Memeコイン急騰:イーサリアムCMEギャップ埋めとSolana Launchpad戦争の行方

【要約】
・CPI下落を受け、トランプが再び株式市場の上昇を予測し、利下げをパウエル議長に要求
・イーサリアムが約2,700ドルを回復し、CMEギャップを埋めながら市値占比が10%に迫る
・Solanaチェーン上のMemeコインが盛り上がり、Pump.funとLetsbonk.funなど複数のLaunchpadが台頭
・GlonkやLAUNCHCOINなど新興Memeコインが短期間で高騰し、投資家の注目を集める
・Believe(旧Clout)やPump.funなどプラットフォーム同士の競合が激化し、市場の流動性が増す

CPI下落とトランプの利下げ要求がもたらす影響

米国の4月CPI(消費者物価指数)の年率が2.3%と、予想を下回る水準で推移したことからインフレの鎮静化が意識され、米国株式や暗号資産市場は再び上昇ムードに包まれました。これに呼応する形で、トランプ前大統領が「株価はさらなる高騰が見込まれる」とのメッセージを発信し、米連邦準備制度理事会(FRB)議長のパウエル氏に対して早期の利下げを求めています。
一方で、ウォール街の主要投資銀行は利下げに関して慎重な姿勢を崩していません。ゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカ、バークレイズなどは「早くても12月以降の利下げ」と予想し、見通しが分かれる状況にあります。また、中米関係の関税問題も払拭されてはいないため、投資家心理には依然として不透明感が残っています。

イーサリアム(ETH)とCMEギャップ埋めの注目点

BTC(ビットコイン)が依然として6万ドル台前後(本文提供のデータでは10万ドル超と記載あり)で上下動を繰り返す中、ETH(イーサリアム)は2,700ドル台を回復し、市値占比が約10%に到達しそうな勢いを見せています。アナリストによると、ETHは約2,530~2,630ドル付近のCME先物ギャップを完全に埋め、次なる目標として2,900~3,000ドル付近にあるCMEギャップが意識されているとの指摘があります。
さらに、投資機関Abraxas Capitalが過去1週間で24万枚超のETHを買い増しているという情報も報じられ、「ETHが次の主要な投資先になるのでは」という観測を強めています。

Solana上で台頭するMemeコインとLaunchpad競争

Glonkの二重上場とPump.fun vs. Letsbonk.fun

SolanaエコシステムではMemeコインの盛り上がりが加速中です。その象徴が「Glonk」で、Pump.fun版とLetsbonk.fun版の2種類が同時期にローンチされ、プラットフォーム間で熾烈な流量争奪戦が展開されています。

  • Pump.fun版: 一時時価総額1,500万ドルを記録するも、その後150万ドル付近まで下落
  • Letsbonk.fun版: 最高時価総額1,800万ドルを超えたのち、いったん大きく調整

両プラットフォームの創設者が自らSNSでユーザーを呼び込むなど、競合の激化が市場の注目を一気に集めました。

Pump.funの覇権と新興勢力

Pump.funは当初Solanaチェーン上で圧倒的なシェアを誇り、Memeコイン発射台の代表格とされてきました。しかし、RaydiumやBelieve(旧Clout)、Letsbonk.fun、さらにはBoopなど複数の新興プラットフォームが急激に台頭。Pump.funが大手を振っていた時代から、多元的な競争段階へ移行しています。
特に、Believeは「LAUNCHCOIN(旧PASTERNAK)」の急騰を武器に一気に注目度を上げ、最大で時価総額が2億ドルを超える事態となりました。このように、複数のLaunchpadが台頭したことでSolana上のMemeコイン市場はさらなる活況を呈しています。

LAUNCHCOIN(旧PASTERNAK)の復活劇

LAUNCHCOINは、かつて「PASTERNAK」という名称でソーシャルFiアプリ「Clout」の初期トークンとして注目を集めました。当初は一時的に時価総額が8,000万ドル超に達したものの、プロダクトの不具合や流動性不足などにより急落。その後、「Believe」としてブランドを一新し、プラットフォーム通貨であるLAUNCHCOINに改称して再スタートを切ります。
この再ローンチにあたり、プロジェクトを率いるBen Pasternak氏がSNS上で改めて熱量を高め、複数の著名投資家も支援を表明。結果的に短期間で大幅な価格上昇を遂げ、一部投資家が100倍以上のリターンを得たという事例も報じられました。

今後の主な注目イベント

  • Binance Wallet:5月14日に第16期TGEでPrivasea(PRAI)を実施予定
  • BlockFi:5月15日が破産に伴う債権請求の最終期限
  • Obol Collective:5月15日にネイティブトークン$OBOLを発表予定
  • 米国新規失業保険申請件数:5月15日(日本時間20:30)発表予定

また、Solanaエコシステム内ではRaydiumやBoopが独自のLaunchpadや新しい報酬設計を進めており、Memeコインの乱立状態がしばらく続く見込みです。

ニュースの解説

今回のCPI下落やトランプ前大統領による利下げ圧力で、市場は再度リスクオンの雰囲気を帯びています。特に、金利への期待値が高まるにつれ、「ハイリスク・ハイリターン」を好む資金の動きが顕著になり、Memeコイン市場が再び脚光を浴びています。
一方で、Memeコインは急激な価格変動に左右されやすく、流動性枯渇や開発者の「Rug Pull(突発的な資金引き上げ)」などリスクも依然として大きい点は見逃せません。Pump.funを筆頭に、Solana上で複数のLaunchpadが乱立する構図は、ユーザーにとっては多様な投資機会を提供する反面、質の低いプロジェクトの混在も招きやすくなります。
そのため、プラットフォーム選定だけでなく、プロジェクト自体の実態やコミュニティ状況を注視しながら慎重に投資判断を下すことが必要でしょう。特に、LAUNCHCOINのように過去に大きく下落したトークンが再評価されるケースも増えており、短期売買だけにとらわれず、長期視点での可能性も見極める必要があります。
CPIや米国金融政策の動向、さらにはSolanaエコシステム内の競争激化が重なり合う現在、仮想通貨市場は新局面を迎えています。今後はリスクと機会が入り混じった状況が続くと考えられ、市場参加者は最新の情報を常に追いかける必要があるでしょう。