Bybitでコスプレトークン上場廃止、価格急落

▽ 要約

バイビット判断 :2025年7月7日、COT含む複数銘柄の上場廃止を告知
マーケット影響 :発表後24時間でCOTは40%急落、ピーク比99.7%安値更新
背景要因    :流動性枯渇・実需不足・過度なインフルエンサーマーケ
投資家への示唆 :ファン系トークンは実需と開示が鍵、早期撤退判断が重要

冒頭導入

コスプレトークン 上場廃止──このニュースは「国内発のアルトコインが突然淘汰されるリスク」を改めて示しました。結論から言えば、流動性と実需を欠いたプロジェクトは主要取引所の審査強化に耐えられず、市場から急速に姿を消します。本記事では投資家の視点で今回の急落を読み解き、ファンエコノミートークン投資の教訓を整理します。

COTとは何か:コスプレ経済圏の夢と現実

COTはコスプレSNS「World Cosplay」とNFT基盤「Curecos」内決済を目的に2022年3月国内上場。著名コスプレイヤーやガーシー氏、上原亜衣氏らのPRで注目を集めた。しかし投げ銭需要は伸び悩み、2024年以降は取引所売買が主体となった。

トークンエコノミクス

  • 総発行:10億枚、流通増で希薄化
  • ステーキング年利4%(2024年5月開始)も利用者限定的
  • 実需比率低下により価格は長期下落

Bybitの上場廃止判断とその背景

取引所の審査強化

Bybitは四半期ごとに上場基準を点検し、出来高やプロジェクト進捗が基準未達の場合は整理対象とする。COTの24時間出来高は発表前に3万USDT前後まで低迷し、時価総額も300万USDT台へ縮小していた。

スケジュール

  • 7月7日:上場廃止発表
  • 7月16日17:00:現物取引停止
  • 7月9日17:00:出金期限、以降OTC売却・USDT自動転換

市場反応:24時間で‐40%、累計‐99.7%

発表直後、COTは0.5円→0.3円へ暴落。CoinMarketCapは24時間下落率‑25〜‑40%、出来高は半減。ピーク時(2022年4月、70円)比で99.7%の価値蒸発となった。

プロジェクトの問題点

実需不足と投機依存

投げ銭利用は限定的で、価格形成はインフルエンサー煽動による投機に偏重。

アンバサダーリスク

ガーシー氏のスキャンダルでブランド毀損、上原亜衣氏らの宣伝も投資家層拡大に結び付かず。

開発停滞と情報開示不足

独自トークン発行機能やDAO化は未達、ホワイトペーパー更新も遅延。

流動性集中

出来高の7割超がBybit依存。主要取引所撤退で市場機能が崩壊。

供給過多

10億枚供給に対し需要不足、バーン施策不在で長期下落。

今後の展望

  • フェードアウトシナリオ:国内取引所のみで細々と継続、価格回復は困難
  • スワップ/Pivot:新トークンへ交換または別業界へ転換も規制コスト大
  • 教訓:ファン系トークンは「熱量+実需+透明性」の三位一体が不可欠

▽ FAQ

Q. COTは今後どこで取引できる?
A. ZaifとBitTradeで取引可能だが板は薄く価格変動が激しい。

Q. 上場廃止後の保有分は?
A. Bybit保有分は7月9日までに出金。未出金はOTC売却またはUSDT自動転換。

Q. なぜ99%超下落?
A. 実需不足と流動性枯渇により投機資金が撤退したため。

Q. 類似トークン投資の注意点は?
A. 実需・開示・流動性の三条件を満たすかを事前に確認すること。

■ ニュース解説

Bybitは2024年以降、低時価総額銘柄の整理を加速。今回のCOTと同時にXYM、ARXなども整理対象となり、流動性リスクが顕在化した。日本市場では金融庁ホワイトリスト銘柄も例外ではなく、取引所淘汰がグローバル基準で進む点に留意が必要だ。

(出典:CoinPost,CMC,Bybit公式,Curecos公式