▽ 要約
・ETH市場動向で巨鯨が累計70,465 ETHを短期取得
・平均取得単価は2,647.7 USD、依然1.5億 USDCを保有
・ETH現物ETFは2.176 百万USD流出し19日連続流入が停止
・グレースケールは流入継続、フィデリティは最大流出
・巨鯨買い vs ETF流出が示す需給ギャップに注目
ETH市場動向と巨鯨買いの概要
チェーン分析によれば、過去に2回の波動売買で総額3,045万USDを得ていた巨鯨/機関投資家が、わずか3日間で1.86億 USDCを投じ70,465 ETHを取得した。直近1時間でも1,000万 USDCで3,875 ETHを追加購入しており、取得ペースは衰えていない。残存1.5億 USDCはさらなる買付余力を示唆するものの、動向の真意は公表されていない。
70,465 ETH累積購入の内訳
期間 | 購入ETH | 支出USDC | 平均価格(USD) |
---|---|---|---|
過去3日合計 | 70,465 | 186,000,000 | 2,647.7 |
直近1時間 | 3,875 | 10,000,000 | 2,581.9 |
平均コストがスポット価格付近と推測されることから、同投資家は中期保有を視野に入れている可能性が高い。短期投機であればETF流出と重なる局面での大口買いはリスクが大きいためだ。
ETH市場動向としてのETF資金フロー
SoSoValueによると、2025年6月13日(米東部)のETH現物ETF全体のフローは‐217.6万USD。これにより19営業日続いた純流入トレンドが途絶えた。
ETF別フロー比較
- 最大流入: Grayscale Mini Trust +666.91万USD
累計流入 7.35億USD - 最大流出: Fidelity FETH ‐884.51万USD
累計流入 15.94億USD
全ETFの純資産総額は100.30億USDで、ETH時価総額比は3.26%。累計純流入は38.55億USDに到達しているものの、今回の流出は機関需要の一服を示唆する。
ETH市場動向が示す短期的シグナル
巨鯨の積極買いとETFからの資金流出という対照的な需給は、市場参加者の見方が二極化していることを物語る。
- 強気材料:
- 大口投資家の累積買い=価格下支え
- 平均取得コストが現行水準=押し目買い意欲
- 弱気材料:
- ETF純流出=機関の短期調整入り
- 流入持続性への不安=ボラティリティ拡大リスク
これらが交錯することで、短期的には価格が方向感を欠きやすい。取引量の増減や追加ETFデータが、次のトレンドを決める鍵となりそうだ。
■ ニュース解説
今回の巨鯨買いは、ETF市場での資金流出が顕在化した同タイミングで行われた点に注目が集まる。
- 流動性確保
巨鯨の買付は、ETF経由ではなく直接現物市場で実施されており、ETF流出による売り圧力を相殺する形となった。 - ポジション戦略
過去に波動取引で利益を確定している同投資家は、ETF調整局面を再エントリーの好機と見た可能性がある。 - 市場インパクト
①巨鯨の購入規模は現物取引高に対して依然限定的であるため、即座に価格を押し上げる力は限定的。
②ETFフローが再びプラス転換すれば、需給両面から上昇圧力が強まるシナリオも視野に入る。
③反対にETF流出が続けば、巨鯨買いが高値捕まりとなるリスクも否定できない。
総じて、短期的には巨鯨買い=下値支持線、ETF流出=上値抵抗線という構図が形成されやすい。次週以降のETFフローとチェーンデータを突き合わせることで、ETH市場動向の転換点を探る局面が続くだろう。