▽ 要約
公式:JPYC EXで1 JPYC=1円の発行・償還(今秋開始)
DEX:Uniswap等で他通貨とスワップ、手数料はチェーン依存
海外:一部取引所で価格ページや取扱、流動性に注意
チェーン:新JPYCはETH/Polygon/Avalancheに対応予定
「JPYC どこで買える」を一度で把握したい――本稿は2025年9月時点の公式動向を軸に、JPYC EX・DEX・海外取引所・P2Pそれぞれの入手経路と手順、対応チェーン、KYCや上限、費用の勘所を簡潔に解説する。
JPYCを買える場所(2025年9月時点の全体像)
制度改正で“発行者・登録事業者経由”が主軸となったため、国内CEX想定は薄れ、公式のJPYC EXが中核となる一方で、DEXや一部海外CEX、P2Pも補助的な入手経路となる。
JPYC公式販売所(JPYC EX)
今秋に資金移動業型の新JPYCを1 JPYC=1円で発行・償還でき、非カストディかつ自己保管ウォレット前提の運用となる。
海外の暗号資産取引所
BitgetやMEXC等はJPYCの価格ページや案内を提供するが、実際の上場・取引ペアは流動的で、未上場表示や取引薄のケースもある。
分散型取引所(DEX)
Uniswap(Ethereum)、QuickSwap(Polygon)、Trader Joe/Pangolin(Avalanche)等でユーザー間スワップが可能で、少額は手数料の安いPolygon等が向く。
個人間取引(P2P)
信頼できる相手とJPYC↔日本円(振込・現金)を相対で交換できるが、エスクローや対面など安全策が必須となる。
チャネル別:買い方のステップ
各チャネルの実務手順を、初心者でも詰まらない順番で記す。
JPYC EXで購入する(最短・等価)
申請→銀行振込→発行の順で、受取先は自分のWeb3ウォレットとなるため、MetaMask等のセットアップと接続を先に済ませる。
- ウォレット接続:公式サイトで「Connect Wallet」。受取アドレスは自動反映。
- 申請入力:購入額(例:10,000 JPYC)、受取チェーン(初心者はPolygon推奨)、連絡先等を入力。
- KYC:マイナンバーカードのICチップを用いた公的個人認証(JPKI)で本人確認。
- 銀行振込:表示口座へ入金すると自動的にJPYCが発行・送付される(最短数分)。
- 受取確認:ウォレットにトークンを追加し残高を確認。償還は1 JPYC=1円で申請可。
海外取引所で購入する
口座開設とKYC後、USDT等を入金し、JPYC/USDT等のペアで成行・指値注文、必要に応じて自分のウォレットへ出金する。上場の有無と板の薄さ(スリッページ)は必ず確認する。
関連:初心者向け海外仮想通貨取引所比較:Bybit・MEXC・Bitgetの違いを徹底解説
DEXでスワップする
ETHやUSDTを持っているなら、対応チェーンのDEXでJPYCへ交換する。初回は偽コントラクト防止のため、公式のコントラクトアドレスを確認して追加し、価格影響を見て許容スリッページを設定する。ガス代は各チェーンのネイティブ通貨で支払う。
P2Pで受け取る(相対)
事前にレートと数量、精算方法を合意し、同時履行やエスクローで未着リスクを抑える。大型の現金授受はマネロン疑義を招かぬよう記録と説明性を確保する。
対応チェーンと使い分け
チェーン選択は手数料・流動性・対応サービスの観点で決まり、初入手はPolygonが無難だが、用途に応じて切り替える。
新JPYC(電子決済手段型)
リリース初期はEthereum/Polygon/Avalancheの3チェーンに対応予定で、将来的な拡張も見込まれる。
旧JPYC Prepaid(参考)
PrepaidはEthereum/Polygon/Avalanche/Astar/Shiden/Gnosisで流通してきたが、2025-05-30で新規発行を停止し、既発行分のみ従来用途で利用される。
ブリッジとクロスチェーン
公式の「JPYC Prepaid Bridge」は2025-04-30で終了しており、チェーン間移動は一度別資産に替えてブリッジ→再スワップが現実解となる。購入時に主利用チェーンを決めておくのが効率的だ。
手数料・上限・KYC・その他の留意点
ルールとコストの“型”を押さえると、運用のつまずきが激減する。
発行・償還・取引手数料
JPYC EXの発行・償還手数料は当面無料が公表されている一方、DEXはプロトコル料(例:0.3%等)+ガス代、海外CEXは取引手数料とスプレッドが実質コストとなる。
上限(制度と運用)
制度面では第二種資金移動業の上限が「1件あたり100万円」。運用案内として「1人1日100万円」相当の目安も示されており、大口は日分割や別スキーム(JPYC Trust等)を検討する。
KYCと対象
新JPYCの購入・償還にはJPKI(マイナンバーIC)の本人確認が必須で、日本国内在住者向けとなる。
ガス代の実務
送金はETH(Ethereum)やMATIC(Polygon)等のネイティブ通貨が必要。少額運用や高頻度決済ならPolygon等の低コストチェーンが適する。過去にはPolygon受取時に少量MATICが付与される施策もあったが、キャンペーン依存のため都度最新案内を確認したい。
Prepaidとの違い
JPYC Prepaidは前払式支払手段で、2025-05-30に新規発行停止。新JPYC(電子決済手段)とは別トークンで相互交換は行われない。Prepaid保有分はギフト券等の従来用途で継続利用できる。
▽ FAQ
Q. 国内でJPYCはどこで買える?
A. JPYC EXで1 JPYC=1円の発行・償還(2025年秋開始)に加え、DEXや一部海外取引所、P2Pでも入手できる。
Q. 新JPYCの対応チェーンは?
A. 初期はEthereum・Polygon・Avalancheの3チェーン。旧PrepaidはAstar等も含む6チェーンで流通した。
Q. 手数料と上限の要点は?
A. EXの発行・償還は当面無料。制度上は1件100万円、運用目安は1人1日100万円。DEXは手数料+ガス代。
Q. KYCは必要?
A. 新JPYCはマイナンバーカードのICチップを用いた公的個人認証(JPKI)での本人確認が必須。
Q. Prepaidから新JPYCに交換できる?
A. 不可。Prepaid新規発行は2025-05-30終了。既発行分はギフト交換等で継続利用可能。
■ ニュース解説
資金決済法改正により発行・流通の枠組みが整備されたため、JPYCは資金移動業ライセンスに基づく電子決済手段として今秋に発行・償還が始まり、初期はETH/Polygon/Avalanche対応で1 JPYC=1円の交換が可能となる。背景にはPrepaid新規発行停止と公式ブリッジ終了があり、チェーンは使途別に選ぶ必要がある一方で、発行・償還無料や透明性強化が普及を後押しする。
投資家の視点:短期的には発行枠・KYC・上限(1件100万円/運用1日100万円)を前提に、決済・送金・円建DeFiのユースケース検証を優先し、価格裁定狙いよりも運用効率(手数料・ガス・流動性)最適化を重視するのが現実的。CEX上場の有無や板の厚みは随時確認し、偽コントラクトやフィッシング対策を強化したい。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:JPYC)