▽ 要約
マーケット概況:BTC最高値更新、ETHは3000ドル台乗せ。
資金フロー:現物ETF5日連続流入、機関買いが主導。
アルト急伸:SUI・ARBなど前日比2桁上昇で“アルトシーズン”観測。
リスク要因:基金会が1210ETH売却、3000ドルに厚い売り。
今後焦点:米FOMC利下げとSOL‐ETF審査が分水嶺。
ETH3000ドル突破という見出しが暗号資産市場を駆け巡った。
「この勢いは続くのか?」という疑問に、本稿は結論として「持続条件は揃うが、短期は調整を挟む可能性大」と示す。読めば、市場が意識するレジスタンス・資金フロー・政策イベントを体系的に把握できる。
上昇の三大ドライバー
冒頭で結論:ETF流入・関税“脱敏”・利下げ期待が揃い、買い優勢。
機関マネーは『第二のBTC』を模索
BTC ETFへの安定流入を受け、ETH・SOLのETF承認期待が高まる。現物BTC ETFは7月10日時点で5日連続純流入を記録し、ETHにも波及。
関税ショックが効かなくなった心理的変化
米中関税報道は“オオカミ少年化”し、過度なリスクオフが剝落。市場は材料を強気に解釈しやすい地合いへ転換。
FRB要人のハト派発言
サンフランシスコ連銀デイリー総裁は「秋に2回利下げの可能性」と示唆。理事ウォラーも「7月会合で利下げ検討」を表明し、ドル安期待が台頭。
アルトシーズンの条件と現在地
ETH 3000ドル定着が点火プラグ。OI(未決済建玉)が時価総額を上回る複数銘柄で裸空頭寸が積み上がり、ショートスクイーズの素地がある。
強気派の根拠
- ETHは4月安値から倍増し、業界の牽引役に返り咲き。
- Layer‑2拡張とRWA(現実資産)トークナイズで手数料燃焼が加速。
- 取引所のSOL ETF対応が視野に入り、アルト全体の評価見直しへ。
弱気派の反論
DWF LabsのGrachev氏は「主要アルトはBTCをアウトパフォームできない」と指摘。資金が大型銘柄に集中し、中型アルトの伸びは限定的とみる。
短期テクニカルとオンチェーン動向
ETHは3000ドルに厚い売り壁。CoinDeskモデルでは抵抗帯、2750ドルが支持帯。
過去24時間の全市場清算は10.78億ドル、そのうち空売りが9.69億ドルと偏在。清算加速が短期ボラティリティを高める。
基金会・企業の売買動向
イーサリアム基金会の売却
7月11日、基金会が1210ETHを平均2889.5ドルで売却。過去の“逃頂”実績が短期警戒を招く。
企業の戦略買い
SharpLink Gamingは6月以降23.2万ETHを平均2615ドルで取得し、含み益8425万ドル。
上場企業の“マイクロストラテジー型”累積購入は価格下支えに。
今後の注目イベント
- 7月31日 FOMC:ドットチャート更新と利下げ有無
- 8月上旬 SOL ETF審査結果
- Q4 予想:米“ビッグ&ビューティフル法案”可決動向
- 主要企業の決算期:財務ETH保有増の有無
▽ FAQ
Q. ETHはなぜ3000ドルを突破できたのか?
A. ETF資金5日連続流入とFRBハト派発言で機関買いが集中したため。
Q. アルトシーズンとは?
A. ETH高騰を起点にアルトコイン全体が連鎖高する相場局面。
Q. 3000ドルに売り圧が厚い理由は?
A. 取引所板情報で3000ドル周辺に大量売り指値が並ぶうえ、基金会売却で心理的圧力があるため。
Q. ETH短期下値メドは?
A. オンチェーン流動性とOI集中帯から見て2750ドルが目安。
■ ニュース解説
本件は「資金循環の起点がBTCからETHへシフトしつつある」点が核心だ。ETF・RWA・Layer‑2拡充が重なることでETHの“生産性”が評価され、アルトシーズンを呼び込む可能性が高まる。一方、基金会売却や3000ドル節目は短期ボラティリティを高める要因である。投資家はファンダの追い風と需給の歪みを併せて注視すべきだ。
(出典:PA一線,Odaily星球日报,Coinglass,TechFlow, SNZ Capital)