【要約】
・スタンダード・チャータード銀行がFalconXと提携し、機関投資家向けの暗号通貨サービスを拡充
・タイガー・カード証券(香港)がBTC・ETHなど主流仮想通貨の入出金サービスを開始
・DeFi Development Corp.が約2360万ドルを投じSOLを大幅買い増し
・Synthetixコミュニティが分散型オプションプラットフォームDerive買収を提案
・Pudgy Penguins CEOによれば、Abstract Chainのトークンローンチ(TGE)はQ4予定
・Abraxas CapitalがETHを累計5.61億ドル分購入し、買い圧が増大
・米連邦準備理事会はステーブルコインが銀行預金に与えるリスクを警戒
・モルガン・スタンレーやイーサリアム関連の投資・買収・上場動向など多数
規制・金融大手の最新動き
FalconXとスタンダードチャータード銀行の新提携
仮想通貨ニュースとしてまず注目されるのが、渣打銀行とデジタル資産ブローカーFalconXの連携です。渣打銀行はグローバルに事業を展開しており、新たに機関投資家向けの暗号資産サービスを共同で提供する計画を発表しました。新規参入が著しいシンガポールを起点とし、アジア全域・中東・米国へと順次展開するとされています。これにより、金融大手が仮想通貨市場へ更なる信頼感をもたらすと期待されています。
タイガー・カード証券(香港)の暗号資産サービス拡充
香港証券先物委員会のライセンスを取得している**タイガー・カード証券(香港)**が、BTC・ETHなどの入出金(提存)サービスを本格的に開始しました。一定数以上のBTCもしくはETHを60日間維持することで株式報酬が得られるキャンペーンも提供しており、香港におけるユーザーの仮想通貨取引をいっそう活性化させています。
米連邦準備理事会のステーブルコイン警戒
米国では、ステーブルコインによる銀行預金の外流や、地元銀行の融資能力が削がれることへの懸念が表明されました。特に非銀行系が発行するステーブルコインが、銀行の規制を回避して資金を吸い上げる事態を警戒。金融システムへの影響が着目されており、同時に中央銀行デジタル通貨(CBDC)との競合も注目点です。米連邦準備理事会はこの分野を厳しく監視し、同等の流動性規制を適用するよう議会に求めています。
直轄領・直布羅陀のクリアリング規則
ヨーロッパ近辺では、直布羅陀が暗号資産デリバティブ清算・決済に関する世界初の包括的規則を整備する見込みです。従来、取引所が担当していた清算機能を独立した専門機関に委任し、より透明性の高いレバレッジ取引を実現する狙いがあります。直布羅陀金融サービス委員会(GFSC)が中心となり、これまで未整備だった領域の安全性を高める方針です。
主要アルトコイン&DeFiプロジェクトのトレンド
DeFi Development Corp.、SOL大量買い増し
ナスダック上場企業であるDeFi Development Corp.(旧称Janover)は、**約2360万ドル分のSOL(172,670枚)**を追加購入しました。同社のSOL保有総数は約59万6千枚に到達し、評価額は推定1億ドル超に。追加取得した分はステーキング運用される予定で、SOLのさらなる価格支持要因となっています。
Synthetix、分散型オプション「Derive」買収へ
合成資産プロトコルSynthetixコミュニティは、2700万ドルの評価で去中心化オプションプラットフォームDeriveを買収する提案を打ち出しました。SynthetixはこれまでKwenta・TLXを傘下に収めるなど、エコシステム内のプロジェクト統合を進めています。Deriveは独自のオーダーブック型永続契約技術を実装しており、その吸収によりSynthetixのデリバティブ機能が一段と強化される見通しです。
Arbitrumがゲーム分野に1000万ドル投資
イーサリアムL2のArbitrumは、Arbitrum DAOの2億ドル規模資金からゲーム開発やインフラ構築プロジェクトに1000万ドルを投資。Wildcardをはじめ複数のスタジオやレイヤー3プロジェクトなど5件が既に助成対象に選ばれました。今後のブロックチェーンゲームの拡充に向けた動きが加速しています。
取引所とトークンリスティング
UpbitにてNXPC上場
韓国の大手取引所Upbitが、NXPC(NEXPACEトークン)をウォン・BTC・USDTの3市場に同時上場予定と発表しました。取引開始日時は追って案内される予定で、韓国におけるNXPCの流動性拡大が見込まれます。
Binance Alpha関連
Binanceの提供するAlphaプラットフォームでも、新規銘柄の**Bluefin (BLUE)やPrivasea (PRAI)**などがTGE(Token Generation Event)を実施。一定のAlphaスコアを達成したユーザーには空投キャンペーンが用意され、SynthetixのDerive買収提案などDeFi分野のニュースとも相まって、多様なアルトコインへの関心が高まっています。
その他注目プロジェクトの動向
Pudgy Penguins CEO:Abstract ChainはQ4にTGE
NFT界で人気のPudgy Penguins。そのCEOであるLuca Netz氏は、独自L2ネットワーク「Abstract Chain」のトークン生成イベント(TGE)を2025年Q4に予定していると言及。NFTから派生するインフラ拡大が具体化し、同プロジェクトのファンコミュニティでも期待が高まっています。
Circle、SonicチェーンへUSDCを導入
ステーブルコインのUSDC発行元Circleは、Sonicチェーンに原生のUSDCを正式ローンチすると発表。これまでブリッジを介していたが、アップグレードでブリッジ型USDCからネイティブUSDCに移行し、さらなる高速化・利便性向上が期待されます。
Coinbase、新たなブリッジトークンcbADA・cbDOGEなど追加へ
大手取引所Coinbaseは、独自Layer2「Base」上で運用されるブリッジトークンとして、cbADA、cbDOGE、cbLTC、cbXRPを新たに発行予定であると発表しました。すでに発行済みのcbBTCと同様に、対応通貨のエコシステム拡大につながるでしょう。
重要データと投資・資金調達
Abraxas Capital、ETHを5.61億ドル購入
大口投資家Abraxas Capitalが、過去1週間で約24万2652ETH(評価5.61億ドル相当)を買い増し。ETHの大型取得はマーケットでも強気の指標とみなされており、売り圧力減少との観測も強まっています。
eToro、米国IPOで6.2億ドルを調達
イスラエル発のソーシャルトレード大手eToroが、米国でのIPOを拡大して約6.2億ドルを調達しました。リードアンダーはゴールドマン・サックスなど。上場によりeToroの評価額は40億ドル規模に達すると見込まれています。
DeFi関連融資・買収
- Antixが820万ドルの私募資金調達に成功。超リアルAIデジタルヒューマンをブロックチェーン上でNFT化する計画を明かしています。
- Gnosisが新加坡HQ.xyzを1495万ドルで買収、チェーン上金融運営プラットフォーム「Gnosis HQ」へ再構築予定。
- Coinbaseはカナダのステーブルコイン発行企業Stablecorpに出資し、加ドルペッグ型のQCAD普及を支援。
- SpaceComputerはPrimitive Ventures主導でプレシード資金を調達し、衛星を活用した耐物理攻撃性の高い暗号システム構築を目指しています。
ニュースの解説
今回の「仮想通貨ニュース」では、取引所・金融大手・DeFi領域・NFTプロジェクトまで幅広く動きがありました。とりわけ大手機関投資家の仮想通貨参入姿勢が一段と明確化し、米国の規制検討や欧州・アジア各国の法整備が同時並行で進んでいます。今後は金融機関連携による信頼性の向上、DeFi案件の大型買収、新たなNFT連動型チェーン構想など、多面的に市場発展が見込まれます。一方で規制当局の視線は厳しさを増しており、ステーブルコインやデリバティブ清算など、抜本的なルール整備が進む段階にあります。投資家・プロジェクト関係者は、こうした国際的な動向を見極めながら、リスク管理と新規チャンスの両立を図ることが重要と言えるでしょう。