初日フロア1,600 HYPE―HYPURRとは(Hyperliquid)

▽ 要約

概要 総数4,600体を無償配布、一般向け93.8%が流通
ミント不要 公式が偽ミント注意喚起、二次流通でのみ入手可
フロア 初日1,400~1,600 HYPE、#21が9,999 HYPEで約$467k
リスク 8体盗難も報告、kHYPEや大型アンロックに注意

初期ユーザー記念NFT「Hyperliquid HYPURR」は2025年9月28日に自動配布され、フロアは配布直後に1,400~1,600 HYPEへ急伸した。内訳は4,313/144/143で実質供給の大半が一般に流れ、ミント不要の設計で偽サイト被害も抑制した。一次情報を踏まえ、性質・相場・技術的意義を解説する。

HYPURRの基本情報と配布設計

配布はHyperEVM上で9月28日に完了し、ミント操作不要とする自動エアドロップのため、記念性と安全性を両立した。
HYPURRは猫をモチーフにした公式PFPで、総供給は4,600体。Genesis(2024年11月)でのオプトインに基づき、HyperEVM(2025年2月稼働)上に直接ミント・配布された。公式は「ミント不要・既に配布済、詐欺に注意」と明示し、偽サイト誘導を牽制した。Termsには将来ベネフィットを紐づけ得る一方で“保証はしない”旨が記され、現状は記念コレクタブルの位置づけである。

配布対象と内訳(4,313/144/143)

一般4,313・財団144・貢献者143に按分されたため、実質流通は約93.8%が一般保有となった。
Genesis参加者を中心に配布され、財団・開発者・招待アーティストへも限定配分。財団保有分の市場放出は観測が乏しく、初期二次流通では一般配布分が主な供給源となった。

ユーティリティの公式方針

将来ベネフィットが紐づく可能性は示しつつ保証はなく、現時点では記念性重視の設計である。
市場では手数料割引や追加エアドロップ等への期待も語られるが、公式ロードマップとして確約はない。したがって価格形成は希少性とコミュニティ評価、投機的需要の寄与が大きい。

市場動向:フロア・出来高・大口取引

配布直後にフロアが1,400~1,600 HYPEへ上昇し、24時間で数千万ドル規模の出来高となったため、稀少性と投機が需給を一気に逼迫した。
最も注目を集めたのは#21の9,999 HYPE(約46.7万ドル)での取引だ。公式ローンチ前からOTCでは3~6万ドルでの約定が散見され、直前には8.8万ドルの事例も報告された。配布翌日以降は指値の厚みが増し、フロアは1,000~1,200 HYPE台に調整しつつも高値圏を維持している。HYPE価格の変動を考慮すると、ドル建てフロアも5万~7万ドル帯で推移した。

二次流通と入手方法

新規ミント不可のため、二次流通(OpenSea/Drip.Trade)での購入が唯一の入手経路となる。
OpenSeaではHyperEVM対応のコレクションページが公開され、フロアや出来高指標が確認できる。Drip.Tradeでは板・OTC機能の双方を通じて流動性が形成され、レア属性の高額落札も早期から可視化された。

セキュリティ・注意点

配布直後に8体盗難が報告されたため、フィッシングや偽ミント誘導への警戒が不可欠となった。
被害は“配布先ウォレットの侵害”を突いた二次的攻撃で、公式の自動配布自体にミント手続を伴わない点はセーフティネットとして機能した。保有者は署名前のドメイン確認、承認権限の点検、ハードウェアウォレット利用を徹底したい。

関連:【$HYPE】ハイパーリキッド(Hyperliquid/ハイリキ)エアドロップ完全ガイド|2025最新

エコシステムへの影響と技術的意義

HyperEVMの量産配布でNFT×DeFiの拡張とユーザー獲得が進む一方、kHYPEのペグ不安や大型解禁がHYPE相場の上値を抑える。
HyperEVMは2025年2月に稼働し、HyperBFTを介してHyperCoreの板流動性と双方向連携する。HYPURRは同アーキテクチャの実証例で、ミント不要・自動配布のスケーラビリティと低コスト性を示した。コミュニティ主導のNFTレンディングや収益分配プロトコルの萌芽も見られ、NFTを担保資産として扱うアプリの展開が期待される。

HyperEVMと連携

EVMがL1と同一合意層(HyperBFT)で動くため、NFTの状態管理と取引所レイヤーの接続性が高く、二次アプリの設計自由度が大きい。
コア流動性とのシームレスな接続は、担保化・ボールト・LST等の実装を後押しする。HYPURRはその“文化的トークン”として、新規ユーザーの流入と開発者の実験性を高めた。

HYPE相場との連動

HYPEは配布直後に約5%上昇し47ドル近辺まで戻したが、9月18日のATH $59.30には届かない。
背景には、ステーク代替資産kHYPEの一時的なペグ不安や、11月29日開始の237.8M HYPE(24か月線形)解禁観測がある。一方、エコシステムのTVL増・新規板ペア拡充・USDH導入など、基盤整備は進展している。

▽ FAQ

Q. HYPURRの発行数と配布日は?
A. 総数4,600体を2025-09-28に自動配布。内訳4,313/144/143で一般向けが93.8%を占める。

Q. 今からの入手方法は?
A. 新規ミント不可。OpenSeaとDrip.Tradeの二次流通で購入のみ。偽ミント誘導に注意。

Q. 初日の相場は?
A. フロア約1,400~1,600 HYPE、出来高約95.2万HYPE、#21は9,999 HYPEで落札。

Q. 公式ユーティリティはある?
A. 規約上“付与可能性あり”だが保証なし。現状は記念コレクタブルの設計。

Q. 盗難の事例は?
A. 配布当日に8体盗難で約40万ドル相当と報告。署名・承認管理を徹底したい。

■ ニュース解説

HYPURRを無償・自動で配布したため初期支持者のロイヤリティが上がり二次市場は過熱した一方で、kHYPEのペグ揺らぎや大型アンロック懸念が残りHYPEの上昇は限定的となった。
事実関係:配布は2025-09-28、総数4,600体、内訳4,313/144/143。フロア1,400~1,600 HYPE、#21が9,999 HYPEで約$467k。盗難8体も報告。背景:HyperEVM(2025-02)稼働とコミュニティ重視の設計、ミント不要の“詐欺対策”。影響:NFT×DeFiの応用拡大や新規流入が期待されるが、トークン解禁と周辺リスクが需給の上値を抑えうる。
投資家の視点:相場はHYPE/ドル双方のボラに依存するため、価格帯ではなくHYPE建ての指値管理・分割売買・板厚確認を重視。保管面はハードウェアウォレット+承認権限の定期レビュー。イベント面ではユーティリティ発表、主要DApp統合、解禁スケジュールの変更など“非連続点”をトリガーとしてモニターしたい。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考;Hyper Foundation,OpenSea,Drip.Trade