10月10日暗号資産:中銀BTC示唆・Bybit UAE承認

▽ 要約

ドイチェバンク:2030年に中銀がBTCと金を準備資産採用の可能性
バイビットUAE:SCAのフル免許で同国初の完全認可取引所に
ビットコイン:一時12万ドル割れ、満期接近で短期ボラに注意
ETFフロー:四半期50〜100億ドルの恒常的流入で需給逼迫

投資家は「10月10日 暗号資産ニュース」で何が最重要かを知りたいはずだ。結論は、①ドイチェバンクが中銀のBTC採用可能性を示し、②BybitがUAEで初のフル免許を取得し、③BTCは12万ドルを一時割り込んだ、の3点である。本稿は各トピックの事実と数字を簡潔に整理し、相場解釈の足場を解説する。

中銀準備にBTC?ドイチェバンク報告の要点

世界的な脱ドル進行と機関資金の流入が続くため、2030年までにBTCと金が中銀バランスシートで併存する可能性が高まると指摘した。
ドイチェバンク・リサーチは、ボラティリティの低下、ETF承認後の流動性改善、固定供給、分散投資効果を評価し、金と並ぶ「現代の安全資産候補」としてBTCを位置づけた。一方で、FRBやECBなど主要中銀の採用は未定で、スイス中銀は準備資産としてのBTC採用を否定している。評価軸は流動性・信認・政策整合性であり、採用は段階的になる公算が大きい。

政策・税制アップデート(米上院公聴会)

小額決済の非課税枠やステーキング報酬の課税時期、ブローカー定義の線引きが議論されたため、個人決済利便と課税公平のバランスが焦点となった。
米上院財政委(10/1開催)では、200ドル程度の少額免税、取得時課税から処分時課税への見直し、安全港設計、DeFi等を含む広範な情報報告義務の是非などが俎上に載った。決着は今後の省令・立法に委ねられるが、実務的な安全港と報告簡素化が業界のキーテーマとなる。

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Bybit、UAEで初のSCAフル免許

UAEのSCAから完全ライセンスを取得したため、Bybitは同国初の完全認可暗号資産取引所となり、法定通貨接続と中東での展開が加速する。
当局のインプリンシプル承認(2025年2月)を経てフル免許に移行。現地では取引・カストディ・法定通貨入出金のフルスタックが整備される見込みだ。各社の域内進出が相次ぐなか、UAEは規制の明確性と市場アクセスで一歩先行した。Bybitは人員拡大(500人規模)計画も表明しており、プラットフォームの信認と流動性増に寄与する。

市場動向:BTC一時12万ドル割れとオプション満期

10月10日にBTCが一時12万ドルを下回ったため、11日前後のDeribit満期(総額約53億ドル、最大痛点11.7万ドル)が短期の値動きを左右した。
前日には12.2万ドル割れ場面もあり、オプションの建玉分布は11万〜12万ドル帯に集中。満期通過後は「最大痛点」からの乖離が拡大しやすく、逆行リスクとスプレッド拡大に注意が必要だ。出来高の薄い時間帯に流動性が低下しやすい点も、短期トレーダーは意識したい。

ETFフローで需給は構造的に逼迫

スポットETFは四半期50〜100億ドル規模の流入が続くため、2025年の機関買い(94.4万BTC)はマイナー供給(12.8万BTC)を大きく上回った。
ETF経由の恒常的需要は、発行量を上回る吸い上げを生み、保有の定着を促す。可視化された資金流は価格弾力性を高める一方、資金循環の弱まりが出た場合の逆回転も速い。指数連動・清算動態・期先の資金調達環境を合わせてモニターしたい。

▽ FAQ

Q. ドイチェバンクは何を示唆?
A. 2025年10月の報告で、2030年に中銀がBTCと金を準備資産化する可能性を示した。ボラ低下とETF流動性が根拠。

Q. BybitのUAE完全認可で何が変わる?
A. SCAフル免許で同国初の完全認可取引所に。法定通貨接続が広がり、アブダビ・ドバイ拠点の拡張計画も進む。

Q. 10月10日のBTC下落はどの程度?
A. 一時12万ドル割れ。前日も12.2万ドルを下回り、Deribit満期(約53億ドル)の建玉偏りが短期ボラを高めた。

Q. ETF資金の規模感は?
A. 四半期50〜100億ドル流入が続く。2025年の機関買い94.4万BTCに対し、新規供給12.8万BTCで需給逼迫が続く。

■ ニュース解説

10月10日は「中銀準備にBTC併存の可能性」「BybitのUAE完全認可」「BTC一時12万ドル割れ」が同時に進んだため、マクロの採用物語とミクロの需給・満期要因が交差した。
投資家の視点:ETF主導の需給は強いが、満期・清算に伴う短期変動は避けにくい。スタンスは、①期日イベント前後のレバレッジ抑制、②現物・先物・オプションでの下方ヘッジ、③規制・ライセンス進展のカバレッジ強化、④ドル・金・BTCのクロス資産での相関転換を随時検証、が一般的だ。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PayPay,Binance Blog)