【要約】
・Hyperliquid 将来性を多角的に検証
・HYPEトークンは時価総額130億ドル規模、上場半年で約8倍へ
・VCゼロ&70%コミュニティ配分というフェアローンチが価格を下支え
・取引手数料による“買戻しバーン”が循環供給を継続的に縮小
・独自L1「HyperBFT」で<1秒ファイナリティ/10万件超TPSを実現
・オンチェーンデリバティブ出来高シェア約70%で競合を圧倒
・Binance.USに続く大手取引所上場観測が短期モメンタムを強化
・中期リスクはチームトークン徐放・規制動向・システム拡張の成否
Hyperliquid(HYPE)とは――市場を席巻する“分散型ナスダック”
Hyperliquidは、**高性能レイヤー1「HyperBFT」上で稼働するオンチェーン注文板型DEXです。1ブロック未満で取引が確定し、中央集権取引所(CEX)並みの低レイテンシと高頻度取引を実現。2024年11月のエアドロップ以降、ユーザー数と出来高は急拡大し、2025年6月時点でデリバティブ出来高シェア約70%**を占めています。
価格推移――半年で約8倍、ATH目前を維持
上場初値数ドルだったHYPEトークン価格は、2025年5月末にATH 40.98 USDを記録。24時間取引高は4億ドル規模で、時価総額は上位15位圏(約125億ドル)に到達しました。急進の主因は (1) 公平な配分、(2) 手数料バーンによる買い圧、(3) 取引所上場拡大という三拍子です。
トークノミクス――70%コミュニティ配分と買戻しバーン
区分 | 割当比率 | ロック概要 |
---|---|---|
コミュニティ(初期エアドロ31%+報酬枠38.9%+助成0.3%) | 約70% | 報酬枠は段階的放出 |
コア開発者・貢献者 | 23.8% | 2024/11~25/11完全ロック→27~28年漸次解除 |
財団 | 6% | 用途ごとに随時 |
その他 | 0.01% | Hyperliquidity等 |
バーン設計
取引手数料収入の一部を市場でHYPE買い戻し後にバーン。累計約7.95億ドル相当が既に焼却され、循環供給は総量の33%に抑制されています。
技術的優位――HyperBFTとガスゼロUX
- 1秒未満ファイナリティ、10万~20万TPS
- パーペチュアル取引はガス手数料ゼロ、メイカーには報奨金
- EVM互換「HyperEVM」でDeFiアプリをパーミッションレス展開
結果、プロトレーダー層を中心にCEXからの資金流入が加速しています。
競合比較――dYdX・GMXを数量・速度で圧倒
プロジェクト | 方式 | 時価総額 | 主要差別化 |
---|---|---|---|
Hyperliquid (HYPE) | 独自L1板型 | 125億USD | VCゼロ/買戻しバーン |
dYdX | Cosmos板型 | 4.4億USD | VC比率高・買戻しなし |
GMX | L2 AMM | 1.7億USD | AMMゆえ価格発見遅延 |
出来高シェアはHYPE70%:dYdX20%:その他10%程度と推定され、技術面・トークノミクス面でHYPEが先行しています。
投資家評価――機関マネーの流入と著名人の賛辞
- Arthur Hayes、Mike Novogratzらが公然支持
- TVLは2025年6月に34億USDへ増大
- ウォール街系ファンドも「次のSolana」を探す動きの中でHYPEを選好
草の根コミュニティと機関投資家が同時に熱を帯びる稀有なケースとなっています。
流動性と取引所上場――自前DEX+CEXで厚い板
主要流動性はHyperliquid DEX(USDCペア)。加えてKuCoin・Gate・Bitgetなど中堅CEXに上場済み。2025年春にはBinance.US上場が実現し、Binance本体・Coinbase上場観測も拡大中です。
見通しとリスク――好循環か飽和か
短期(~2025年末)
・取引所上場ニュース、第2回エアドロップ思惑が買い需要を維持
・ATH更新余地はあるが、急騰後のテクニカル調整に注意
中期(2026~27年)
・チームトークン徐放で希薄化が進行──ただし緩やかなスケジュール
・競合チェーンの性能追随・規制強化が不確実要素
・キーは「手数料収入の持続的拡大」と「機関導入の深度」
最新ニュース解説
- Binance.US上場(2025年5月)
初のトップティア系列上場で24h取引高が前週比+60%。流動性波及により一時42 USDを試す動き。 - バリデータセット拡大提案
財団提案により2025年Q3に21→31ノードへ増加予定。分散性向上と同時に自己ステーク要件は据え置き。 - エコシステム資金調達ラッシュ
Hyperliquid基盤プロジェクトが累計1.2億USDを調達(Dexariなど)。ビルダー誘致が加速し、HyperEVM TVLが3か月で2倍に。
これらの進展がHyperliquid 将来性を実需面から裏付けており、短期的な強気材料として市場に織り込まれています。