▽ 要約
ファンド動向:OPERSがStrategy株を21,499株買い増し、保有は10万株超
マーケット影響:ビットコイン間接保有拡大で強気シグナル
資金規模:OPERSは1,556億ドル運用、米公共年金14位
株価推移:Strategy株は年初来+40%、第3四半期も堅調
リスク視点:優先株発行依存とBTC価格変動が双刃の剣
Strategy 株式を保有する意味は何か──米国屈指の年金基金OPERSは2025年第2四半期に同株を2万株超追加し、保有比率を引き上げた。結論として、大型機関がビットコインへの間接エクスポージャーを高める流れが加速している。本記事では増持の背景と市場インパクトを整理し、投資家が得られる示唆を解説する。
OPERSのStrategy株増持概要
OPERSはビットコインを直接保有せずStrategy経由でリスクを取った。
取得規模と保有比率
第2四半期に21,499株を追加し、期末保有は101,880株。総発行株数に対する比率は約0.8%に上昇した。年金基金としては珍しく暗号資産関連株に明確なポジションを持つ点が注目される。
購入動機
- 分散投資強化:1556億ドルの運用資産を多角化。
- ビットコイン間接投資:直接保有に伴うカストディ・規制コストを回避。
- 高ベータ戦略:BTC相場が強気局面にある間、株価上振れが期待できる。
Strategy社のビジネスモデル
優先株調達でBTCを買い増し、株価はBTCのレバレッジ商品化している。
優先株発行による資金調達
同社は22年以降、複数回にわたり優先株を発行。調達額を全額ビットコイン購入に充当し、累計保有は60万BTC超。資本コストは配当5〜7%と推定されるが、BTC含み益がそれを上回る限り戦略は機能する。
株価パフォーマンス
2025年上半期+40%、第3四半期序盤も+4.7%。BTC価格の変動に対し概ね1.5〜2倍の感応度を示しており、株式投資家にとっては“レバレッジ付きBTC”として取引される傾向が強い。
市場インパクトとリスク
機関投資家の流入は市場の信頼性を高める一方、BTC急落時の下方リスクも大きい。
強気材料
- 年金基金が暗号資産関連株を選好
- ビットコインETF承認期待が継続
- マクロ環境:米利下げ観測でリスク資産選好
留意点
- Strategyの財務はBTC価格に強く依存
- 優先株配当負担が高止まりすると希薄化リスク
- 規制変更で年金基金の保有制限が強化される可能性
▽ FAQ
Q. OPERSはなぜStrategy株を増持したのか?
A. ビットコインへの間接エクスポージャーを高め、1556億ドルを運用する年金基金の分散投資を強化するため。
Q. 増持後のOPERSの保有株数は?
A. 2025年6月末時点で101,880株となり、第2四半期に21,499株を追加しました。
Q. Strategy株の今年の株価騰落率は?
A. 上半期は+40%、第3四半期序盤はさらに+4.7%と報じられています。
Q. Strategy社が資金調達に使う手段は?
A. 同社は優先株を発行し、その資金を全額ビットコイン購入に充てています。
Q. 今回の増持は市場にどんな影響を与える?
A. 機関投資家による“ビットコイン間接投資”が広がる兆候として強気材料と受け止められています。
■ ニュース解説
OPERSの増持は、伝統的年金基金が暗号資産関連株式を資産配分に組み込む動きを象徴する。直接の仮想通貨保有は規制・管理コストが障壁となるが、Strategy株はレバレッジ型ビットコイン投資として機能しやすい。この流れが他の公共年金にも波及すれば、暗号資産市場のボラティリティは高まる一方、制度資金の受け皿としての成熟度が上がる可能性もある。
(出典:巴伦周刊)