2026-02-19 恐怖指数9、規制とETFが焦点

▽ 要約

価格:BTC$66,420、30日-28%台
心理:恐怖指数9でリスクオフ継続
規制:日本は金商法化、米は当局協調、EUはMiCA運用
実務:ETF多様化と事故再発が分岐点

要銘柄は30日で急落し恐怖指数は9、日米EUの規制設計とETF商品化、セキュリティ再発が次のボラ要因になる。

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暗号資産は反転材料が見えにくい局面だ。2026-02-19は主要銘柄が30日で大幅安となる一方、短期は小動きでセンチメントの冷え込みが際立つ。恐怖指数9の背景にある需給・規制・ETF・セキュリティを、投資家の実務目線で解説します。

市況総括(価格・フロー・センチメント)

主要銘柄は30日で大幅安だが短期は小幅な上下にとどまり、戻り局面の売り圧力が残っている。

CoinGecko集計では時価総額は約$2.37T、24時間出来高は約$90.8B、BTCドミナンスは56.23%前後だった。
集計はスナップショットのため、取引所や算出時刻で数値は変動する。

BTCは$66,420前後で24時間-1.30%、30日-28.25%と水準訂正が続く。
ETHも$1,955.73前後で30日-38.84%と下落幅が大きく、アルトは相対的にボラが高い。

資産価格(USD)24時間7日30日
BTC66,420-1.30%-1.44%-28.25%
ETH1,955.73-1.27%+0.27%-38.84%
XRP1.42-3.61%+3.28%-28.68%
BNB602.74-2.17%-0.70%-34.70%
SOL81.49-3.97%+2.42%-38.86%
DOGE0.098164-2.33%+7.84%-23.81%
ADA0.272555-2.68%+6.74%-25.89%
AVAX8.84-3.03%+1.90%-30.59%
DOT1.31-2.50%+3.60%-35.19%

Alternative.meのCrypto Fear & Greed Indexは9(Extreme Fear)で、前日8から小幅に変化した。
短期の裁量資金は守りに傾きやすく、悪材料が出た際の反応が増幅されやすい。

オンチェーンではBTCの日次確定取引数が直近30日で約289k〜702kのレンジで推移した。
ただし送金・取引所移動・運用の混在指標であり、価格の方向性を一意に決めるものではない。

SNSでは米投資家のETF資金流出が続くとの報道共有もあり、需給材料が意識されている。
短期はフローの変化が先物・現物双方のボラティリティを押し上げやすい。

規制・政策アップデート(日本・米国・EU)

2026-02は日本の金商法化議論、米当局協調、EU MiCA運用の具体化が同時進行している。

日本:金商法化とサイバー強化が同時進行

金融庁は暗号資産を「投資対象化が進展」と位置付け、利用者保護と取引公正の枠組みを証券類似へ寄せる方向だ。

金融審議会WGの報告(2026-02-03)は根拠法を資金決済法から金商法へ変更し、有価証券とは異なる金融商品として位置付ける案を示した。
対象範囲は現行の暗号資産定義を維持し、NFTやステーブルコインは今回の見直しの外側に置く整理だ。

情報提供では、発行者が資金調達を行う暗号資産は発行者に、発行者のいないBTC等は交換業者に義務を課す設計が提示された。
ホワイトペーパーの記載と実コードの差異、詐欺的勧誘の増加、投資助言の不適切行為といった課題認識が背景にある。

業規制は第一種金融商品取引業に相当する枠組みを基本とし、売買審査や顧客適合性の体制強化が列挙された。
不公正取引ではインサイダー規制の創設に加え、課徴金や犯則調査権限の整備も論点になっている。

関連:取引所スプレッドとBTC市況

セキュリティ面ではサプライチェーン全体での管理高度化に加え、重要なシステム提供者への規制導入や責任準備金の積立が示された。
別資料(2026-02-10)は、委託先侵入やソーシャルエンジニアリングなど間接攻撃を踏まえ、2026事務年度以降のCSSA実施などを打ち出している。

米国:SEC/CFTCの「Project Crypto」と立法の綱引き

SECとCFTCは市場構造のルール整備に向けた協調姿勢を示す一方、議会立法はステーブルコイン設計で摩擦が残る。

SEC当局者は2026-01-29のイベントで、原則ベースで明確なルールを整備し、規制の予見可能性を高める考えを述べた。
CFTC側も「Project Crypto」の次段として、分類(タクソノミー)や共同ルール策定など“ハーモナイゼーション”を掲げている。

一方でClarity Actは、ステーブルコインの利払い・リワード設計を巡る銀行側と業界側の対立で調整が難航したと報じられた。
財務当局は同法案を春までに成立させるべきと述べたとされるが、政治過程リスクは短期ボラ要因として残る。

EU:MiCA下で「人材要件」と「決済接続」が焦点

MiCAは統一ルールを用意したが、運用段階ではCASPの人材・体制とステーブルコインの決済規制接続が実務課題になる。

ESMAはMiCA下の知識・能力評価ガイドライン(2026-01-28)を公表し、情報提供と助言で求める水準を整理した。
DLTの仕組み、ガス費用、ソーシャルメディアが価格変動を増幅し得る点、サイバーリスクなど、説明責任の射程を広げている。

EBAは「ノーアクション」移行の終了(2026-03-02)に向け、EMTがPSD2に該当する場合の当局対応を示した。
MiCAのライセンス期限が近づく中、フランス当局が未対応企業の存在に懸念を示したとの報道もあり、域内で“適法提供できる事業者”の選別が進む。

企業・プロジェクト動向(ETF・取引所・L1開発)

商品化とインフラ整備が進むほど参入は容易になるが、設計の複雑性と規制論点も同時に増える。

ETFと機関向け:ステーキングが「商品機能」として組み込まれる

Canary CapitalはSUI現物ETFにステーキング報酬を組み込み、上場商品が「利回り」を内包する段階に入った。

Canaryは2026-02-18、Canary Staked SUI ETF(Nasdaq: SUIS)の取引開始を公表した。
ステーキング報酬は得られた場合に純資産価値(NAV)へ反映する設計で、上場商品とオンチェーン利回りの接続が一段進む。

大手金融ではMorgan StanleyがBTCとSOLに連動するETFを申請したと報じられた。
口座内での投資導線が増えるほど、現物保有の手続き負担を避けたい層の需要を吸収しやすい。

機関取引の文脈では、Coinbase Primeがステーク済みETHのボールトをオフチェーンで移転できる仕組みを説明した。
出金待ち(exit queue)を回避しつつポジション移管できるため、ステーキングが担保・流動性設計に組み込まれやすい。

取引所:上場維持条件の明文化で「流動性リスク」が可視化

Binanceの上場廃止は、アルト投資で「取引所リスク」が価格リスクと同じくらい重要になったことを示す。

BinanceはACA/CHESS/DATA/DF/GHST/NKNを2026-02-13 03:00 UTCに現物取引停止すると告知した。
判断要素として出来高・流動性、規制要件、トークノミクス変化、チーム対応などが列挙され、上場維持は“継続審査”の性格を強めている。

L1開発:Ethereumは「Scale/UX/Harden」、Solanaは合意・収益配分の改良

L1は性能競争だけでなく、信頼性と運用コストを下げる改良が中期シナリオを左右する。

Ethereum Foundationは2026-02-18の更新で、Scale/Improve UX/Harden the L1の3トラックを掲げた。
ガス上限引き上げやブロブ拡張、アカウント抽象化、L1堅牢化を並行し、L2前提の処理能力と安全性を同時に狙う。

Solana Foundationは2026-02-03にNetwork Upgradesを更新し、Vote Account V4やRent Reduction、Alpenglow等の状況を整理した。
Alpenglowは150ms確認を掲げ、SIMD-123はブロック収益を委任者へ配分する仕組みとして開発中とされる。

セキュリティとオペレーショナルリスク

資金流出は「コードの欠陥」と「運用の穴」の両方から起きており、分散化=安全とは限らない。

CrossCurveでは2026-02-09ごろ、約$3Mの流出が発生し、ブリッジのアクセス制御とメッセージ検証が論点になった。
クロスチェーンは検証の複雑性が高く、1点の想定外が複数チェーンへ波及しやすい。

Step Financeでは2026-01-31に約$40Mが流出し、経営陣端末の侵害が起点と報じられた。
鍵管理や権限設計の脆弱性は、プロトコル外の“人と端末”から顕在化しやすい。

日本の当局資料でも、委託先侵入やSaaS依存を含むサプライチェーン管理の高度化が強調されている。
取引所・ブリッジ・カストディを横断して、権限棚卸しと監視体制を前提条件として捉えたい。

▽ FAQ

Q. 恐怖指数9は何を意味する?
A. Alternative.meは2026-02-19に9(Extreme Fear)を表示し、前日8からの変化でも心理の弱さが残る。

Q. 日本の金商法化議論で何が変わる?
A. 金融庁WG報告(2026-02-03)は資金決済法→金商法へ整理し、課徴金やインサイダー規制の創設も検討する方針だ。

Q. EU MiCA運用でCASPは何を求められる?
A. ESMAは2026-01-28にMiCAの知識・能力ガイドラインを公表し、CASPの助言業務に高水準を要求し研修が焦点だ。

Q. ステーキングETFの注目点は?
A. CanaryのSUISは2026-02-18にNasdaqで取引開始し、ステーキング報酬をNAVへ反映する設計だ。

Q. 直近の事故は何が教訓か?
A. CrossCurveは約$3M(2026-02-09)、Step Financeは約$40M(2026-01-31)で運用面の穴が焦点。

■ ニュース解説

主要銘柄が30日で大幅安の一方で制度整備が進むので、価格より「受け皿と統制」の変化が次の分岐点になりやすい。
ただし商品化が進むほど設計は複雑化するため、規制タイムラインとセキュリティ再発の両面を見ておきたい。
投資家の視点:イベント日程(日本WG・米立法・EU移行)とETF商品設計、取引所・ブリッジの運用統制を軸に、流動性とリスク許容度を点検する。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

(参考:金融庁