▽要約
・ ラスメモ サービス終了が2025年6月11日に正式発表。対象はWeb3関連機能のみで、F2Pゲーム本体は継続。
・ 主因はGEEKトークン価格の崩壊と上場廃止による経済失速。無限発行へ切り替えた禁じ手が決定打。
・ NFTは引き続き使用・転送可能。xGEEK→GEEK変換は6/14〜7/14の期間限定で実施。返金は行われず、ポイント増量やリアル特典で補填。
・ 運営元enishはWeb3撤退後もラスメモを運営しつつ、新作『雀エボライブ』など別タイトルへ経営資源を再配分。
・ コミュニティは「裏切られた」「経済設計の失敗」と批判が集中。GameFi業界では反面教師的事例として注目。
公式発表:ラスメモ サービス終了の全容
ラスメモ サービス終了の告知は2025年6月11日付プロデューサーレターで行われた。6月13日以降、GEEKトークンに関わる一切の機能――ゲーム内ドロップ、ウォレット変換、ショップ販売など――が段階的に停止される。Play to Earn要素を切り離し、作品自体は基本無料のモバイルゲームとして運営を継続する点が大きな特徴である。
終了理由
運営は「短期的なEarn効率重視によるトークノミクス崩壊」を公式に認めた。GEEKが2025年初頭から急落し、4月には複数取引所で上場廃止。市場流通量制御を放棄して無限発行に舵を切ったことが価格下落に拍車を掛け、回復不可能と判断した。
ゲーム内資産の取り扱い
NFT(ゲーム内アイテム)
- 既存NFTのゲーム内利用権は存続。
- 公式ウォレット経由での外部送受信・売買も可能。
- 新規NFTスターターパック販売は停止。
GEEKトークン
- 新規獲得手段は全廃。
- 他チェーン対応(Roninなど)や新トークン発行計画は白紙。
- 残存エアドロップは6/14〜6/20に前倒し配布し終了。
xGEEKポイント
- 6/14〜7/14の限定受付で1 xGEEK=30,000 GEEKへ予約変換。
- 7/21までに一括配布予定。期間後は変換不可。
補償措置
- 現金返金は実施せず。
- xGEEK(Earn)購入者向けにxGEEK(lite)付与量を恒常10%増。
- 大型NFT購入者にはSBT特典に基づくリアルグッズ配送と毎月のNFT配布を8月まで継続。
運営チームの今後と事業ポートフォリオ
ラスメモを手掛ける株式会社enishは、Web3要素を外した同タイトルを維持しつつ、開発リソースを**新作『雀エボライブ』(2025年夏予定)**を含む別プロジェクトへ再配分する方針を示した。決算説明では、GameFiで得た知見を適切な形で活用しながら、年1〜2本ペースのIPタイトル投入で業績回復を図ると宣言している。
コミュニティの反応
SNS・Discordでの声
- 「結局稼げず終わった」「最初から破綻は見えていた」といった失望と怒りが多数。
- 「無限発行は禁じ手」「運営の情報発信が遅すぎた」と経済設計・コミュニケーション双方への批判が顕著。
- 一方で「純粋なゲームとして遊び続ける」という少数の前向き発言も存在。
業界内評価
YouTuberや専門メディアは、本件を国内GameFiの失敗事例として分析。持続可能なトークン設計・コミュニティ対話の重要性を示す教材として取り上げられている。
ニュース解説:GameFiが直面する“三重苦”
- 価格下落リスク
仮想通貨相場の下押し局面では、単一トークン型のGameFiはダメージを受けやすい。ラスメモのように発行量制御を誤ると即座に信認が崩壊する。 - 規制と上場廃止
取引所の上場基準強化や流動性要件未達により、突然のdelistが発生し得る。流通経路を単一市場に依存しない設計が求められる。 - コミュニティ運営コスト
Earnユーザーは投資家視点を持つため、情報開示の遅れは信頼失墜に直結する。AMAやロードマップ更新の定期実施が不可欠だ。
総括すると、ラスメモ サービス終了は「トークン経済の持続性・取引所依存度・コミュニティ対話」の三要素が揃わなければGameFiは成立しないという警鐘である。今後のプロジェクトは、発行上限・バーン設計・多通貨化など複合的なマクロ経済対策と、運営とユーザーの継続的な合意形成を両輪で強化する必要がある。