▽ 要約
追加取得:5419BTC購入で総保有25,555BTC。
平均単価:通算1,558万円、総取得額3,982億円。
資金調達:国際公募2,041億円、BTCへ1,837億円充当。
指標:BTCイールド10.3%(7/1–9/22)。
「どこまで買い増すのか」──メタプラネットはメタプラネット 5419BTC 追加取得を発表し、総保有は25,555BTCに達した。資金は9月の海外公募(手取2,041億円)のうち1,837億円を即時投入、BTCイールドは直近四半期累計で10.3%。希薄化を前提に“1株あたりのBTC”を増やす設計で、年内は残余約900億円分の購入余地も残る。
発表の全体像(取得規模・累計・指標)
追加5,419BTCで総保有25,555BTCとなり、通算平均1,558万円のため総取得額は3,982億円に到達した。
表明額・平均単価・総保有の三点が更新され、BTCイールドは7/1–9/22で10.3%と四半期累計の伸長が確認された。
— 主要数値
・追加取得:5,419BTC/取得総額936億4,600万円/平均単価1,728万1,012円。
・総保有:25,555BTC/通算平均1,558万2,433円/総取得額3,982億900万円。
・BTC/円参照:1,719万3,760円(社内KPI基準)。
・完全希薄化後のBTC/1000株:0.0178159 ⇒ 1株当たり約306円相当。
BTCイールドと関連KPI
“希薄化後ベースの1株あたりBTC増加率”であるBTCイールドは、24年Q4が309.8%と跳ね、25年Q1は95.6%、25年Q2は129.4%となったため、足元の7/1–9/22は10.3%と落ち着きつつ正の累積を維持した。
BTCゲイン/BTC円ゲインの算出枠組みも開示され、比較可能性の担保が図られた。
KPIの読み解き(実務上のポイント)
四半期累計のBTCイールドは希薄化速度を超える“BTC増”のテンポ感を可視化するため、発行済み・潜在株の取り扱い方(MSワラントは行使後に反映)や参照レート固定など、米市場の慣行に合わせた定義が採られている。
関連:メタプラネット株はどこまで上がる?急騰の理由と今後の展望
資金手当て(エクイティ中心)とデット整理
9/10価格決定の海外公募で3.85億株を553円で発行し手取2,041億円を確保したため、1,837億1,100万円を9–10月のBTC購入、204億1,200万円をBTCインカム事業に配分する。
一方で7–9月に第19回普通社債の一部繰上償還を段階実施し、ワラントの行使進捗と合わせてバランスシートの再構築を進めた。
— 明細
・発行済株式:7.559億→11.409億株(海外公募受渡9/17)。
・繰上償還:7/4に60億円、7/14に67.5億円、8/25に22.5億円、8/26に30億円、8/27に30億円、9/1に15億円。
・BTCインカム事業:25年上期に売上19.04億円(オプション収益中心)。
市場反応とランキング位置
海外公募はディスカウント設定だったが、9/10は寄り軟化後に引け+16%のストップ高相当で切り返したため、需給の厚みを確認できた。
総保有は2.55万BTCに拡大し、日本メディア集計で上場企業のBTC保有量5位、9/8時点の海外集計では6位相当からの繰り上がりとなる。
中期計画と体制拡張
2026年末10万BTC/2027年末21万BTC(総発行上限の約1%)を掲げる中、9/17に米国「Metaplanet Income Corp.」と国内「Bitcoin Japan Inc.」を設立したため、トレジャリーとデリバティブ等の収益化を分離・強化する体制が整った。
▽ FAQ
Q. いくら買い増し、総保有はいくつ?
A. 2025年9月22日に5,419BTCを追加し、総保有は25,555BTC、通算平均は1,558万2,433円。
Q. 公募の条件と使途は?
A. 3.85億株を553円で発行し手取2,041億円、うち1,837億円をBTC購入、204億円をインカム事業。
Q. 直近のBTCイールドは?
A. 7/1–9/22累計で10.3%。過去は309.8%(24Q4)、95.6%(25Q1)、129.4%(25Q2)。
Q. ランキングの位置付けは?
A. 9/22時点で国内報道は5位、9/8海外集計では6位相当からの繰り上がり見込み。
■ ニュース解説
5,419BTCの追加で総保有25,555BTCへ拡大したので、資金は9/10の海外公募(手取2,041億円)を原資に迅速投入され、BTCイールド10.3%で希薄化後の1株当たりBTCも上昇した。
背景に円安・実質マイナス金利を挙げ、BTCを主要準備資産とする方針を維持したため、年内は残余約900億円分の買付余地が残る一方、相場と調達環境に依存する不確実性は大きい。
投資家の視点:短期は「追加取得のタイミング」と「BTCイールドの再加速」を注視。中期は①購入原資(公募残余と追加調達)②BTCボラティリティ耐性③インカム事業の着実な収益化④規制・会計対応の運用コストを点検したい。比較指標としては、Strategy(旧MicroStrategy)63.9万BTC、Marathon約5.25万BTC、Tesla約1.15万BTCも参照し、希薄化速度と“株式1株あたりBTC”の増勢を相対評価するのが実務的である。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:メタプラネット)