▽ 要約
終結:双方が控訴を取り下げ、訴訟は正式終結
判決確定:罰金1億2500万ドルと差止命令は維持
市場影響:発表後にXRPは3ドル台で上昇
制裁略史:取引所販売は非証券、機関販売は違法
本件は「SECとリップルの控訴取り下げで係争が終結」し、2023年の部分判決と2024年の最終判決が確定しました。
読者の疑問「最終的に何が正義だったのか/価格は?」に対し、機関向け販売は未登録証券、取引所での販売は非証券が最終的な結論であり、XRPは発表後に上昇しています。
この記事では、経緯・判決要点・多言語報道の突合・価格インパクトを一気に把握できます。
■ 何が起きたか:控訴の相互取り下げで正式終結
2025年8月7日、SECとリップルは各自の控訴・クロス控訴を共同で取り下げ、各自が費用を負担することで合意し、事件は終結しました。根拠は第二巡回控訴裁へ提出された共同却下申立書です。
日本語・英語・スペイン語の報道も同旨で、「5年に及ぶ訴訟が終了」と整理しています。
■ 最終的に何が確定したか:販売形態で証券性が分かれる
取引所でのプログラム的販売は非証券、機関投資家向けの直接販売は有価証券の未登録提供という2023年7月13日の部分判決が最終確定。
2024年8月7日の最終判決では、民事罰金125,035,150ドルと恒久的差止命令が科され、SECの巨額請求は大幅減額されたものの、差止めは維持されました。
■ 和解模索と却下:「差止削除+罰金半減」案は退け
2025年6月26日、両者が合意した減額・差止解除の道筋は、トーレス判事により退けられました。判事は最終判決の公的利益を強調し、「遵法命令(obey‑the‑law injunction)」の撤回は相当でないと指摘。
その結果、控訴審で争うよりも、双方が控訴を引き下げ地裁結論を確定させる道が選ばれました。
■ 規制・政策の地合い:SECの執行姿勢の変化も追い風
政権交代後、SECは複数の暗号系訴訟・調査を取り下げており、本件も“幕引き”の流れに合致。。
■ 価格への影響:不確実性解消で上昇、3ドル台維持
発表直後、XRPは約5%上昇し3.27ドル前後(執筆時3.31ドル)と3ドル台を維持。。
中期的には、2025年7月に3.5~3.6ドル台まで上伸し2018年高値(データ差あり、約3.40~3.84ドル)に接近・更新との報道が並立。
イベントドリブン要因として、UXRP(2倍レバの先物ETF)上場も資金流入の導線になりました。
価格ドライバーの整理(定量・定性):
- レギュラトリー・クラリティの進展=リスクプレミアム縮小(終結で米国内の法的不確実性が低下)。
- プロダクト面の資金導線=UXRP上場で投機・ヘッジ需要の受け皿が拡大。
- 需給・センチメント=短期はヘッドライン敏感、3.0~3.3ドル帯での攻防。(国内分析)。
■ 業界への意味:「販売形態で証券性が分かれる」判例が残る
流通市場での販売は非証券・機関向け直接販売は違法という実務上の線引きが明瞭化。米取引所の上場判断・プロジェクトの資金調達設計に直接的指針を与えます。
■ ETF・制度と今後:先物系ETFは可動、現物は慎重
UXRP(2x、先物連動)がNYSE Arca上場。一方、現物型は審査・市場環境待ちの段階です。
▽ FAQ
Q. 今回の正式終結はいつ、なぜ確定?
A. 2025年8月7日に第二巡回へ共同却下申立書が提出され、双方の控訴が取り下げられ確定。費用は各自負担です。
Q. 何が最終的に「残った」?
A. 2023年判決の結論と2024年最終判決。機関販売は違法、取引所販売は非証券。罰金1.25億ドルと差止命令が維持。
Q. 価格はどう動いた?
A. 発表後に約5%上昇し3.27~3.31ドルで推移。7月には3.5~3.6ドル台の高値圏に到達との報道も併存。
Q. なぜ和解案は退けられた?
A. 最終判決の公的利益が優先され、差止削除・罰金半減は相当でないと裁判所が判断したためです。
Q. 今後の規制実務への影響は?
A. 販売形態での証券性分岐が確定し、米国での上場・販売設計、開示の在り方に実務的な前例を提供します。
■ ニュース解説
最終的に「販売形態で線引き」の判示と罰金1.25億ドル+恒久的差止が残り、法的不確実性は大幅に低下。控訴リスクが消えたため、価格はイベント・リスクプレミアムの縮小で押し上げられました。。
行動の考え方(一般論):
- 短期:ニュース消化後は3.0~3.3ドル帯での攻防が目安。新材料(例えば現物ETF審査や米規制指針)でトレンドが変化。
- 中期:UXRP等の受け皿でレバレッジ資金が出入りしボラティリティ拡大。資金管理・逆行時の損失制御を優先。
- 長期:判例確定=規制の明確化で、採用・実需の進展が基礎価値に反映されやすい環境に。
※本解説は投資助言ではありません。暗号資産は価格変動・流動性・規制変更のリスクを伴います。
(出典:BeInCrypto Japan,CourtListener StorageCoinDesk,U.S. District Court)