ソーシャルメディア大手KakaoとLINEが手を組む:新たなL1ブロックチェーン「Kaia」の誕生

  • 2024/8/31

要約
KakaoとLINEが新たに共同開発したL1ブロックチェーン「Kaia」が主ネットを公開しました。このプロジェクトは、Kakaoの「Klaytn」とLINEの「Finschia」の統合によって生まれ、主にTONエコシステムの成功をモデルにしています。Kaiaの目標は、2.5億の既存ユーザー基盤を活かし、Web3の大規模な普及を実現することです。

1. KlaytnとFinschiaの統合とTONモデルへの影響

2024年1月、KakaoとLINEは各自のブロックチェーン、KlaytnとFinschiaを統合する提案を発表しました。これにより、アジア最大のWeb3ネットワークを目指すという野心的な計画が動き出しました。この統合の背景には、Telegramが開発したTONエコシステムの成功があり、Kaiaも同様にメッセージングアプリケーションとブロックチェーン技術を融合させる戦略を採用しています。

2. Kaiaの技術的優位性と目指す方向性

Kaiaは、EVM(Ethereum Virtual Machine)互換性を持ち、1秒のブロック時間と瞬時の最終的な取引確定を実現しています。この高速取引処理能力は、特にリアルタイムなレスポンスが求められるユースケースに適しています。また、Kaiaは最適化されたPBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)アルゴリズムを採用しており、毎秒4000件の処理能力を誇ります。

3. 開発者向けの支援とミニDAppの可能性

Kaiaは、開発者向けに「Kaia Wave」と呼ばれる支援プログラムを開始しました。これにより、開発者はLINEのSDKを使用してミニDAppを作成し、Web3ネイティブアプリケーションをLINE上で展開することが可能となります。これにより、従来のWeb2プラットフォームに依存していたユーザーも、Web3へのスムーズな移行が期待されます。

4. 2.5億ユーザー基盤を活かした大規模採用の可能性

Kaiaは、KakaoとLINEという2つの大手メッセージングアプリのユーザー基盤を活用し、Web3技術の大規模な採用を目指しています。両社のアプリケーションはすでに韓国と日本で広く普及しており、その強力な影響力を活かして、Web3への移行を促進する計画です。

5. 市場競争と未来の展望

Kaiaの登場は、既存のWeb3プラットフォームにとって新たな競争の舞台を生み出します。特に、TONエコシステムとの競争は避けられず、その影響力と成長力がKaiaの成功の鍵となるでしょう。KaiaのミニDApp戦略と既存のWeb2サービスとの統合により、新たなユーザー層の獲得と市場拡大が期待されます。

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