リップル(Ripple)社は、国際送金に特化したブロックチェーン技術を開発するアメリカ発のフィンテック企業です。同社が発行・活用する暗号資産がXRP。近年、リップル社とXRPは、アメリカ証券取引委員会(SEC)との訴訟や銀行・金融機関との提携ニュースを通じて大きな注目を集めています。
本記事では、
といったポイントを分かりやすく解説します。初心者の方はもちろん、投資家の方もぜひ最後までご覧ください。
リップル社(Ripple Labs)は、国際送金インフラの改革を目指して設立されたアメリカのフィンテック企業です。
もともとの発端は2004年、カナダのプログラマー・ライアン・フッガー氏が考案したオンライン決済システム「RipplePay」に遡ります。その後、2011年にアーサー・ブリット氏、ジェド・マカレブ氏、デビッド・シュワルツ氏らが開発したブロックチェーン基盤が、現行のXRP Ledger(エックスアールピー・レジャー)のもととなりました。
現在のリップル社は、グローバル送金ネットワークRippleNetの開発・提供を主軸とし、世界各地の銀行や金融機関と提携を進めています。リップル社は企業(中央集権的な組織)であり、XRPはそのネットワーク上で使われる分散型デジタル資産として位置づけられます。
XRPはリップル社がかかわって開発した、XRP Ledgerというブロックチェーン上で稼働する暗号資産です。ビットコインとの大きな違いは、あらかじめ最大供給量が決まっておりマイニングで新規発行されない点。また、合意形成アルゴリズムにフェデレーテッド・コンセンサスを採用しているため、ビットコインのようにマイナーが計算競争を行うわけではありません。
項目 | ビットコイン (BTC) | XRP |
---|---|---|
最大供給量 | 2,100万BTC (マイニング) | 1000億XRP (一括発行済み) |
合意形成 (コンセンサス) | PoW (マイナー計算競争) | フェデレーテッド・コンセンサス |
取引速度 | 数十分かかる場合あり | 数秒~数秒以内 |
手数料 | ネットワーク混雑時に高騰する | 0.00001XRP程度で超低コスト |
中央集権度 | 完全分散型 | 中央集権的とされる部分が残る |
主なユースケース | デジタルゴールド、価値保存 | 国際送金のブリッジ通貨、決済手段 |
XRPは国際送金での利用を想定した設計がなされており、“ブリッジ通貨”(異なる法定通貨同士を仲介する役割)としてのメリットが強調されています。例えば、日本円から米ドルへ数秒で変換・送金が可能になり、高い利便性と低コストを実現するのが強みです。
リップル社は、銀行や決済会社などの既存金融機関と連携して国際送金の効率化を目指しています。提供するネットワークがRippleNetです。
ただし、すべての銀行がXRPを直接利用しているわけではない点に注意が必要です。RippleNetのメッセージング機能のみ使うケースもありますが、為替コストが高い通貨間ではODL(XRP利用)の利点が大きく、導入する銀行が増加傾向にあります。
訴訟開始後、CoinbaseやBinance.USなど米国内取引所がXRPの上場廃止を決定し、米国でのXRP取引は大きく縮小しました。
この結果、XRPの法的地位が明確化し、特に米国市場での取引再開や金融機関による活用が進む下地が整いつつあります。
SEC訴訟の影響で米国でのXRP取引は一時激減しましたが、2023年7月の判決を機に再上場が相次ぎ、市場流動性も回復しています。さらに2025年には規制当局の方針転換も見られ、暗号資産市場により寛容な姿勢が広がる見込みです。
一方、暗号資産への規制は各国でまだ整備途上な部分が多く、新しい法案次第では再びXRPが証券扱いになるリスクも全くゼロではありません。今後も規制動向や国際情勢を注視する必要があります。
初心者や投資家は、こうしたメリットとデメリットを踏まえたうえで、余裕資金の範囲で段階的に投資を検討することが望ましいでしょう。
Q1. リップル社とXRPは同じものですか?
A. リップル社(会社)とXRP(通貨)は別物です。ただし歴史的に密接に関わっており、しばしば同じように扱われがちです。
Q2. なぜ銀行はXRPを使うのですか?
A. 従来の国際送金は日数とコストがかかるため、XRPによるリアルタイム送金が大幅な経費削減とサービス向上に繋がるからです。
Q3. SECの訴訟結果は?
A. 2023年7月、米連邦地裁が「XRP自体は証券ではない」と判断。最終的にSEC側の控訴断念によりリップル社の勝利が確定的となりました。
Q4. XRPとビットコインの違いは?
A. XRPは国際送金特化で高速・低コスト、ビットコインは価値保存や分散性重視。中央集権度も異なります。
Q5. XRPへの投資は安全? 将来性は?
A. 送金需要など実需が期待される一方、価格変動や規制リスクも大きいです。長期的視点・分散投資が基本となるでしょう。
Q6. XRPはどこで買えますか?
A. コインチェック、ビットバンク、GMOコイン、SBI VCトレードなど国内主要取引所で購入可能。初心者はまず国内取引所の口座開設から始めるとスムーズです。
リップル社(Ripple)は、銀行や金融機関との連携を通じて国際送金を改革するという明確なビジョンを持つ企業です。XRPは、その重要なブリッジ通貨として位置づけられ、ビットコインやイーサリアムとは異なる技術・コンセプトで世界中に利用者を広げています。
本記事を参考に、ぜひリップルとXRPの基礎知識を理解したうえで、将来の可能性とリスクをバランスよく見極めてください。最新情報や公式発表をチェックしながら、健全な投資判断を行いましょう。今後も、国際送金インフラの革新を追い風に、リップル社とXRPの進展から目が離せません。