▽ 要約
追加購入:BTC1234枚を約193億円で取得
保有総数:1万2345枚でテスラ超え7位へ
投資戦略:円安ヘッジと「1株当たりBTC最大化」
市場反応:株価は発表当日に5%下落
今後計画:26年末21万BTC目標、買い増し継続
メタプラネット ビットコイン追加購入は、なぜ投資家の耳目を集めるのか。──それは同社が国内上場企業として初めて、ビットコインを企業価値向上の中核に据えたからだ。テスラを抜いて世界7位に躍り出た今回の買い増しは、円安ヘッジと株主価値最大化を狙う“日本版マイクロストラテジー”戦略の表れである。この記事では追加購入の詳細、他社比較、市場の反応を整理し、読者が次の投資判断に活かせる情報を提供する。
追加購入の概要と金額
1234枚を一括取得し、総額192億円が投じられた。
2025年6月26日、メタプラネット(東証スタンダード:3350)は平均1BTC=1561万7281円で1234BTCを取得し、保有枚数は1万2345BTCに達した。累計取得額は約1757億円に膨らみ、財務の中心には法定通貨よりもビットコインが位置付けられている。
投資戦略:円安ヘッジと株主価値最大化
弱い円をBTCへ転換し株主価値を高める。
決算短信には「円価値の希薄化を回避し、1株あたりBTC保有量の最大化を図る」と明記。CEOサイモン・ゲロヴィッチ氏はSNSで「テスラを超えた」と発信し、長期保有方針を強調した。
目標枚数「21万BTC」へのロードマップ
2026年末までに21万BTCを掲げる“555ミリオン計画”では、ホテル事業利益と希薄化最小の増資で資金を確保すると説明している。
他上場企業との保有比較
テスラを上回り、上場企業7位に浮上。
BitcoinTreasuriesによれば、上位はMicroStrategy (59万BTC)、Marathon Digital (4.9万BTC) など。メタプラネットの1万2345BTCはテスラの1万1509BTCを抜き、保有量は世界7位
市場の反応と株価推移
短期的な利確売りで株価は▲5%。
発表当日の終値は1509円(前日比▲5%)。週初にはストップ高をつける場面もあったが、BTC相場軟調を映し利益確定が優勢となった。
リスクと今後の注目点
BTC価格依存度の高まりが最大リスク。
保有比率拡大に伴い、価格下落は純資産へ直撃する。資金調達コストとBTCボラティリティの管理が今後の成否を分ける。
▽ FAQ
Q. メタプラネットはなぜBTCを主要資産に?
A. 円安・インフレから企業価値を守り、株主価値を高めるためと説明。
Q. 今回の平均取得単価はいくら?
A. 1BTCあたり約1561万円。
Q. 保有枚数はどの位置?
A. 上場企業として世界7位、国内では首位。
■ ニュース解説
メタプラネットの動きは、日本企業の資金運用に「ビットコイン」という第三の選択肢を示した点で画期的だ。外貨建てではなく暗号資産建てで準備資産を積み上げる戦略は、為替と貨幣価値の変動が激しい局面で注目度を増す。一方、財務基盤がBTC価格に大きく依存するため、相場急落時のバランスシート健全性が新たな焦点となる。
(出典:東証データ,BitcoinTreasuries,X,メタプラネットIR,cryptopotato)