▽ 要約
投資方針転換:CNBは外貨準備収益を高めるため株式比率を拡大。
異例の暗号株:中央銀行のCoinbase株新規取得は欧州初の試み。
市場への波及:ビットコイン正統性向上で価格心理を押し上げ。
株価動向:S&P500組入れ後1か月でCoinbase株は約60%急騰。
今後の注目:他国中銀への波及と規制整備の進展が鍵。
チェコ中央銀行 コインベース株購入――「中央銀行なのに暗号資産関連株?」と驚いた読者も多いだろう。本記事ではその真意と影響を端的に示す。結論は、外貨準備運用の多様化とインデックス連動戦略の結果としての取得だ。読み進めれば、暗号資産市場の制度化が一歩進んだ理由と投資家が得られる示唆が明確になる。
CNBの投資方針転換
CNBは収益性を高めるため株式投資を拡大してきた。
- 2017年に準備金を「流動性」「投資」へ二分し後者で株式・金を増やした。
- 2025年Q2、米株ポートフォリオは約128億ドルへ拡大。
サブトピック:金・株式シフトの経緯
株式保有比率は総裁アレシュ・ミフル氏就任(2022年)後に加速。AI関連Palantir株も80%高騰を捉え追随買い。
暗号資産企業株取得の歴史的意義
中央銀行による暗号資産関連株の直接保有は極めて異例であり象徴的。
- 主要中銀の多くは国債・金が中心。
- ECBは暗号資産準備を否定的に評価。
サブトピック:政策的リスクと革新のバランス
ミフル総裁はビットコイン研究を推進しつつ、まずは間接投資でリスクを制御。
ビットコイン・仮想通貨市場への波及効果
官製マネーの流入期待が市場心理を改善し、ビットコイン史上高値更新を後押し。
- 「中央銀行も関与」のニュースが正統性を強化。
- 将来の公的機関保有シナリオが現実味。
サブトピック:間接エクスポージャーの広がり
CNBはテスラ株も保有しMicroStrategyがS&P500採用なら露出拡大。
Coinbase株の足元パフォーマンス
Coinbase株はS&P500採用と暗号資産相場回復で1か月60%上昇した。
- 2025年上半期+41%、指数平均+5.5%を大幅アウトパフォーム。
- 取引所買収やデリバティブ拡張で成長加速。
今後の展望とリスク
市場の鍵は規制整備と暗号資産相場の持続だ。
- 米SEC訴訟など法的リスクはなお残る。
- 中央銀行の追加投資が波及すれば安定性向上も期待。
▽ FAQ
Q. チェコ中央銀行はなぜCoinbase株を買った?
A. S&P500連動ポートフォリオに組み入れる過程で新規取得し、準備金の収益向上を図ったため。
Q. 購入額はどのくらい?
A. 2025年第2四半期報告で51,732株、約1,800万ドルと公表。
Q. 他の中央銀行も暗号株を持っている?
A. 現状では報告例がなく、欧州ではチェコが初と見られる。
Q. ビットコイン価格への直接効果は?
A. 金額は小さいが中央銀行の関与が心理面を支え、正統性を高めた。
Q. 今後ビットコインを準備資産にする可能性は?
A. 理事会で調査中だが時期や規模は未定。
■ ニュース解説
本件は、中央銀行の安全運用原則に挑む試金石である。外貨準備の一部を株式、それも暗号資産関連へ振り向けたことは、市場構造変化に対応した資産多様化の現れだ。一方で、規制・ボラティリティの高い領域への公的マネー投入には慎重論も根強い。CNBの結果が追随ケースの成否を左右し、市場制度化のスピードに影響を与えるだろう。
(出典:beincrypto,reuters,cnb)