マックハウスが1000BTC保有へ:衣料×暗号資産の新戦略

要約

ビットコイン取得方針:2025年7月9日発表、目標は1000BTC
目的と背景:財務改善と企業価値向上、Web3転換
投資スキーム:17.15億円でドルコスト平均+急落時追加購入
市場反応:発表直後に株価ストップ高、賛否両論
業界波及:衣料×暗号資産の先例として他社参入も視野

マックハウスの「1000BTC保有宣言」は、赤字にあえぐ衣料品チェーンが暗号資産で再生を図る大胆策だ。単なる話題作りか、次世代型ビジネスモデルへの真転換か──本稿では公式IRと業界各紙を基に、その全貌と影響を徹底解説する。

ビットコイン取得方針の概要

マックハウスは17.15億円を投じて1000BTCの取得を目指し、2025年9月からドルコスト平均法で買い始める。

  • 7月9日付IRで臨時株主総会承認を公表。
  • 7月10日追加IRで「1000BTC超」目標を明示。
  • 急落時は一括買い増しを可能にし、平均取得コスト分散を図る。

背景と目的

衣料品市場縮小で6期連続赤字。ファンド買収後、「上場箱」を活用し財務多角化と企業価値向上を急いだ。BTCはデジタルゴールドとしてインフレ耐性があると判断し、長期保有で資産保全・株価浮揚を狙う。

取得資金の内訳

  • 2025年6月19日:EVO FUND向け新株予約権行使で23.91億円調達。
  • うち17.15億円をBTC購入原資に充当。

これまでの暗号資産・Web3施策

2025年に入り「投資・M&A」を定款追加、増資⇒マイニング提携⇒BTC宣言と急ピッチでWeb3化を進めた。

  1. 定款変更(2025‑06‑12):金融・投資・M&Aを事業目的に追加。
  2. 増資完了(2025‑06‑19):資金確保とデジタル資産運用グループ新設。
  3. ゼロフィールド提携(2025‑07‑04):購入+マイニングの両輪体制を構築。

市場・投資家・メディアの反応

株価はストップ高を繰り返し、話題性は抜群。ただし「IR演出」との懐疑も根強い。

  • 株探ニュース「切り返し」報道で短期資金が集中。
  • 暗号資産メディアは「先見的」と賞賛。
  • note評論は「専門家不在で一過性材料」と指摘。

国内外ビットコイン保有ランキングでの位置付け

国内ではトップ5圏、世界では30位〜40位規模。

国・企業保有量備考
メタプラネット(JP)12,345BTC世界7位
リミックスポイント(JP)1,000BTC目標達成
マックハウス(計画)1,000BTC2025年9月取得開始
MicroStrategy(US)158,400BTC世界1位
Tesla(US)9,720〜11,500BTC環境批判で一部売却

他社大型保有企業との比較

投資規模は小さいが、購入・マイニング・決済を一体化する多角戦略は独自色が強い。

  • MicroStrategy:社債で巨額調達し一括購入。マイニング事業は行わず。
  • Tesla:製品親和性を武器にしたが環境批判で決済撤回。
  • マックハウス:衣料品×Web3でリアル店舗決済まで計画。ファンド支援で再建色濃厚。

業界・市場への波及

衣料小売が暗号資産に活路を求める先例。成功すれば業界横断のWeb3転換が加速する。

  • ANAPも同じ衣料業界で1000BTC計画。
  • 企業参入続出で国内「BTCトレジャリー株」テーマ化。
  • 価格暴落時の財務リスクと規制リスクには要注意。

FAQ

Q. マックハウスはいつからBTCを買う?
A. 2025年9月17日よりドルコスト平均で定期買付を開始予定。

Q. 取得予算はいくら?
A. 第三者割当増資で確保した最大17億1,500万円を充てる。

Q. 国内の保有順位は?
A. 実現すればメタプラネットに次ぐ上位で、国内トップ5入りが濃厚。

■ニュース解説

マックハウスの戦略は、赤字体質を一変させる「ハイリスク・ハイリターン」の財務再編策だ。国内ではメタプラネットが主導する企業BTC保有ブームが続き、投資家は次なる“暗号資産銘柄”を探している。企業再生ファンドと連携した衣料チェーンの挑戦は、成功すればWeb3時代の小売モデルを示す一方、ビットコイン急落時に経営破綻リスクを抱えることも忘れてはならない。

(出典:各社IR,CoinDesk Japan,Cointelegraph Japan,Binance速報,note解説