Kultureは2023年4月2日、BABYMETALの会員証型NFT「THE ONE ID」と、それを使って限定チャンネルに参加する「THE ONE Discord」を公開しました。ファンが使うMETALネームを記したNFTを、メンバーの証として発行する取り組みです。
特徴は、NFTを他人へ譲渡できないことでした。売買益を狙う商品とは目的が異なり、登録した人とコミュニティを結び付ける設計です。ただし、過去のNFTを持ち続けることと、現在の会員向けサービスを利用できることは同じではありません。2026年9月27日に確認した公式案内と合わせて、その違いを整理します。
2023年に始まった、グッズ購入と会員証を結ぶ仕組み
2023年4月3日のKultureの発表では、前日に会員証NFTとDiscordの仕組みを公開したと説明しています。対象グッズは「THE ONE TEE (2023)」。付属するアクセスコードでTHE ONEへ登録し、METALネームを取得する流れでした。
従来の名前の登録に加えて、その名前が入ったNFTを受け取れるようにした点が、このニュースの中心です。NFTの保有・管理には、Kultureとアミューズが共同開発したA Walletを使います。物理的なカードを郵送するという案内ではなく、デジタルの会員証をアカウントと結び付ける取り組みでした。
当時の発表には登録料・利用料が無料との説明がありますが、対象グッズの購入は前提です。「NFTの受け取りに別の利用料がない」という話と、「何も買わずに全特典へ参加できる」という話を混同しないようにしましょう。グッズの取得、会員登録、NFTの付与は、利用者から見ると関連していても、それぞれ確認する段階があります。
この2023年の案内は仕組みの出発点を示す資料です。古いアクセスコードやグッズを入手すれば、後の年度へそのまま登録できると保証するものではありません。今の参加方法は、希望する年度の公式ページを参照する必要があります。
SBTという形式が、会員証の使い道に合っている理由
THE ONE IDは、他者のウォレットへ移転できないSBT、ソウルバウンドトークンとして発行されました。2023年の発表は、二次流通による売却益という側面を取り除き、自分の証として持つ価値を重視したと説明しています。
この設計なら、登録者の証を売買で別の人に渡すことを前提としません。例えば「保有している人だけが入れる場所」を用意する場合、入場に使うNFTが自由に転売できる設計とは、参加資格の考え方が変わります。どちらが常に優れているという話ではなく、何を証明したいのかに応じた選択です。
一方、譲渡できないことから、サービスが永久に続く、アカウントを失っても必ず復旧できる、すべての特典が無期限に付くと結論を広げることはできません。NFTの移転に関する仕様と、運営するサービスの利用規約は別の確認事項です。会員証としてどの年度に有効なのか、どのサービスが対象なのかまで見る必要があります。
「自分だけの証」という表現も、世界中のあらゆるサービスで本人確認に使えるという意味ではありません。ここでの役割は、THE ONEという特定の仕組みの中で登録者とNFTを対応させることです。転売価格の比較よりも、参加した記録や交流への入口としてどう使うかに着目すると、企画の意図を捉えやすくなります。
A WalletとDiscordは別のアカウントを連携させる
A Walletは、NFTを保有・管理する側のサービスです。2023年の発表では、利用者が秘密鍵を自分で管理せず、アミューズの共通IDであるA!-IDを使ってウォレットを開設できると紹介されました。NFTの保有情報をコミュニティの参加条件に使うため、Discordとの連携機能も実装されています。
Discord側では、連携した保有者にロールを付与し、限定チャンネルへ参加できるようにします。ロールとは、そのサーバーでの役割や権限を示すものです。会員証の画像をチャットへ投稿することではなく、用意された連携の流れでNFTの保有とアカウントを結び付ける点が重要です。
現在の公式参加ガイドでは、Discordサーバー自体には誰でもアクセスできる一方、2026年度の限定チャンネルにはTHE ONE ID – 2026が必要と説明しています。前年のIDでは2026年度の限定チャンネルへ入れません。サーバーに入れたことだけで、限定エリアへの参加資格も確認できたとはいえない仕組みです。
ガイドは、認証していない一時的なDiscordアカウントとの連携にも注意を促しています。どのDiscordアカウントと、どのA Walletを使っているかを把握しておくことが、問題を調べる際の出発点になります。この記事では個人のアカウントを使ったログインや、ロールの付与までは検証していません。
2024年度は会員証に加えてライブのフォトカードも展開
Kultureの2024年4月1日の発表では、翌年度も会員証NFTを継続し、THE ONE ID – 2024を発行すると案内しました。その年のNFTを使い、2024年度のDiscord限定チャンネルに参加する構成です。2023年だけで完結する単発企画ではなかったことが、この発表から確認できます。
同年度には、2023年のワールドツアーを記録したデジタルフォトカード「CHRONICLE OF LEGENDS 2023」も、登録特典としてNFTで付与すると説明されています。メンバーがマイページでコレクションし、ライブの場面を振り返る用途でした。会員証と写真のコレクションでは、同じNFTでも利用者が期待する役割が異なります。
また、発表は前年の限定チャンネルで交流が行われたと報告しています。ただし、具体的な参加者数や継続率は示していません。コミュニティが設けられた事実と、ファン全体への効果を数値で評価することは分けて考えるべきです。NFTを導入しただけで交流が増えたと断定する資料にはなっていません。
2026年度は利用期限と対象NFTを確認する
THE ONE 2026の公式ページでは、入口となるTEEを税込5,500円と案内しています。対象商品のアクセスコードで登録し、連携したA WalletにMETALネーム入りのTHE ONE ID – 2026を受け取る仕組みです。このNFTも譲渡不可です。
利用期間は登録日から2027年3月31日23時59分までで、登録日にかかわらず期限は共通とされています。したがって、後から登録した人に必ず丸1年間の利用期間が付く、という読み方はできません。期限には事前告知による変更の可能性も記載されています。
チケットの先行受付は当選の保証ではなく、限定グッズも在庫や実施時期によって利用できない場合があります。また、A Walletを解約すると保有NFTや今後の付与予定NFTの権利が失効するとの注意書きがあります。継続して利用したい人は、会員向けページだけでなく、アカウント管理上の条件も確認してください。
過去に登録したことがある人ほど、以前の操作を覚えているために年度の違いを見落とすことがあります。確認したいのは、保有しているIDの年度、申し込みたい特典の対象、現在の登録状態です。ここを分けて見れば、古い会員証が残っているのに新しいチャンネルへ入れない、といった状況も整理しやすくなります。
この会員証NFTから分かることと、確認が必要なこと
THE ONE IDは、NFTを転売商品ではなく、ファンの登録とコミュニティをつなぐ証に使った事例です。2023年の導入、2024年度の写真コレクション、2026年度の参加案内をたどると、会員証と特典を年度ごとに運用していることが分かります。
読者が整理しておきたいのは、「持っているNFT」「現在有効な参加資格」「実際に使いたい特典」の三つです。これらは一部が関連していても、すべて同じ期限・条件で動くとは限りません。画像が表示されることだけから、別年度のチケット受付や限定チャンネルに参加できると判断しないようにしてください。
参加を検討する場合は、まず現行年度の案内で内容と期限を読み、自分が期待する利用機会があるかを確かめます。すでに参加していて表示や連携に問題がある場合は、使っているアカウントとIDの年度を整理して、公式の問い合わせ先へ確認する流れになります。NFTという技術名だけで価値を判断するより、作品を楽しむためにどの場面で役立つかを見ることが、この仕組みを理解する近道です。
よくある質問
Q. THE ONE IDは他人に売れますか?
A. 公式案内では他者へ譲渡できないSBTとして発行されます。二次流通での売却益を目的とする会員証ではありません。
Q. 前年のNFTで2026年度のDiscord限定チャンネルへ入れますか?
A. 現行の参加ガイドはTHE ONE ID – 2026が必要とし、2025年度のIDでは2026年度の限定チャンネルに参加できないと説明しています。
Q. この記事で実際のNFT受け取りや連携を試していますか?
A. 公式発表と参加ガイドを確認した記事です。個人のアカウントでの登録、NFT受け取り、Discordのロール付与は検証していません。
この記事の出典
- Kulture:2023年の会員証NFT・Discord公開発表
- Kulture:THE ONE 2024とデジタルフォトカード
- BABYMETAL:THE ONE 2026
- BABYMETAL:THE ONE Discord参加ガイド
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




