(TGE25%)、VC14.5%(TGE5%+3ヶ月ロック後12ヶ月線形)、初期コア開発20%(6ヶ月ロック+18ヶ月線形)。初期の売り圧は条件上VC/一般販売の一部に集中しやすい。
資金調達と出資者
シードは2025年6月に300万ドルを調達し、Animoca Brands Japan、gumi Cryptos、Hyperithm、Cogitent Ventures、Coincheckなどが名を連ねる。
公募は約200万ドル(5%=2,500万枚、単価$0.08)。総調達は一次情報とデータベースで3〜5百万ドル相当のレンジが確認でき、想定FDV$4,000万は初期の実需に対して強気な前提だった。
▽ FAQ
Q. MEXCでの上場時間とペアは?
A. 2025年8月27日15:00 UTCにRISE/USDTが開始、告知は8月25日公開。
Q. ICO価格と現在のROIは?
A. ICO$0.08に対し、8月29日時点$0.02台で約0.31x(-69%)水準。
Q. トークン供給とインフレ設計は?
A. 初期供給5億、上限10億、初年度インフレ上限10%で年8%逓減。
Q. VCとコミュニティのロックは?
A. VCはTGE5%解禁後3ヶ月ロック+12ヶ月線形、配布はTGE25%解禁等。
Q. USDriseの役割は?
A. 手数料通貨でUSDNと1:1ミント・償還、一部がRISEバーンに連動。
■ ニュース解説
上場当日(8/27)に急落し翌日反発したため、ICO$0.08前提の評価は修正され、FDVは一時$400万弱まで縮小した。背景に高い初期FDV・売り手の偏在・買板の薄さがあり、一方でUSDriseの1:1ミント案内やPoL設計での循環強化は中長期の是正要因となる。
投資家の視点:①新規銘柄はFDVと初期流通の関係を精査(売り手の質と解禁率)②手数料通貨やバーン連動など価値捕捉の現実性③上場先の流動性とMM体制④価格急変時のUI/償還導線の整備状況を確認。短期ボラは機能でなく需給で決まりがちだが、需給を規定する設計を読み解くことが有効。
※本稿は投資助言ではありません。