▽ 要約
ハイライト:2025/8/7、政治的動機のディバンキング禁止を発令。
規制変更:評判リスク排除、120–180日で調査・是正を指示。
業界影響:仮想通貨企業の口座確保と大手行の連携加速に追い風。
銀行反応:「政治で閉鎖していない」が、明確化を歓迎。
多言語視点:米=政治文脈強調、中・韓=事実中心の報道傾向。
本大統領令は“政治的・宗教的理由”や“合法事業の嫌悪”に基づく口座拒否を明確に禁じ、監督当局に調査・是正と評判リスクの排除を命じた。EO本文とWH発表、主要メディア報道が一致しているためだ。
読者の疑問「暗号企業の銀行口座は改善するのか?」に対して、結論は「アクセスは改善方向」。直近ではJPMorgan×Coinbase提携など“銀行の受け入れ”が可視化している。
大統領令の要点(Guaranteeing Fair Banking for All Americans)
ディバンキング禁止・過去事例の洗い出し・評判リスクの撤廃・救済と包括戦略を明示。具体の期日と所管まで規定される。根拠はEO本文・WHファクトシート・ロイター速報。
- 発令日と目的:2025年8月7日に署名。政治・宗教・合法事業を理由とする拒否を禁じ、公平な銀行アクセスを保証。
- 評判リスク(Reputational Risk)の排除:監督・検査からの除外を各庁に指示。180日でマニュアル改訂・訓練等を要求。
- 過去の不当事例の調査:120日などの期限で各庁が所管金融機関を洗い出し、違反は罰金・同意命令・司法省付託。
- 救済措置:SBAプログラム参加行に対し、過去の不当停止顧客の復帰努力を通知・報告させる。
- 定義明確化:「政治化された/違法なディバンキング」を“非金融的要因に基づくアクセス制限”と定義し、FSOC構成庁+SBAを対象に措置。
背景:Operation Choke Pointと「評判リスク」論争
2010年代の“チョークポイント”批判と評判リスクの恣意性が下敷き。FRBは2025/6/23に評判リスクを監督から削除し、今回のEOで横串が通る。
- OCPの残響と政争化:保守側は銃・化石燃料・暗号などが不当に排除と主張。APはこの経緯を中立に整理。
- FRBの先行措置:2025/6/23、FRBが評判リスク削除を正式公表。OCC等の動きとも整合。
- FIRM法案などの立法:Tim Scott主導のFIRM Actが評判リスク排除を明文化、委員会通過済み。
仮想通貨業界:実務的な追い風
銀行アクセス確保が進む見込み。JPMorgan×Coinbaseのカード入金・USDCポイント連携・口座連携(段階導入)など、大手の参入が現実化。
- JPMorgan×Coinbase:2025年秋にクレジットカードで口座入金を解禁、2026年に口座連携・URポイント→USDC。
- 他行の動き:PNC×CoinbaseもCaaSで売買・保管提供を発表。
- 市場帰結:EOは違法行為を保護しないが、合法企業の口座確保を後押し。監督の明確化はオンボーディング摩擦の低減に資する。
銀行業界:公式反応と論点
銀行団体は政治的閉鎖を否定しつつ、規制過剰の是正と明確化を歓迎。評判リスクの撤廃は長年の要望。
- 共同声明:「規制の行き過ぎと裁量が障害だった。明確化を歓迎」。BPI/ABA/FSFほか。
- “政治的理由ではない”主張:AML・制裁・与信要因の判断と説明。ロイターは評判リスクの影響を整理。
- 実務への含意:政治要因の排除は、与信・AML等の金融リスク判断の厳密化を逆に促進。
法的・経済的影響:今後の見取り図
行政命令は庁への拘束力を持ち、短期で検査・資料提出が増える。ECOA等の適用・付託の可能性も指摘。S&CやAPが整理。
- 執行:120/180日の工程でガイダンス改訂・検査訓練・違反是正。
- リスク管理:主観的な“評判”を排し、定量・実体リスクに軸足。監査証跡の整備が必須。
- 経済波及:高リスクと見做された合法業種(暗号・銃・エネルギー等)で資金流動性の改善が見込まれる一方、与信審査の厳格化も。
海外主要メディアの論調(米・中・韓の比較)
米=政治文脈強調/中=事実列挙/韓=速報・実務整理の色分け。各国主要媒体の扱いに差が出た。
- 米国(Politico/AP/Reuters):保守層の不満と評判リスク撤廃を軸に政治的含意を強調。
- 中国(新浪財経など):トランプの銀行批判と銀行側の反論を並置。
- 韓国(Global Econo等):WSJ草案の骨子やSBA含む措置の要点を整理。
▽ FAQ
Q. 発令日は?何が禁じられた?
A. 2025/8/7、政治・宗教や合法業態を理由にしたディバンキング禁止と調査・是正が命じられた。
Q. “評判リスク”はどうなる?
A. 監督・検査で考慮不可に。FRBは6/23に削除発表、EOが横断的に徹底させる。
Q. 実務の期限感は?
A. 120〜180日で調査・マニュアル改訂・訓練等。違反は罰金やDOJ付託も。
Q. 仮想通貨には何が起きる?
A. 銀行口座・決済アクセスが改善方向。JPM×Coinbase等で購入手段も拡充。
Q. 銀行の裁量は残る?
A. AML/与信等の実体リスクに基づく拒否は可。非金融要因の排除が狙い。
■ ニュース解説
今回のEOは、(1)非金融的要因の排除(評判リスク撤廃)、(2)過去の是正と救済、(3)財務省主導の包括戦略で、監督の客観化とアクセス平等を強く打ち出した。一方、違法行為や実体リスクは従来どおり厳格に扱われる。
投資家としての示唆:短期は暗号・フィンテックや関連決済銘柄にセンチメント改善、大手行の新サービス(カード入金、ポイント→USDC等)でエコシステム拡大が想定される。中期は銀行側のKYC/AML高度化・審査厳格化が進み、優良なオンボーディング体験を持つ事業者が相対的に有利。(投資助言ではありません)
(出典: ReutersFederal Reserve, Federal Reserve,G-Enews)