ストラテジー4,980BTC追加購入で市場波紋

▽要約

ストラテジー:社名変更後初の大型買い
購入額5.3億ドル、戦略株調達
ビットコイン10.8万ドル台まで上昇
同月機関計1.8万BTC買いの一端
専門家は強気と慎重論が交錯

2025年6月末、旧MicroStrategyのストラテジーは4,980BTC(約5億3,190万ドル)を追加購入したとSECに届け出ました。本稿では①企業背景、②取引手法、③市場インパクト、④他社動向、⑤専門家の声を総覧し、読者の投資判断を支援します。

ストラテジーとは

ストラテジーはBIソフト企業から「世界最大のBTC保有上場企業」へ転身した。
同社は2025年2月に社名変更し、70回超の買い増しで総保有約59.7万BTC、取得総額424億ドルに達しています。買い増し資金は普通株と優先株(STRK/STRF/STRD)をATM発行して機動的に調達する独自モデルです。

4,980BTC購入の詳細

6月23〜29日に約106,801ドル/BTCで4,980BTCを取得。
資金源はATMプログラムで発行したMSTR株と複数の優先株。中国メディアも「5.319億ドルを株式売却で捻出」と報じています。

BTC市場への影響

発表週にBTCは10.1万→10.8万ドルへ上昇し、強気ムードを後押し
同週Bitcoin ETFに22.2億ドル流入し、機関需要が価格を下支え。Bloombergは「同社保有分すべて含み益」とし、株価も最高値圏を指摘しました。

他社の大口購入とトレンド

6月は上場企業が計18,234BTCを取得し、ストラテジーが最大。
日本のメタプラネットは4,545BTCを追加、米ProCap BTCは3,724BTC、ブラックロックETFは8,000BTCを組み入れ、市場全体で“BTCトレジャリー戦争”が激化しています。

専門家・投資家の反応

強気派は「ETF資金流入が続く限り上昇」と見る一方、慎重派は「優先株調達モデルの長期リスク」を指摘。
トレーダーはCME先物ギャップやアルゴ売買の影響を注視。アナリストは「史上最高値更新後の調整局面に備えるべき」とコメントしています。

▽ FAQ

Q. ストラテジーは何社か?
A. NASDAQ上場の米ビジネス・インテリジェンス企業で、2025年2月に社名変更しました。

Q. 4,980BTCの調達原資は?
A. 自社普通株と固定利付優先株をATM発行し、約5.3億ドルを確保しました。

Q. 今回の買いで総保有量は?
A. 597,325BTCとなり、平均取得単価は約70,982ドル/BTCです。

Q. 市場価格への影響は?
A. 発表週にBTCは約7%上昇し、ETF流入も加わり強気が継続しました。

Q. 競合企業の動きは?
A. 6月だけで上場企業全体が約1.8万BTCを購入し、メタプラネットやブラックロックが後に続いています。

ニュース解説

本件は企業財務の暗号資産化が加速する潮流を象徴します。株式市場での柔軟な資金調達と暗号資産購入を組み合わせる「トレジャリースワップ」モデルは、ドル金利高の環境下でもキャッシュリザーブをアセット化する戦略として注目されます。もっとも、ビットコイン価格の高ボラティリティが企業B/Sを直撃するリスクは依然大きく、長期投資家は財務体質とヘッジ戦略を見極める必要があります。

(出典:strategy,bloomberg)