10月クリプト総括:ATHと政策転機

▽ 要約

市場:BTCは2025-10-05に$125,415でATH、月末は$107k割れ
政策:FRBが10-30に0.25pt利下げ・12-01にQT終了
企業:Binance×PayPay40%出資、Bybitは10-31停止
制度:DEX包摂・米GENIUS法・JPモルガン担保受入

10月クリプト総括は、BTCの$125,415到達とFRBの利下げ・QT停止、国内のPayPay×Binance提携とBybit新規停止、香港Solana現物ETF上場が重なった月。
投資家が押さえるべき10月の結論は「ETFフロー主導のATHと政策転機の同時到来」である。BTCは2025-10-05に$125,415で史上高値を更新し、月末は利下げとQT停止示唆後の再評価で調整した。国内ではPayPayの40%出資とBybitの新規停止が“入口・規制”の地殻変動を示し、香港でSolana現物ETFが上場。10月クリプト総括として、価格・制度・企業の三層を一気に解説する。

市況総括

ETF純流入が続いたため、BTCは2025-10-05に$125,415でATHを記録し、その後は$107k〜$115kの往来でイベント消化となった。
10月前半は米現物ETFの週次+32.4億ドル流入が需給を締め上げ、BNBは$1,200でATH。中旬以降は米金利とイベントヘッドラインに反応しやすい地合いに変化し、月末はFOMC通過後の失望で$107k台割れも確認。清算は増減を繰り返し、VWAP付近の回帰とETFデータに視線が集まった。

レンジ・需給の見方

ATH後は現物買い主導の強含みが続いたため、短期は$107k〜$115kのレンジで“ETFフロー×金利”が方向感を決めやすい。
現物ETFの資金動向(IBIT/FBTC等)と先物OIの縮小・拡大、CEX入出金の鯨フローが拮抗。材料待ち局面では出来高の薄さがリバーサルを増幅し、イベント直後は板厚・スプレッドの悪化に注意。

規制・政策アップデート

FOMCが0.25pt利下げと12-01のQT停止を決めたため、流動性観測は緩む一方で追加利下げは既定路線でない。
英国は10-08に小口向け暗号ETN解禁、香港は10-27にSolana現物ETFを上場。日本は金融庁WGでDEX包摂・UI規制や内部者取引規制の導入方針が整理され、米国はGENIUS法成立後の実装フェーズに入った。

企業・資金調達・プロジェクト動向

国内はPayPayがBinance Japanに40%出資しオン/オフランプ短縮が進んだため、Bybitは10-31に日本の新規登録を停止して対照を成した。
JPモルガンは年内のBTC/ETH担保受入れへ踏み出し、Visaはマルチ・ステーブル対応を拡張。エコシステムではMetaMaskの報酬プログラム(Season 1:LINEA約$30M)と、香港のSolana現物ETF上場が話題を牽引。

日本:オン/オフランプと取引規制

PayPay×Binanceの資本・決済連携で“入口と出口”の摩擦が低下した一方、Bybitは日本居住者/国籍の新規登録を停止したため、国内ユーザーのオンボーディングは厳格化が進む。

関連:Binance Japan×PayPay資本提携40%出資

金融機関:担保・決済の前進

JPモルガンがBTC/ETHの担保受入れ計画を公表したため、低LTV・第三者保管を前提とする与信市場の裾野拡大が進む。カード決済側ではVisaの複数ステーブル×複数チェーンの清算対応が拡充した。

エコシステム:Solana・MetaMask

香港でSolana現物ETFが10-27に上場したため、オルタナ現物のアクセス経路が拡大。MetaMaskはSeason 1でLINEA約$30M配布を予告し、オンチェーン回遊の再活性化が期待される。

イベント

FOMC(10-30)での利下げとQT停止示唆を通過したため、米中会談(10-30)やPCEのインフレ指標と合わせて金利の再評価が進行。大型TGE/トークン販路やMegaETHの超過募集、JumpのSOL→BTCローテーションなど、資金移動の“点”が相場に影響した。

▽ FAQ

Q. 10月のBTC最高値と背景は?
A. 2025-10-05に$125,415(OKX表示)でATH。直前の米現物ETF純流入+9.85億ドルや週次+32.4億ドルが需給を締め上げた。

Q. FRBの決定が暗号資産に与えた影響は?
A. 0.25pt利下げと12-01のQT停止で流動性観測は緩和。一方で追加利下げ不確実で、月末は金利再評価の揺り戻しが出た。

Q. 国内の主要動向は?
A. PayPayのBinance Japan40%出資で決済接続が前進。Bybitは2025-10-31 21:00に日本の新規登録を停止。

Q. Solana現物ETFの初日情報は?
A. 2025-10-27にHKEX上場(ChinaAMC、コード03460等)。現物アクセスの新経路として出来高・乖離が注目点。

Q. 主要なセキュリティ事案は?
A. SBI Cryptoが自己資産約$21M流出(9/24観測・10/02公表)。顧客資産への直接影響は確認されていない。

■ ニュース解説

10月はETFフローの加速でBTCがATHに到達したため、月末の利下げとQT停止の“政策転機”を挟んで金利再評価による揺り戻しが発生した。一方で国内はPayPay×Binanceの提携とBybitの新規停止、国際的にはSolana現物ETF上場とJPM担保受入れが採用トレンドを後押しした。
投資家の視点:短期はETF日次フロー・清算・板厚を確認し、イベント直後はVWAP回帰と出来高復元を待つ設計が無難。中期は金利・DXY・実流動性の方向と、採用指標(ETF保有・カストディ・決済実装)を併読してポジションサイズと分散を厳格運用。

※本稿は一般的情報で投資助言ではありません。