機関資金が動かすステーブルコインとBTC――7月1日市場総括

▽ 要約

ステーブル拡大:USDC・USD1が高回転を記録し資金速度がUSDTを上回る
企業のBTC戦略:Metaplanetなど上場企業が現物買いを継続
規制の転換点:韓国はCBDCを棚上げし民間ステーブルへ軸足
ETF解禁:REX‑OSPREYがSOL現物ETFを7月3日上場へ
市場課題:流動性集中と大型アンロックでボラティリティ高止まり

「ステーブルコインは、インターネットの“デフォルト決済層”になりつつある」。PayPalやStripeの事例を挙げたAlchemy幹部の指摘どおり、2025年夏の暗号資産市場は“ステーブルコインドリブン”へと様変わりしている。では、韓国CBDCの棚上げ、上場企業のビットコイン買い増し、そしてSolana ETF上場という連鎖は、実際にどのような資金フローを生み出すのか。本稿では情報を精査し、投資家が取るべき戦略を提示する。

韓国CBDC停止で浮上した「ウォンステーブルコイン」

中央集権型CBDCより銀行発行の民間ステーブルが優先課題となった。

9行コンソーシアムOBDIAの台頭

韓国国民・新韓・ハナなどメガバンク9行が、OBDIAを通じて韓ウォンステーブル発行を議論。立法準備も水面下で進行。

潜在リスクと国内外影響

CBDC停止は一時的だが、ウォン建てステーブルが急成長すると、KRW→USDTの需要減で外貨流出抑制効果が期待される。

機関のBTCバランスシート戦略が加速

ゼロ金利債による資金調達で企業が現物BTCを積み増す流れが再燃。

Metaplanet:1,005枚追加取得

同社は300億円ゼロクーポン債で得た資金をBTCへ充当し、合計13,350枚へ。

英国Cel AI・西班牙Vanadi Coffeeの参入

伝統企業が相次ぎBTC準備金を宣言。ビットコインETFと企業保有が相乗効果を生む。

ステーブルコイン“新三強”─USDT・USDC・USD1

24時間出来高でUSD1が3位に浮上、政治ドライバーの新規資金が流入。

USDC:資金速度がUSDTの2.8倍

Circle上場で透明性需要が拡大し、DeFi・TradFi横断の基盤に。

USD1:トランプ銘柄の爆発力

12.5億ドルの出来高は「Fairshake PAC」資金計画とも連動し、選挙関連フローを示唆。

SOL現物ETFとレイヤー1マネーフロー

7月3日のREX‑OSPREY上場はSOLのみならずトークン化株(XStocks)と相関強化へ。

流動性の“東行”シナリオ

Krakenの株式トークン60銘柄ローンチで、オンチェーン株からSOLエコシステムへの波及も予測。

短期リスク:大型トークンアンロックと信用収縮

7月1日〜2日にSUIほか総額2億7千万ドル相当が市場へ。流動性が吸収できない場合、ボラティリティ拡大は避けられない。

  • Q. 韓国CBDC停止は恒久的ですか?
    A. いいえ。テスト第2段階前の一時凍結で、民間ステーブル法整備の進捗次第で再開予定です。
  • Q. 企業がBTCを購入する主な資金源は?
    A. 日本Metaplanet同様、ゼロ金利社債や株式増資で調達した低コスト資金が主流です。
  • Q. USD1出来高急増の要因は?
    A. トランプ陣営関連PACへの資金流入期待と、高利率LP報酬が重なったためです。
  • Q. SOL ETF上場で想定される価格影響は?
    A. 現物需要増が前提ですが、発行枠が小さいため短期より中長期での流入が濃厚です。
  • Q. 7月前半の最大下落リスクは?
    A. SUI・OP等の大口ロック解除と、デリバティブ高レバレッジ解消が同時進行する点です。

■ ニュース解説

今回の材料は「中央銀行 vs 民間ステーブル」「企業 vs ETF」という二つの軸で整理できる。

  • 政策面:韓国はCBDC保留で民間案を容認、中国・EUのアプローチと対照的。
  • 資本面:Metaplanet・Cel AIのような“マイクロストラテジー型”企業が増えると、市場価格の下支えが強まる。
  • 技術面:Solana ETFは高速チェーンの実用性と規制適合を示す試金石となる。

(出典:PA日报,昨夜今晨重要资讯,USDC供給とCircle評価レポート, Kraken発表)