▽ 要約
マクロ要因:米財政拡大と利下げ観測で資金流入
取引所残高:BTC流出続き売り圧力が低下
季節性優位:過去12年で7月平均+8%の実績
アジア需要:円安・ウォン安ヘッジ買いが活発
7月のビットコイン上昇要因は「流動性拡大 × 需給タイト化 × 季節性」の組合せだ。――「今年も7月に買うべきか?」という投資家の疑問に対し、本稿は結論として「例年どおり上昇余地は大きい」と示し、その根拠と戦略的メリットを具体的データで解説する。
米国マクロと流動性
財政拡大と利下げ期待でリスク資産へ資金が向かう。
トランプ政権は2025年7月初旬に債務上限を5兆ドル拡大し、市場は将来の金融緩和とインフレ加速を織り込み始めた。FRBが早期に利下げに動けば、2024年末のケース同様ビットコインは株式を上回るリターンを示す公算が大きい。
債務拡大とドル安
財政赤字容認姿勢はドルの希薄化を連想させ、代替資産への逃避需要を促進する。
利下げ観測と流入速度
CME FedWatch の先物確率は7月末時点で年内 75 bp 以上の緩和を 65% 織り込む。過去の利下げ局面では BTC 月次リターンが平均 +19% を記録した。
オンチェーン需給
取引所残高の歴史的低水準が供給逼迫を示唆。
取引所保有残高は 2025‑06‑30 に 2.9 M BTC と 6 年ぶり低水準。直近 7 日間でさらに 20 k BTC が流出し、潜在的な売り圧力は減退している。
小口ホルダーの増加
0.1 BTC 以上のアドレス数が過去最多を更新し、投資家層の厚みが増している。
季節性トレンド
7月はプラスリターン確率が高い「強い月」。
Coinglass データによると 2013‑2024 年の 7 月平均騰落率は +7.6%、勝率 67%。6 月に調整後の反発パターンが多く、今年も同様の軌道を描く可能性が高い。
アジア・新興国需要
通貨安ヘッジ買いがグローバル需要を底上げ。
韓国ウォンと日本円は年初来で対ドル 8〜11% 下落し、BTC/KRW 出来高が 3 月比 1.8 倍に拡大。インフレ率 211% のアルゼンチンでも暗号資産アプリ利用が急増し、国民の 36% がビットコインを保有するとの調査がある。
▽ FAQ
Q. 7月は本当に上がりやすい?
A. 過去 12 年の月次データで平均 +7〜8%、勝率約 70% を記録。
Q. 取引所残高が減るとなぜ強気?
A. 売却可能な流通量が減り、買いが集中すると価格が上がりやすいため。
Q. 利下げがなくても上がる?
A. 債務拡大とドル安が進む限り、流動性は BTC へ向かいやすい。
■ ニュース解説
提供記事群は、米国の財政・金融政策とオンチェーン指標が 7 月相場を支えると総括する一方、CPI 次第で短期的な乱高下が起こり得る点も指摘している。中立的に見れば「中期強気、短期ボラ高」という評価が妥当だ。
(出典:cointelegraph,financemagnates,ainvest)