▽ 要約
マクロデータ:米商務省×ChainlinkがBEA統計を配信。
DEX動向:HyperliquidでXPL急騰、損失6,000万ドル。
機関資金:17社で340万ETH、ETF流入133億ドル。
プロジェクト:Lineaが9月TGE、10月にETH利回り。
「今日の要点は何か」を短時間で把握したい読者に向け、本稿は仮想通貨ニュース 2025年8月29日 の主要トピックを一次情報ベースで整理し、相場・規制・プロジェクトの交差点を数値で示すことで、翌週の投資判断に使える骨子を解説する。
米商務省×Chainlink、BEAマクロ統計がオンチェーンへ
BEAのGDPやPCEなど6指標がChainlink経由で10チェーンへ配信開始となり、トークン化やマクロ連動DeFiの実装が現実段階に入った。
主要ポイントは①対象指標6種(実質GDP水準・年率変化、PCE総合水準・年率変化、民間最終販売水準・年率変化)、②更新頻度は月次/四半期、③初期対応チェーンはArbitrum/Avalanche/Base/Botanix/Ethereum/Linea/Mantle/Optimism/Sonic/ZKsyncの10ネットワーク、という構成だ。配信経路を公的APIからオラクル網へ広げることで、予測市場やマクロ連動利回り、オンチェーンIR/ダッシュボードの自動更新などが可能になる。
9チェーン版の「速報」も
Bloomberg経由の報道では、政府がGDPのハッシュをビットコインやイーサリアム等9チェーンへ配置する動きも伝えられており、実装仕様の細部は当面併存する可能性がある。
Hyperliquid——XPL急騰の連鎖とHYPE高値の二面性
XPLプレマーケットで約5分間に+200%の急騰が生じ、ショートの連鎖清算で推定6,000万ドルの損失が発生したため、孤立市場の構造リスクが再認識された。
当該局面では建玉が1.53億ドルから2,244万ドルに急減し、攻撃側の利益は4,600万ドル超と推計された。プラットフォーム側は「設計どおり機能し不良債権は発生せず」と説明。一方、指標価格のロバスト性向上へ、外部プレマーケットPERP価格を組み合わせる方針が示された。
HYPEトークンの資本効率
HYPEは年内高値更新(50ドル台)で、収益の97%(将来99%)をバーンに回す設計、初回エアドロップ31%、少人数運営(約11名で1人当たり1億ドル超の売上効率)など、強いトークノミクスが評価材料となっている。もっとも、HyperEVMの利用者規模や中央集権性に対する懸念は残る。
清算設計の違い(補足)
同時期にLighterでもETH価格のスパイクが観測。清算はマーク価格が基準となり、Hyperliquidは板寄せ的清算、Lighterは段階的ゼロプライスIOCで健康悪化の抑制を志向するなど、DEXごとに実装差がある。薄い板・未上場原資産・OI/時価総額比が高い銘柄は特に注意が必要だ。
機関マネーの動向——ETH保有は記録更新、ETF流入も拡大
第2四半期に機関のETH保有が過去最高、上場17社で計340万ETH、Bloomberg集計のETF保有は97.6万ETH(24.4億ドル)規模に達し、8月26日までのETH ETF累計流入は133億ドルへ拡大した。Goldman Sachsは28.8万ETH相当で最大保有者とみられる。
投資顧問が主導(13.5億ドル=53.98万ETH)、ヘッジファンドが続き(6.87億ドル=27.48万ETH)、ブローカーも増加。一方、年初来の資金ローテーションで、BTCからETHへの相対的な資金シフトも観測された。
規制・政治——監視強化と政策イベントの価格波及
CFTCがNasdaqの監視プログラム導入で暗号資産の不正・操作検知を強化し、クロスマーケット分析や自動警告を実装する見込みのため、デリバティブ市場の監視一体化が進む。
米政権とFRBの綱引きや人事を巡るニュースは短期ボラティリティを増幅させ、8/25~26にかけてBTCが108,600ドルまで下落、24時間清算9.35億ドル超という急変動も発生した。相場の方向性が流動性・政策・物語により左右されやすい地合いが続く。
プロジェクト・資金調達——Linea、RWA/Stable、DATs 2.0
Lineaは2025年9月にTGE(初期評価約20億ドル)を予定し、10週間の「Linea Ignition」に加え、10月にETHネイティブ利回り機能を導入する計画で、供給の85%をエコシステム・開発者に配分する。
AvailはArcanaを買収し、XAR→AVAILの4:1交換(6~12か月で段階アンロック、チームは3年ベスティング)を提示、モジュラー基盤の一体化を進める。
Swiss銀行SygnumとLednは5,000万ドルのBTC担保ローン借換えを完了、MANTRAはOMの2,500万ドル買い戻しを開始するなど、RWA/金利系・自社トークンの資本施策が相次ぐ。
WLFIの「三位一体」設計
WLFIはRWA担保のUSD1(BitGoカストディ、Crowe監査、過担保)を基盤に、Nasdaq上場ALT5 Sigmaの最大7.5億ドルコミットという市場ゲーム、米規制同調という物語の三層構造で評価されるが、中央的な価格裁定や政策転換リスクへの注意が要る。
DATs 2.0(生産直結モデル)
FLock×CIMGの提携は、単なる保有ではなくAIヘルス製品「LifeNode」の共同開発を軸に、トークン価値と事業成果を結び付けるDATs 2.0の試みとして注目される。
▽ FAQ
Q. 米商務省×Chainlinkの配信内容と対応チェーンは?
A. BEAのGDP等6指標を配信。初期は10チェーン、月次/四半期更新。
Q. HyperliquidのXPL急騰での推定損失額は?
A. 連鎖清算で最大6,000万ドル。建玉は1.53億→2,244万ドル。
Q. 機関投資家のETH保有はどの程度増加?
A. 上場17社で340万ETH。ETH ETF累計流入は8/26に133億ドル。
Q. Lineaのトークン計画の要点は?
A. 9月TGEで約20億ドル評価、供給の85%をエコシステム配分。
Q. WLFIを評価する際の主要リスクは?
A. 7.5億ドルコミットの市場操作リスクと米規制方針の転換。
■ ニュース解説
公的マクロ統計のオンチェーン配信が始まり流動性の質が改善する一方、孤立市場での清算連鎖や政策イベントの不確実性が増したため、短期ボラは高止まりしつつも中長期の制度化は前進している。
投資家の視点:①薄商い・未上場原資産のPERPはOI/時価総額比や深さ2%の板コストを必ず確認、②DEXごとのマーク価格と清算仕様を把握、③ETFフローとRWA/金利系の資本政策(日々の買戻し・借換え)を週次で点検、④マクロ統計の配信タイムラグとチェーン対応状況を監視。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:Chainlink Blog)